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防衛庁の文民統制、制服組見直し提案 背広組と対等狙う
自衛隊の運用をめぐって、防衛庁の文官(背広組)が持つ監督権限を大幅に見直すよう、自衛隊制服組の最高幹部の一人が、石破防衛庁長官に正式提案していたことが1日、分かった。文官のトップである防衛事務次官が持つ権限を削除して制服組トップに移すことで、制服組と背広組を対等に位置付ける狙いだ。文官優位を特徴とする戦後日本の文民統制(シビリアンコントロール)を大きく修正するよう求めるもので、議論を呼びそうだ。
提案があったのは、6月16日に庁内で開かれた防衛計画大綱の見直しを議論する「防衛力のあり方検討会議」。石破長官や防衛次官のほか、統幕議長、陸海空各幕僚長らが出席する中、古庄幸一海幕長が「統合運用体制への移行に際しての長官補佐体制」と題した文書を提示して説明した。庁内では陸空を含む制服組全体の意向を踏まえたものと見られている。
提案は、05年度中に制服組の最高ポストとして統合幕僚長が新設される組織改編にあわせ、内局の組織や制服組との関係の見直しを求めている。
その具体的な見直しの焦点は、背広組が制服組を統制する防衛庁独自の「参事官制度」を規定した防衛庁設置法9条だ。官房長や防衛局長など10人の背広組幹部が防衛参事官に指定され、政治・軍事の両面に目配りしながら、長官の統制が確保されるよう補佐することになっている。
海幕長の提案では、同制度を「(自衛隊創設)50年を経た現在、統合運用に移行し、長官補佐を健全かつ円滑なものとするとの観点から適切ではない」と指摘し、削除を求めた。さらに、防衛庁・自衛隊全体への「監督権」を防衛次官に付与した内閣府設置法61条を改正して「部隊運用に関する監督機能を削除」、さらに「統合幕僚長が自衛隊の運用に関する事務を所掌するよう明記する」とした。
内局の背広組の統制権限を廃止し、政策をつかさどる「事務次官」と、軍事を統括する「統合幕僚長」を、長官の補佐として対等に位置づけようとの狙いがある。
制服組では以前から「長官の補佐機関として内局を通さないと長官に意見具申できないのはおかしい」(幹部)として、有事法制整備に次ぐ課題として、文官優位の制度を改めるよう内部で模索していた。自民党でも3月下旬に国防部会が「防衛参事官制度を含む制度、中央組織の見直しを行い、そのために必要な(自衛隊法と防衛庁設置法の)防衛2法の改正を行うことが必要である」との提言をしている。
防衛庁では、今回の提案を受け、参事官制度のあり方を模索する考えだが、背広組は「海幕長の提案は寝耳に水だ。文民統制の原点に返って、実力組織統制のあり方をきちんと議論すべきだ」(幹部)と反発。政府高官も1日、「過去の長い経緯がある話だ。軽はずみに議論はできない」と語った。
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〈文民統制(シビリアンコントロール)〉 民主主義国では、政治が軍事に優先するという原則の下、実力集団である軍に対する政治統制のシステムがとられている。日本では戦前に「天皇による統帥権」の名の下に軍部の暴走を許したという反省から、国会と内閣による統制に加え、防衛庁内に長官を補佐する防衛参事官という官僚ポストを設け、制服組を統制するシステムをとっている。 (07/02 06:04)
http://www.asahi.com/national/update/0702/006.html