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ブレア英首相が党大会で演説、求心力回復へ結束強調
読売新聞9月29日
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040928id21.htm
【ブライトン(英国南部)=飯塚恵子】当地で開催中の英労働党大会は28日午後、ブレア首相(党首)が演説し、来春の下院選勝利を目指し、党内が結束して戦うよう訴えた。党内には、首相の右寄りの「ニュー・レーバー(新しい労働党)」路線に不満を持つ労働組合中心の勢力が、イラク問題に乗じて一段と執行部への揺さぶりを強めているが、首相は労働党の100年の歴史で初となる連続3期目への続投に強い意欲を表明した。
「我々の3期目の使命は、英国の勤勉な家庭のために、英国を変えることだ。人々は『選択』を求めている。この単語はもはや、少数のための保守党の専門用語ではない」
首相は演説でこう繰り返した。これは、首相が1997年の政権発足以来、「ニュー・レーバー」として掲げてきた路線の発展にほかならない。首相が就任当初に打ち出した、保守でも社会主義でもない「第三の道」路線は、市場経済の競争を通じ、国民に選択肢を提供することを標ぼうした。演説で、首相はそれをより多くの国民に広げると強調。そのうえで「我々は価値観で結束している」と述べ、党内の団結を求めた。
首相は、過去30年で最低の失業率(4・7%)や、史上最長の経済成長の連続記録など、2期7年間の経済面での実績を列挙。そのうえで、3期目の課題として、〈1〉富裕層でない一般家庭向けの減税〈2〉公立病院の診療待ち期間を最長18か月(97年時)から同18週間に短縮――など、10項目にわたる詳細な内政課題を列挙。演説はさながら下院選に向けたマニフェスト(政権公約)の柱の様相だった。
だが、その内政の諸課題について、党内にはもともと大きな亀裂がある。首相の「ニュー・レーバー」路線に対し、政府の手厚い保護による福祉政策を重視してきた労組代表や左派強硬派は、7年余にわたって不満を蓄積。目下、イラク政策で傷ついた首相に対し、怒りを爆発させている。28日も、抗議者が首相演説を2回妨害した。
首相のライバル、ブラウン財務相は27日の演説で、当面は下院選に向けた首相への支持を訴える一方で、育児休暇制度の充実や年金改革など、福祉予算の増大を強調した左派色の強い「政権構想」を展開し、首相をけん制した。
首相は、党内の不満を受け止める形で、後半でイラク問題にも言及。大量破壊兵器に関する情報が誤りだったことを認めた。さらに、首相に対する世論の「信頼度」が落ちていることに自ら触れたうえで、「私は指導者として変わったのだ。思いやりよりも、正しいと信じたことを進める。最終的に英国の人々の安全にかかわるからこそ、イラク問題にも取り組んでいるのだ」と述べ、理解を求めた。
(2004/9/29/01:38 読売新聞 無断転載禁止)