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糸数氏が初当選/’04参院選・沖縄 自公体制に痛手(沖縄タイムス)
http://www.asyura2.com/0406/senkyo4/msg/441.html
投稿者 スタン反戦 日時 2004 年 7 月 12 日 16:16:28:jgaFEZzEmIsYo
 

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200407121300.html#no_1

<2004年7月12日 朝刊 1・2・3面>
糸数氏が初当選/’04参院選・沖縄
自公体制に痛手

 第二十回参院選は十一日投票が行われ、即日開票の結果、沖縄選挙区(改選数一)で新人の社大党副委員長、糸数慶子氏(56)=社大・民主・共産・社民・みどりの会議推薦、自由連合支持=が三十一万六千百四十八票を獲得、自民党県連前政調会長の翁長政俊氏(55)=自民公認、公明推薦=に九万五千三百四十五票の大差で初当選した。沖縄選挙区は全国唯一の与野党一騎打ちで、候補者を一本化した野党が参院の一議席を守った。ここ数年の主要選挙で勝ち続けてきた自公体制と稲嶺県政にとっては手痛い敗北となり、県内政局が流動化する可能性も出てきた。

 沖縄選挙区の投票率は54・24%で、三年前より4・12ポイント低下し、衆参両院選挙と県知事を合わせた全県レベルの選挙で、復帰後最低を記録した。

 全国的に改憲論が活発化する中、糸数氏は護憲を主張。有権者の関心が高かった年金改革や自衛隊のイラク多国籍軍参加に反対を訴え、小泉政権への批判票を集めて圧勝につなげた。

 糸数氏は石垣を除く十市を制するなど都市部で圧勝、有権者が多い那覇、沖縄、浦添では約六割の票を集めるなど、地すべり的な勝利となり、無党派層の取り込みに成功したことを裏付けた。

 翁長氏は失業率を半減させると主張し、経済振興を訴えたが、政策を浸透しきれず、離島町村などでリードしたのみだった。

 普天間飛行場の移設計画が進む名護市でも計画撤回を訴える糸数氏の得票が上回ったことで、国と協力して同計画を推進する稲嶺県政は厳しい対応が迫られる。

 自民党は六月の県議選で現職六人の落選に続き、今参院選で大敗し、組織弱体化を一層印象付ける結果となった。

 また、自公体制は六年間、県内主要選挙で連戦連勝だったが、昨年の衆院選沖縄1区に続き、県議選で生じた選挙協力の“ねじれ”を解消できなかったことが敗因の一つになった。

 今選挙の結果が十一月の那覇市長選へ影響するのは必至。糸数氏を擁立した「3党プラス1」(社大、民主、社民各党と連合沖縄)と、「反自公派」の一部で連携を模索する動きがあり、糸数氏勝利で加速される可能性が強くなってきた。

 いとかず・けいこ 無新 社大党副委員長(社大・民主・共産・社民・みどりの会議推薦、自由連合支持) 1947年読谷村生まれ。読谷高校卒業後、平和ガイドとして活動。92年県議当選(3期)。

沖縄選挙区 開票結果(選管最終)

当 糸数慶子(無所属・新) 316,148票
  翁長政俊(自 民・新) 220,803票
投票率 54.24%


     ◇     ◇     ◇     
自公路線に「ノー」/勝因敗因
批判票が糸数氏へ


 全国唯一の野党共闘が実現した糸数慶子氏(56)と、自公スクラムで臨んだ翁長政俊氏(55)の与野党一騎打ちとなった参院選沖縄選挙区。年金改革などで小泉政権への批判を前面に打ち出し、「自公体制が始まった沖縄から、自公体制にノーの声を上げよう」と結集を呼び掛けた糸数氏が圧倒的な大差で当選した。勝敗を分けたポイントは「無党派層」「知名度」「自民支持層の分散」の三点だった。

