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(回答先: 収賄罪などに問われた元大阪高検公安部長に懲役3年求刑 [朝日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 9 月 30 日 03:09:59)
http://www.ti-j.org/evalbook/book2.htm
コラプション・ファイターのための新刊書案内
「告発!検察「裏ガネ」作り」
「口封じで逮捕された元大阪高検公安部長の『獄中手記』」
三井環著 光文社刊 2003年5月
腐敗した個人や組織が最も恐れるものは、機密漏洩である。だから、コラプション・ファイターの最大の武器は情報なのである。それでも、腐敗・汚職との闘いで勝利するには、少なくとも2つの強力な組織のバックアップが不可欠である。ひとつはメディアであり、もうひとつは法の執行者である。
不幸なことにわが国では、この二つの組織でコラプション・ファイターとしての資格を問う重大な疑惑が生まれている。いずれの場合も、現役幹部による内部告発に端を発している。
メディアの内部告発は、わが国最大の経済専門紙日本経済新聞社の会長をめぐる醜聞である。会長は取り敢えず退陣に追いやられ、経営陣は株主代表訴訟を提起されているが、腐敗の決着には程遠く、マスコミ他社の追及は弱い。
最もクリーンであるべき法の執行体をめぐるスキャンダルは、現在各地の刑務所で頻発しているが、検察庁も重大な疑惑を抱えている。
本書は、「調査活動費」(調活)と称される公費が組織ぐるみで私的流用されている実態を内部告発しようとした現役検察官の手記である。
このケースでは、告発者が告発直前の絶妙のタイミングで逮捕され、塀の向こう側に消えた。このため、情報が一方的にしか提供されず、かつ我が国のマスコミと役所との特殊関係から告発者を犯罪者扱いする報道が主体となり、疑惑は放置された。
告発者たる著者が保釈された結果、いよいよ本格的なコラプション・ファイティングが始まる。
本書はその内部告発者が自ら告発に至った経緯と「調活」の実態を語ったものであるが、ほとんどあらゆることが可能な強大な権力の腐敗に、組織から追放された個人が立ち向かう姿は、ハリウッドのサスペンス映画を見るよりも迫力がある。
著者は、自らの目的を二つ上げている。一つは、この10年だけでも34億円にも上る検察の「裏ガネ」作りを告発すること、もうひとつは、「『謂れ無き犯罪』を被せて、口封じ逮捕をして社会的抹殺を図った法務・検察首脳の悪行を明らかに」することである。
著者は又、法廷で語った短い言葉を再録している。「私が、どうして被告席にいるのか、ここにいるべきは、検察首脳でなければならない。」この言葉は、武田泰淳の名作「ひかりごけ」を思い出させる。食人の罪で裁判にかけられた船長は、裁判官や検事の頭が光るのを見て驚く。その地方では、人を食った人の頭は、ひかりごけのように光るといわれていたからである。
三井氏を裁く人は、自らも裁かれなければならない。
(K.Y)
Copyright (C) 2003 トランスペアレンシー・ジャパン設立準備会
最終更新日 : 2003/12/25