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購読しているのが朝日なので、厭でも、言及したくなる。
おもえば、二年前ほどか、チェチェンのチェの字も知らなかった私が、朝日の検証記事で、チェチェン人の凄惨な境遇を理解したのは。
そのころ、しんぶん赤旗は、「武将集団の過激な行動」がおこるたびに、テロリストと一括し、「いかなる理由があっても、罪のない人々を巻き添えにすることはゆるされません」と繰り返していた。「いかに自由と独立を目指そうとも、テロによって、支持は失われる。また、他の「お行儀のよい正当な抵抗者まで、貶めることになる」とまあ、このような意味のことをくりかえしていた。
アフガン攻撃、北朝鮮バッシング、イラク戦争、いずれも、全ては通じることだ。
ところが、イラク戦争が占領の形をあらわにし、大量破壊兵器の口実もなくなったかとおもうや、世界情勢の応援も意識してであろうが、いまや、企業系新聞のなかでは、もっとも、抵抗勢力のがわにあるまともな論調である。
かつて、オサマ・ビンラディンをあしざまにいい、裁判官よろしく、犯罪者と規定した(9・11が彼の指示であったと判定)その日から、呼び捨てにしたことも記憶に新しい。が、捕獲という語彙に異をとなえたわたしに、謝罪文はのせなかったものの、その日以降、この動物を捕らえる意味の漢字は使わないという、最低限の常識はあった。 この捕獲ということばを指摘した数社の新聞社・雑誌社のなかで、もっとも、ましであった。ある週刊誌などは、「その程度のことをしているのでしょう」と、哂いながらこたえた女性がいた。
さて、このたびの朝日新聞は、2年前とは比較にならない侵攻路線である。
数々の戦争法案に8割がた賛成し、戦争国家を突き進む民主党の機関紙よろしく、選挙を応援するくらいだから、当然といえばとうぜんであろうか。相変わらず、公明党の広告を頻繁にのせ、戦争企業がスポンサーであってみれば、それは致し方ないことかもしれない。
が、朝日は先の戦争での戦争プロパガンダを、真っ先に謝罪したのではなかったか。十分に反省し、新聞社としてどうあるべきか、真摯に問い、生まれ変わったのではなかったか。右翼のテロに狙われ、言論封殺と言う憂き目にも毅然とたちむかったのではなかったか。
そんな朝日にとって、今の戦争路線に対抗することこそが、贖罪としても、社運をかけるほどに値するものではないのだろうか。
私は数人の素晴らしい記者をしっている。が、有能な記者を封じ込めるような動きがあるようで気になっている。ま、これはどの新聞社でもいえることであるが。
今回のチェチェン事件の具体的な内容をみてみると、朝日新聞は多くのスペースをさいている。いつものことだが、ロシア政府、治安部隊側の声から記事を書いているのはいうまでもない。
タイトルを並べるが、
爆発・突入死者150人超
児童ら60人負傷 特殊部隊と銃撃戦
人質とり数人なお抵抗
逃げる子 背中に連射ー「目の前でばたばたと子どもたち約20人が倒れた。学校から逃げ出そうとしたところを、犯人が背後から銃で撃った」ベスラン市の工場勤務ファメーラ・ファルカザノフ(46)は、朝日新聞の電話取材にそう語った。
−−はて、このファメーラさんは、わが子が撃たれるのを目の前でみていたというのだろうか。「武装勢力側の交渉に一切応じないロシア政府、三日がたち、「理由のわからない爆発があり、爆発後、武装集団が銃撃を開始。ロシア特殊部隊が次々に校舎内に突入した・・・といわれている。
アンドレーエフ局長は朝日新聞に対し、「特殊部隊の突入は計画していなかった。爆発がなければ我々の方から発砲することはなかった」と話したとも書かれている。