 糸数氏が「立候補の条件」としてこだわった「野党共闘」。共産が独自候補の擁立を見送り、基礎票で相手候補を上回ったことが、糸数氏に決定的に優位に働いたのは否めない。

 ただ今回の票差は、前回の与野党の票差(約二万六千票)を大きく上回っている。従来の革新勢力の結集だけでなく、県内でも台頭しつつある民主支持層や無党派層の取り込み、一部自民支持層切り崩しなどの取り組みが功を奏したといえる。

 糸数氏の所属する社大党が民主・社民両党、共産党と、別々の協定を結ぶ「ブリッジ共闘」が実現したのは五月一日。選対は「ピラミッド型の統一選対の設置は間に合わない。新しい形も取り入れる」との方針から、無党派層への浸透も図る「市民型選挙」を標ぼう。年金問題などで小泉首相の支持率が低下したことも、無党派層への「呼び水」になった。

 先月の県議選で大幅に議席を減らした自民内部で「自公路線」に対する不満が高まったことも好材料になった。

 糸数選対は選挙期間中も一部の自民関係者と水面下で接触を図り、「少なくとも相手候補にはつかない」との感触を得ていた。

 さらに、昨年の衆院選沖縄1区で自公候補に敗れた下地幹郎氏の自主投票決定や、「反自公」を強調した糸数氏の名刺を配る下地氏の支持者が現れるなど、「一部の自民勢力の切り崩しに成功した」(糸数選対幹部)。

 政策面では「平和憲法堅持」「新基地建設反対」「イラクの自衛隊撤退」などを強くアピール。「平和の一議席を守ろう」との訴えは「革新の結束」を促すとともに、県内有権者をつかむ効果的なキャッチフレーズとなった。

 出口調査の結果を見ると、公明支持層の一部の票が糸数氏に流れており、選対は「平和政策で共感を得た」とみている。

 一方、運動期間中はかじ取り役となる政党が不在で、調整ミスなどから空席の目立つ個人演説会場も見られた。総決起大会や打ち上げ式に集まった支持者の数も目標を下回った。翁長陣営の企業動員と比較すると、糸数陣営の最大組織といえる労組の動員はふるわなかった。

 「親せきづきあいも大切だが、やはり一番大事なのは本家」(労組関係者)との声も聞かれた。

 労組、政党とも「本家」の比例代表候補に力点を置き、「選挙区は二の次」との傾向があったのも否めない。大差で当選はしたが「野党共闘」は必ずしも一枚岩とは言い難い状況だった。


野党共闘が奏功


 糸数慶子氏の話 県民の良識が自公政治にはっきりノーを突き付けた。支えてくれた皆さんに心から感謝したい。全国で唯一、野党共闘が組めたことが当選につながった。新たな基地建設を許さないという県民の平和への思いをしっかり受け止め、常に県民の立場でものを言っていきたい。無所属の立場で、平和憲法を守り、年金問題などに取り組んでいく。


必勝パターン崩れる/敗北翁長氏
県議選しこりで機能不全


 翁長氏は稲嶺恵一知事誕生から続く自公路線を堅持する形で選挙戦を展開したが、小泉内閣の支持率低下による中央からの「逆風」、県議選の「もつれ」、敗色ムードからくる「盛り上がりの欠如」など、“負のスパイラル”から抜け出せなかった。

 「こんなに差が開くとは…。年金やイラク問題といった逆風をはねのけるだけの組織力がなかった」。投票を締め切って、わずか五分後。「糸数氏当確」の知らせに、選対幹部はあぜんとした。

 組織力低下を招いたのは六月の県議選だった。自民公認の現職候補六人が落選したことや、当選はしたものの、公認、推薦をもらえなかった保守系議員らが対応に不満を抱いたことから、党県連内の反発が強まった。

 昨年の衆院選沖縄1区で生じた自公協力のねじれも解消できなかった。

 県議や市町村議はまとまりを欠き、最大の“集票マシン”が機能不全に陥ったことを感じさせた。一部の支援者は選挙期間に入っても動きが鈍く、糸数氏に流れた票もあったとみられる。

