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人間は感情においてより理性においてより過ちをおかす(カント)
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投稿者 バルタン星人 日時 2004 年 6 月 14 日 13:27:01:akCNZ5gcyRMTo
 

(回答先: 連合赤軍内の公安スパイに関しては、当時、いくつかの雑誌や本に載っていた記憶があります 投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2004 年 6 月 14 日 09:08:44)

>竹中労氏の本(あるいは何かの雑誌の記事)でも詳しく検討されていた記憶があります。
>本の名前はどうしても思い出せませんが。
「世界赤軍 夢野京太郎小説集」(潮出版社! 絶版)のうち「連合赤軍リンチ事件」かもしれません。(初出「週間小説」 72年3月31日号)ただし本文は竹中氏の筆によるものではないし(たぶん)、小説(フィクション)という形式をとっています。
夢野京太郎(ユミヌチョンダラー)は個人名でなく竹中氏が主催する故K氏を初めとする当時無名のジャーナリスト達によるライター集団のペンネームです。(解題は間違いなく竹中氏ですが)
以下(一部について手動スキャン)
----------------------
==前略==
Mは意図的に権力から送り込まれた、組織破壊者であったのかオレには判らない。だがM作戦(現金強奪)の一環である横浜給料ひったくり事件容疑者として逮捕された彼女は、「赤軍」について知り得たすべてを自供してしまった。権力側の発表では拘留期限の切れる直前になってようやくオチタと言うが信じられない。Mは思想的にゼロであった。経歴も定かでなく、山口組幹部の愛人だったが虐待に耐えかねて逃げ出したと自称していた。彼女をM作戦に参加させることには当然疑問があった。だが、現金強奪という作戦の性質上、活動家タイプではない”活動家”がどうしても必要だったのだ。Mは色が白くきゃしゃでコケットリーであった。伝法な口のききかたと、裕福な家庭の主婦を演じてみせる淑やかさを使い分けた。....彼女は天性の俳優であり、しかも犯罪愛好者であった。罪の意識はまったくなく、金融機関襲撃の下見、レポ、現場での見張り等々に嬉々としてすすんで服務したのだ。Mは勇敢でありゲリラ志願者が遂行すべき行動をみごとに果たしていった。オレたちはMを見直し、彼女こそプロレタリア的品性の具現であると思いこみ、もう一つの品性に対する警戒をといてしまった。もう一つの品性---それは彼女の男性に対するアナーキーな情念だった。鱗粉をまき散らす蛾のようにMは”同志”を誘惑していった。==中略== Mという女に話を戻そう。7.15から12月週順の榛名山アジト集結に至る間に彼女は組織から切り離された。そして1月24日に逮捕されるまで、Mがどのような行動をとったのか、警察発表によれば、「ナゾとされている」。謎などあるものか8月下旬頃からMは都内文京区の友人宅に潜伏して、公安に張り込まれている。9月、どういう心境か公然と方々の映画シンポジュウム、討論会等々に姿をあらわして、新左翼の評論家、映画監督、雑誌編集者等々と接触をはかり、暗に自分が地下組織メンバーであることを言葉の端々にチラつかせた。その間、公安はずっと彼女に密着して、尾行、張り込みを続けていた。つまり泳がされていた。そしてMの逮捕以後山岳アジトは続々と発見されて群馬県警の山狩りが始まる。もしかの上が権力の送り込んだ組織破壊者だったとすれば、彼女は一級のマタハリであったと言わねばならぬ。色仕掛けで組織を退廃させて連続リンチ事件の原因をつくり、最終的には知り得た限りの情報を提供して「赤軍」を壊滅させたのだから。Mはスパイだったのか、オレにはどうしてもそうは思えない。
(下線バルタン)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
けっきょくオレたちの組織に、オレたちがうち倒そうとしてりうこの資本主義社会の毒が、Mという女の姿をかりてシンまで腐食浸透する欠陥があったということだ
==以下略==
---------------------- 
事実関係からいくとM(なんたる符合)は「赤軍派」のスパイかもしれないが「連合赤軍」軽井沢事件との「直接の関連」はないということです。私の結論としては連合赤軍スパイ説は否定します。誤解されると困るのですが「彼らは純粋で権力と闘った。侮辱するのはゆるさーん」と言っているのではありません。逆に「スパイにやられた」というのはあたかも大変立派な組織であったようなトンでもない買い被りではないかということです。それは「活動家タイプではない”活動家”がどうしても必要だった」下りにも現れています。戦前の共産党の非合法活動や同時期の中核派が髪をアップにして振り袖を着た女性活動家に火炎瓶を運ばせていた事などと比べてもあまりに智慧も工夫もない。こんなガラス張りで風通しのよい組織ならあえてスパイなど放つ必要もなかっただろうということです。
「世論誘導のため利用した」というのはおっしゃるとおりです。それも極めて巧妙に。「山岳アジト」の動勢をすべて把握していた公安は密かに12名の「兵士」の遺体を発掘し身元を特定した上で「埋め戻して」います。あさま銃撃戦の後、新左翼のあいだに彼らを「英雄視」する見解が出始めるのを見図って、マスコミにリークしテレビカメラを発掘現場に入れ「驚愕の事実」を予定とおり発表しています。文字通り12名の「兵士」は2回殺されてしまったと言えるでしょう。
以下同本より12名の方のリストです。合掌
尾崎充男 (22) 総括 日共左派   小島和子(22) 総括 中京安保共闘
新藤隆三郎(22) 総括 赤軍派    加藤能敬(22) 総括 中京安保共闘
遠山三枝子(25) 総括 赤軍派    行方正時(22) 総括 赤軍派
寺岡恒一 (24) 死刑 日共左派   山崎順 (21) 死刑 赤軍派
山本順一 (28) 総括 中京安保共闘 大槻節子(24) 総括 日共左派
金子みちよ(24) 総括 日共左派   山田孝 (27) 総括 赤軍派

                               

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