が、今までの経緯をみてみても、こんなことが信じられるとでもいうのだろうか。交渉する気がない政府の犬は、いつでも強行突入するために、特殊ガスやらなにやら携帯して、武装勢力もろとも市民の犠牲などものともせず、劇場占拠のときのように、速やかに処断するつもりだったのではないか。毒ガスは、検証されない限り、正体不明であり、人肉や流血や悲鳴も最小限度になるから、マスコミも、さほど騒がないと。
ところが、今回は、この目論見が狂ったのだ。武装勢力はバカでない。対話ではどうにもならない政府に、ギリギリの交渉の賭けをするために決行した行為である。裏切られても裏切られても、世界世論へ向けてのメッセージを発することでしか、道が無い今、できるだけ、派手に、広く、インパクトの強い効果を出すことが必要である。否、自分らのメッセージを聞かざるを得ないほどの世界世論に向けてのメッセージともいえる。
ともあれ、悪名高い特殊部隊が突入以降、逃げる子どもを撃つ余裕があるだろうか。自分らを撃ってくる特殊部隊のために弾は有効に使わなくてはならないだろうし、特殊部隊に抗うことで手一杯のはずである。こういう事実を考慮もせず、イエスマンよろしく、捏造まがいの告白記事を垂れ流す朝日新聞のちょうちん記事にぞっとする。
2面、また犠牲、政権に打撃
テロ強硬策、限界を露呈
凶悪化誘発、民意も離反
−−ロシア国民の多くは学校占拠事件の発生と同時に、02年10月のモスクワ劇場占拠事件を想起した。このとき突入した特殊部隊はチェチェン武装集団を全員射殺したが、人質の観客ら120人以上も犠牲になった。しかし事件後、プーチン大統領の支持率は跳ね上がった。
この他人事のような書き方。人質の観客ら120人は、特殊部隊が撒いた特殊ガスで殺したのではなかったか。「爆弾巻きつけた女性を含む武装集団」を対面ではかなわないから、もちろん交渉などかけらもないから、100人や200人の民衆など犠牲になったところでかまわないという意図の下に、さっさと、殺害したのである。
当時、私は某女性週刊誌にのった写真に胸糞が悪くなった。テロリストに殺された治安部隊の兵士の写真である。逆さにつられたその下には、首がないのである。文章はいかにも、おどろおどろしい文言があふれかえっていた。
が、冷静にみると、ただ、写真は軍服をきた物体がさかさになり、上に靴をはいた両足、一糸乱れぬ軍服、そして、血一滴も滴っていない模様の場所での撮影なのである。
最初の頃は、「武装集団」が人質を殺したという噂、そう流言蜚語がやたら流されていた印象がある。そして、一人たりとも、武装集団は人質を殺さず、あくまで、政府側との交渉にかけていたということが立証されたのだ。
今回もちらと触れてはいるが、「エリツィン政権の95年に起きたチェチェン武装勢力による病院占拠事件のように、交渉で解決した前例もある。チェチェン独立派指導者のマスハドフ元大統領は、プーチン政権との交渉に応じる姿勢も示している」
武将集団だのテロリストだの過激派だの、いろんなネーミングがつけられているが、そもそも、彼等は生存権と人間の尊厳の回復をもとめて、異議申し立てを表明しているのではないか。
私は歴史上の様々な思惑は分からないが、彼等の目的は素朴であり、身内や家族が平和に生きることを阻害されることへの怒りではないかと思っている。
アルカイーダがいるとしてさえ、その根底の目的は同じであろう。尊厳を冒す米国をはじめとする野蛮な大国。冒される側の援軍としてのアルカイーダであり、確かに、ソ連のアフガニスタン侵攻の際には、アラブ義勇兵ことアルカイーダが一時、米国の武器等援助してもらった。ビンラーディンとCIAとのつながり云々とも言われるが、それも当時は自然なことである。その後は、ことの経緯を見てみれば分かるというものだ。CIAに毒を盛られて、間一髪で、命拾いしたなんてこともある。