 地方支部の総決起大会に参加した関係者は「保守系候補の集会でこんなに人が少ないのは初めて。燃えない選挙だ」と手ごたえのなさを感じていた。

 自民党は従来、党所属議員個人の支援者らが集まり、支持基盤を構築。そこに景気対策に賛同する経済界のバックアップと連立政権を組む公明党の組織票が加わり、強固な態勢を形成してきた。

 出口調査で無党派層の八割が糸数氏を支持する中、組織の弱体化が当落を決定づける「致命傷」になったといえる。

 地方議員との関係修復に指導力を発揮できなかった県連執行部の責任を問う声もある。

 翁長氏は「政策で勝負する選挙」と位置付け、失業率の改善など経済振興策をアピールした。だが、具体性が乏しかったためか、有権者に浸透しなかった。糸数氏に比べ、知名度の低さも響いた。

 中盤、報道各社の調査で劣勢が伝えられると、「大敗すれば今後の選挙に影響する」と、経済界が奮起。企業トップらは危機感を強め、公明党支持層も票集めに奔走したものの、逆転までは届かなかった。

 “保守”陣営にとっては屈辱的な大差での敗退であり、自民党県連内のひずみは想像以上に大きい。


年金問題が逆風


 翁長政俊氏の話 県民の審判を真しに受け止める。イラク問題での自衛隊の多国籍軍派遣や年金問題などが逆風となったことや、保守の中にも一部結束がうまくいかない部分があったことなど、厳しい選挙環境だったことは否めない。だがやはり私の不徳のいたすところであり、県民の皆さんに大変申し訳ない。今後については私自身、もう一度考えていく。


共闘成功、野党の転機に/波平恒男琉大教授に聞く


 糸数慶子氏の最大の勝因は、野党統一が実現したことだ。さらに県議活動だけでなく市民、女性運動のリーダーとしての知名度で、翁長政俊氏を大きく上回った。

 全国的に小泉首相ブランドは色あせており、年金法案の強行採決、自衛隊の多国籍軍参加など強引な政権運営に対する批判が強かった。特に多国籍軍参加は、沖縄では他府県以上に深刻な危機感を県民に与えていた。

 糸数氏はこれらを分かりやすい形で争点化し、県民のメンタリティーをうまくとらえた。野党支持層だけでなく、無党派層からも圧倒的な支持を得たとみられる。

 今回の選挙結果は、野党側にとって島袋宗康氏の議席を守ったという以上の意味を持つ。与党側に傾いてきた流れを引き戻す大きなターニングポイントになり得る。統一候補を立てて勝った実績は、共闘継続に大きく作用するだろう。

 ただ、所属会派問題が先送りされており、性急に民主党会派入りを決めるようなことがあれば共闘継続は難しくなる。活動に制約があっても無所属を通すかどうかが注目される。

 一方、与党側にとっては大きな打撃となる。同じ自公体制に支えられる稲嶺県政、翁長那覇市政に対する批判も見て取ることができる。自公、反自公両派の融和が課題になるが、公明党の県議選での選別支持も尾を引き、簡単ではないだろう。

 投票率は54・24%と低迷した。自民党への批判が強い一方で、経済が全体としては回復基調にある状況によると考えられる。政権選択の選挙でない参院選の性格もあり、有権者の関心を引き付けられなかった。(談)


県内政党コメント


政策浸透が不十分/自民党県連


 嘉数知賢自民党県連会長 全国的に厳しい逆風が、本県にも強く吹いた。県議選での議席減も影響し、懸命に追い上げたが地域組織が十分に稼働できなかったことや政策の浸透が薄く、ムード選挙に敗北した。県民の審判を厳粛に受け止めたい。また支持者各位に対して心からおわびを申し上げると同時に、昼夜を問わず献身的にご支援を頂いたことに心から感謝を申し上げる。今後は敗因を十分に分析し、県連組織の強化、拡充に取り組み、来る選挙に備えたい。


