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(回答先: 7―9月期GDPの伸び鈍化、景気減速が鮮明に [読売新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 11 月 12 日 14:44:24)
11月12日(ブルームバーグ):内閣府が12日発表した四半期別国民所得統計速報によると、2004年7?9月期の国内総生産(GDP、季節調整値)は物価変動の影響を除いた実質で前期比0.1%増、年率換算でプラス0.3%成長となった。内需が成長を押し上げたものの、輸出の減速で外需が8期ぶりにマイナスとなった。
GDPはかろうじて6四半期連続でプラス成長となり、景気回復基調を維持していることを示した。しかし、03年10〜12月に前期比1.9%増と高い伸びとなったあとは、04年1〜3月は同1.5%増、4〜6月は同0.3%増と鈍化が続き、7?9月はさらに伸びが縮小。景気が徐々に減速している姿が鮮明となった。
また、消費は堅調を維持したものの、設備投資が4期ぶりに減少に転じたほか、外需がマイナスとなり、これまでの景気下支え役が表舞台から降板したしたことで、懸念が「景気減速」から「景気後退」へと変わりそうだ。
事前の予想では、景気減速懸念が強まるなか7?9月GDPが前期の伸びを上回って若干持ち直し、先行きも「減速しても調整は軽微」とのシナリオが大半だった。住友生命総合研究所の市来治海氏は発表を受けて、「足元の経済は予想よりも弱い。来年度にかけて減速するが後退にはならないという認識だったが、景気後退もあり得る」と慎重な見方を強めた。事前のブルームバーグ調査では、7〜9月期のGDPは前期比0.5%増、年率換算ではプラス2.1%成長が見込まれていた。
ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎シニアエコノミストは、消費が堅調さを維持していることから景気がこのまま急速に悪化していくリスクは低いものの、けん引役を失った日本経済は景気回復の最終局面を迎えている可能性が高いとしている。
発表後、竹中平蔵経済財政政策・郵政民営化担当相は閣議後会見で、足元の経済について「基本的には上り坂のなかの微調整との見方は変えていない」と強調しながらも、警戒心をもって動向を注視する考えを示した。谷垣禎一財務相も「景気は回復しているという今までの判断に沿ったもの」と指摘する一方で、設備投資や外需の減少に注意が必要だと語った。
設備投資が0.2%減、4期ぶり減
需要項目別にみると、内需のうち個人消費が前期比0.9%増加したほか、住宅投資が同0.2%増加した。ただ、設備投資が同0.2%減と4期ぶりに減少し、成長率を押し下げた。公的資本形成(公共投資)も同4.2%減少した。
設備投資の落ち込みは、受注ソフトウエアが低調だったほか、台風により建設工事が遅れたことが影響したという。バークレイズ・キャピタル証券の山崎衛チーフエコノミストは、原油高、海外経済など不透明要因が増して、企業の設備投資姿勢が慎重化したことが背景にあると分析。また、「在庫積み上がりから電子部品・デバイス工業などで設備投資が抑制された可能性もある」(第一生命経済研究所、嶌峰義清・主席エコノミスト)。
今後について嶌峰氏は、「企業の景況感自体が大幅に悪化したわけではないため、今後設備投資が調整色を強めるとは見込み難いものの、しばらくは景気のけん引車として期待することは難しい」とみる。斎藤氏は、2次速報時に上方修正される可能性もあるが、先行指標の機械受注をみると10〜12月見通しは低い伸びにとどまっており、設備投資は当面一進一退の動きが続くとみている。
「消費」:猛暑、五輪効果も
台風の影響が懸念されていた消費は、6期連続でプラスとなった。内閣府は、猛暑でクーラー、エアコンの消費が伸びたほか、8月のアテネ五輪開催でプラズマテレビ、DVDなどの消費も好調だったと説明。一方で、台風来襲で宿泊サービス、国内旅行などは低調だったという。
