現在地 HOME > 掲示板 > 日本の事件14 > 568.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
小6同級生殺害事件が起きた長崎県佐世保市立大久保小6年の複数の保護者が毎日新聞の取材に応じ、4時間にわたって事件や学校への思いを語った。事件直後に学校が敷いた「箝口(かんこう)令」を守り、多くの親たちがこれまで意見を差し控えてきた。しかし、今月15日、加害女児に対する長崎家裁佐世保支部の保護処分が決定。これを機に「子供の同級生の死を無にしないために」と重い口を開いた。【太田誠一、川名壮志】
■“箝口令”
保護者たちは6月1日の事件後、学校側からマスコミの取材に応じないよう度々要請されたという。その一方で「事実を知りたい、という声にはほとんど何も答えてくれなかった」と話す。
ある母親は「『子供が傷つく』と言われ何も言えずに従った。なのに学校は取材の矢面に立たなかった」と憤慨。「そもそも私たちが事件について話すのは悪いことではない。たとえ意見が食い違っても、痛みを分かち合いながら前向きに考えることが必要だった」と振り返った。
■心のケア
ある保護者は、PTA総会で校長が言った「心の教育を学校でやっていても問題のある家庭には届かない」という言葉が頭から離れない。「責任を保護者に転嫁している」と感じたからだ。
学校側は事件の背景になった交換日記を禁じ、図工や家庭科の授業での刃物使用を見合わせ、毎月1日を「整理整とんの日」にした。そして度々カウンセリングや心理療法のお知らせを家庭に配布した。
「形だけで学校は本気で子供と向き合っていない」「うわべばっかりでなく、その前にやることがあるのでは」。保護者には違和感が募った。
■不信感
学校側の説明不足は子供たちに対しても同様だった。加害女児を「犯人」と呼んだ児童に「友達のことを犯人なんて言うな」と怒鳴る教師。校長は処分決定の翌日、6年のクラスで加害女児をかばうような説明をし、子供たちから「なぜ悪いことをした子をかばうのか」と強い反発を受けた。
ある女児は自宅でつぶやいた。「なぜ大人たちは一生懸命加害女児ばかり助けようとするのか。友達は死んじゃったのに……」。子供たちは“大人たち”の態度に疑念を持ったままだという。
■学校の責任
「少年(女児)の不器用さは周囲に気付かれておらず、家庭でも学校でも少年の表現できない思いが酌み取られることはなかった」
家裁の決定要旨が地域や教育現場に触れた部分はこれだけ。「家裁が調べたことがすべてでしょうか?」。保護者の一人は疑問を投げかけ「学校の責任はどれくらいあるのでしょう」と続けた。「被害者と加害者だけの問題ではなく、クラスの状況をとらえた上で学校の責任を再考すべきだ」。保護者たちはこう口をそろえた。
保護者たちの言葉に出崎睿子校長は「教職員には人権や守秘義務の問題があるので取材に応じないよう言ったが、保護者にお願いしたことはない。どうしてそんな話になっているのか全く分からない。保護者への説明も事件翌日の6月2日にした」と反論。今後については「授業を通して人間教育をしていくしかないが、具体的にどうしていいか分からず難しい面がある。私一人で発言すべき問題ではないとも思う」と述べた。
毎日新聞 2004年9月22日 14時25分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/katei/news/20040922k0000e040075000c.html