年金問題不満表れ/社民党県連


 友寄信助社民党県連委員長 沖縄から始まった自公体制を野党が一致結束して、打ち破ったのは歴史的な大勝利。年金問題や自衛隊のイラク派遣、憲法改悪など小泉政権への県民の怒りが糸数さんの勝利につながった。また、県内では特に戦争への道を選ぶのか、それとも平和を選ぶのかが大きな争点になり、県民の平和への思いが勝利をもたらした。この大きな節目の中で、今後の那覇市長選、県知事選と勝利を勝ち取っていきたい。稲嶺県政を崩す大きな一歩になった。


県議選疲れが出た/公明党県本


 糸洲朝則公明党県本部代表 マスコミで年金やイラク問題がテーマとして取り上げられる中、翁長氏の説明が有権者に届かず、残念だ。県議選直後で選挙疲れもあり、態勢がつくれないまま選挙に入ったことも響いた。今回の有権者の判断をきちんと受け止め、分析しなければならないが、稲嶺県政を中心に振興計画を進めることが沖縄の発展につながることは変わらない。那覇市長選に向けても今回の結果は大きなポイントになる。保守中道路線をしっかり確認し、態勢を構築したい。


稲嶺県政への反発/社大党


 島袋宗康社大党委員長 野党の素晴らしい結束によって小泉政権と稲嶺県政の自公協定を突き崩した。自公政権は自衛隊をイラクに派遣し、県内では辺野古へのヘリポート移設や金武町の都市型訓練施設の建設など戦争へつながる問題を起こしている。それらが県民の大きな反発となって、糸数さんの当選を後押しした。社大党も県民を代表する政党として素晴らしい候補者を国会に送り込んだ。糸数さんには沖縄問題が全国民に関心を持ってもらえるような活動をしてもらいたい。


那覇市長選へ勢い/共産党県委


 赤嶺政賢共産党県委員長 年金問題や多国籍軍参加、憲法改悪など自公が進める政治に対する県民の怒りが結集し、勝利に結び付いた。名護市辺野古や金武町伊芸区で新基地建設に向けての動きが進む中、日米安保に対して「ノー」と言う立場の候補者の当選は、大きな意味を持つ。また日米両政府に大きな打撃を与えたと思う。今回の選挙結果は、県民の稲嶺県政に対する事実上の不信任ともいえる。この勢いで今後の那覇市長選、県知事選でも革新共闘で突き進んでいきたい。


県民の健全な判断/民主党県連


 島尻昇民主党県連代表 小泉・自公政権ではダメだという県民の健全な考えの結果。普天間基地の県内移設など公共事業でお金を落とそうという古い考え方はもう通用しない。県内野党はこれまでの選挙で、内輪もめで自滅し自公候補者に議席を譲っていた。今回、野党共闘で自公に勝利したのは非常に大きな意味を持つ。民主党は全国でも好結果を出している。自公の独裁的な政治ではなく、国民に政権選択のチャンスを与えることが重要。それが健全な政治につながる。


普天間問題見直せ/自由連合沖縄


 金城浩自由連合沖縄代表 議会制民主主義を冒涜したイラクの多国籍軍への一方的参加表明や不透明な北朝鮮拉致問題の対応、年金法強行採決など小泉政権の手法に対し、国民の不満が一気に爆発した結果で、県民の「命どぅ宝」の叫びが勝利をもたらした。政府はこの結果を真摯に受け止め、米国一辺倒の外交姿勢や普天間飛行場の県内移設を再検討する必要がある。健康的にも経済的にも恵まれないお年寄りが胸を張って生きていける沖縄にするため、糸数氏の活躍に期待する。


[解説]
野党新共闘が結実/反自公派造反、自民、深まる亀裂


 参院沖縄選挙区は全国で唯一、野党が候補者を一本化した糸数慶子氏が初当選した。野党陣営は参院の沖縄二議席のうち、一議席を守り、自公体制の連勝を阻んだことで、二年後の知事選をにらんだ今後の主要選挙に向けて布石を打つことができた。一方、与党側は県議選での自民退潮に続いて参院選で敗北、自公協力の「必勝パターン」に陰りが見え始めた。加えて与党内で「自公」対「反自公」の対立が決定的となったことは、今後の県内政局に大きく影響しそうだ。(政経部・屋良朝博)