消費の増加は、猛暑、五輪開催効果に加え、雇用・所得環境、消費者マインドの改善が影響したとみられる。7〜9月の雇用者報酬は前期比0.1%増と2期連続でプラスとなった。
景気をけん引してきた設備投資、外需がマイナスとなったことで、先行き経済のカギを握るのは「消費」。企業部門の改善が家計部門に波及する過程にあるが、発表後に竹中経財担当相は、企業収益が増加基調にあるためキャッシュフローが家計に回る可能性がある一方で、設備投資が弱まったことで家計に心理的に悪影響が出る可能性もあると指摘し、消費者マインドが落ち込み家計消費が落ち込む可能性も示唆した。
また、定率減税縮小・廃止が議論されているが、縮小・廃止されれば実質増税となり、家計消費を抑制する要因となる。嶌峰氏は、増税が決定されなくてもこうした議論が進むなかで消費を抑制するリスクは高いと指摘し、日本経済がデフレを脱却するための命綱ともいえる個人消費を、むしろ支えるような議論が必要だと強調した。
輸出
輸出は前期比0.4%増と、前期の同3.6%増から大きく伸びが鈍化。一方、輸入は前期比2.7%増と、前期の同2.3%増から伸び率が高まった。内需の成長率への寄与度がプラス0.3%となった一方で、外需はマイナス0.2%となり、輸出の減速を反映した。
山崎氏は、中国の引き締め策で中国向け輸出が急減したほか、世界的なハイテク部門の調整でハイテク関連製品の輸出も伸び悩んだと指摘。先行きについては、中国経済が依然高成長を続けているほか、米国経済も堅調な成長を続けていることから、輸出が一段と減速してしまうような状況ではない、としている。
名目GDPはゼロ成長
一般的な物価を示すGDPデフレーターは2.1%下落と、前期の2.7%下落(改定値)から縮小したが、26カ月連続で下落した。名目GDPは前期比ゼロ成長だった。
南氏は、素材業種で価格転嫁に踏み切るケースが増えており、今後の景気展開によってはGDPデフレーターの前年比下落率のさらなる縮小が予想される、としている。
政府見通し達成は
内閣府では、04年度の経済見通し実質3.5%成長を達成するには、残る2四半期にそれぞれGDPの前期比1.3%増が必要と試算。仮に残り2四半期がそれぞれゼロ成長となった場合、04年度GDPは2.5%となり、内閣府の経済見通しを下回る。
野村証券金融経済研究所では、04年度実質GDPは3.0%程度、05年度は 2.0%弱の水準への下方修正する予定という。また06年度は05年度を大きく上回ると見込んでおり、景気は踊り場局面をこなしつつ、なお回復軌道を維持するとしている。
日本電産の永守重信社長は発表前にブルームバーグ・ニュースのインタビューで景気の先行きについて、原材料高や、新製品のピークアウト、円高などを背景に「おそらく、この下期から来期にかけて若干減速するだろう」と指摘。ただ「ひとつの調整局面を迎えているだけで、またカムバックするのではないか思う」と述べ、3四半期か1年程度の調整局面を経て05年後半には再び成長が高まるとみている。
「ショッキングな数字」
住友生命総合研究所の市来治海氏は発表を受けて、「ショッキングな数字。特に設備投資が信じられないような数字。外需も8期ぶりにマイナス。企業の設備投資についても見直しの機運が出ていることを示唆している」と指摘した。
発表を受けて、日経平均株価は小幅下げたものの、上昇に転じた。円相場はドル買いが進行し、1ドル=106円82銭まで上昇した。
記事に関する記者への問い合わせ先:
東京 青柳仁美 Hitomi Aoyagi haoyagi@bloomberg.net
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谷合謙三 Kenzo Taniai ktaniai@bloomberg.net
Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時 : 2004/11/12 14:02 JST
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=abx.mciU6Jjg&refer=jp_news_index