 共同通信社と沖縄タイムス社の出口調査では、糸数氏が民主、共産、社民など推薦を受けた政党支持層のほぼ九割を固めた。無党派層の約八割の支持も得ており、民主が初参画した野党共闘が着実に浸透したことがうかがえる。

 一方、自民支持層の26%、公明支持層の23%が糸数氏に投票したと答えており、自公協力の“異変”が垣間見える。

 今選挙は自公協力に反発する「反自公派」が翁長政俊氏への協力を見送って自主投票を決め、与党内の分裂が表面化。昨年の衆院選沖縄1区で生じた自民内の亀裂はさらに深まった。

 今後、「反自公派」が自公体制への対決姿勢をより鮮明に打ち出せば、県内の政治勢力に地殻変動が起きることが考えられる。

 参院選の直前に実施された県議選で、公明の支持を得られなかった選挙区を中心に自民現職六人が落選、「地域の足が止まった」(自民関係者)ことも翁長氏には痛かった。

 「両選挙の結果を受けた総括が必要だ」(自民県連幹部)との公明批判とも受け取れる意見も聞かれ、両党関係にしこりを残した。

 こうした与党の現状に、経済界の関係者は「組織に緩みが出始めた」と分析した。反自公派の事実上の「造反」に手を打てず、与党分裂を回避できなかった点を指摘、「ねじれを修復するにはかなり時間を要する」とみる。

 参院選の結果を受けて県内政局は今後、「自公」「反自公」「野党共闘」に三極化するとみられる。その中で、反自公と野党の選挙協力が実現すれば、新たな枠組みが形成され、連勝を続ける自公の対立軸となり得る。那覇市長選を十一月に控え、自公協力はいま正念場を迎えている。

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<2004年7月12日 朝刊 23・22面>
平和の心、届いた/糸数さん圧勝に笑顔満開
「県民の良識」反基地に決意

 「平和を求める沖縄の声が勝利した」。十一日、参院選沖縄選挙区で初当選した糸数慶子さん(56)は感激に声を弾ませた。全国唯一の与野党一騎打ちとなった激しい選挙戦を振り返り、「県民が自公政権に拒否を突きつけた」ときっぱり。歓喜に沸き返る選対本部で国会活動に意気込みを見せた。一方、翁長政俊さん(55)は「多国籍軍への自衛隊参加や年金、保守の内部分裂、すべて逆風だった」と悔しさをにじませた。駆けつけた支持者と握手を交わし、労をねぎらった。

 「県民の良識を信じていた」。午後八時二十六分、当確の報に沸く那覇市おもろまちの選対本部に到着した糸数さん。指笛や「けいこ」コールに迎えられ、満面の笑顔で喜びを語った。

 同八時四分にテレビで最初の「当確」が出ると、事務所内がどよめいた。拍手や歓声がわき起こり、早々にカチャーシーを踊りだす支持者も。

 「暴走する小泉自公政権への県民の怒りが表れたのではないか。平和憲法が脅かされる危機的状況の中、期待と責任の大きさを感じる。絶対に新たな基地は造らせない気持ちで取り組みたい」と糸数さん。

 続々と駆け付ける支持者らと抱き合い、涙ぐむ場面も。女性グループの祝福には、輪になって手を取り合い、バンザイしながら何度も跳び上がった。孫の凜ちゃん(1)から小さな花束を贈られ、おだやかな表情は「おばあちゃん」の顔だった。

 県内初の女性参議院議員。「平和や環境、人権などの問題で女性たちの思いを政策決定の場に生かしていきたい」と決意を込めた。

 選対本部長の親泊康晴前那覇市長は午後九時前に勝利宣言。「皆さんのまとまりと情熱が勝因だ。これから日米両政府に堂々と要求を出していこう」と呼び掛けた。

 前職の島袋宗康さんは、固く握手を交わして糸数さんにバトンタッチ。「沖縄の心が訴えられる素晴らしい後継者。沖縄から始まった自公協定の流れを断ち切ろう」と声を弾ませた。

 衆院議員の照屋寛徳さんは「おごり高ぶった小泉内閣に、沖縄から怒りの鉄ついが下った。相手陣営のショックは相当なものではないか。ここで勝ち取った流れを十一月の那覇市長選につなげていきたい」と強調した。


「逆風」翁長さん落胆/あまりに早い決着選対声なく


 「どうもすみませんでした」。十一日午後八時半すぎ、那覇市天久の選対本部に現れた翁長さん。集まった百人近い支持者に深々と頭を下げた。

 開票作業が始まる前のあまりにも早い決着に選対本部は声もなく、静まり返った。自衛隊の多国籍軍参加や年金問題、保守内部での分裂などを挙げ「選挙環境が厳しかった」と振り返った翁長さん。約三分間のインタビュー中に「逆風」という言葉を三回も使い、日焼けした顔に悔しさをにじませた。

 翁長さんは支持者に対し「不徳の致すところ。大変申し訳ない」と述べ、「糸数さんには県民のために最大限ご尽力いただきたい」とエールを送った。疲れきった表情の越子夫人(54)は「ごめんね、ごめんね」と涙ぐみ、女性の支持者らと抱き合っていた。

 翁長さんは、一人ひとりと握手を交わし、感謝の言葉をかけた。「政治一本で生きてきた。この結果を分析し、これからも政治にかかわっていく」と笑顔できっぱりと話した。


テレビ各社早々と当確


 参院選投票締め切り直後の十一日午後八時四分にNHK沖縄放送局が、糸数慶子さん(56)の当確を報道、ほかのテレビ局も午後九時までにはすべて当確が出そろった。琉球朝日放送(QAB)は午後八時三十三分、琉球放送(RBC)の同三十六分、沖縄放送(OTV)が同五十分ごろに当確をそれぞれ打った。


◇     ◇     ◇     

有権者の声

「普天間」解決に期待


 阿嘉宗三さん(49) 当選した糸数さんには、県内移設ではない普天間基地問題の早期解決に期待している。基地があることで観光産業にも悪影響を及ぼしている。沖縄代表として、県民の思いを国会に届けてほしい。(那覇市、歯科医師)


少子化問題大きい


 千田富男さん(52) 年金問題も重要だが、長期的な目で見ると少子化問題も大きい。子育てしやすい、女性が働きやすい環境をつくってほしい。公約やその成果は、達成できなくても正直にきちんと説明してほしい。(那覇市、ホテル勤務)


現行憲法を守ろう


 赤繁陽子さん(26) 沖縄の経済状況の悪化は深刻。国からの補助金で単発的な公共事業などを行うだけでなく、長期的な雇用の場が確保できるようにしてほしい。現行憲法を守り、世界の平和のために力を尽くしてほしい。(沖縄市、教員)


障害者福祉に力を


 具志堅秋夫さん(25) 当選した糸数さんは、福祉に力を入れてほしい。障害がある人をもっと社会に出してほしい。実際にその人たちと触れ合ってもらいたい。できないことが何かではなく、「できる」部分を見てほしい。(名護市、清掃員)


離島の負担減望む


 奥平順子さん(59) 離島の負担を補う政策を望む。進学で子どもが島を離れ、寮費や旅費など大変だ。市町村合併は補助金も期限付きで、長い目で見たら判断できない。本当の意味で地方が活性化する政治をしてほしい。(平良市、主婦)


「年金問題」が心配


 新川清章さん(61) 年金問題は非常に分かりにくい。二十代、三十代の若い人が六十代になると年金をもらえるのか心配だ。税金を払っている人が損をしないように、当選した政治家はきちんとした仕組みを考えてほしい。(石垣市、無職)


(写真説明)早々と当確を決め、支持者らと喜びのカチャーシーを踊る糸数慶子さん=11日午後8時40分すぎ、那覇市おもろまちの選対事務所
http://www.okinawatimes.co.jp/day/gif/200407121300.jpg

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