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(回答先: 告発サイト【小倉秀夫のIT法のTopFront】 投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 12 月 01 日 22:04:14)
バランスが大切【小倉秀夫のIT法のTopFront】
http://blog.goo.ne.jp/hwj-ogura/e/0ffa89de7df404506a63c5473ff83bb2
[Weblog] / 2004年11月25日
昨日のエントリーに対し、落合先生からトラックバックをいただきました。
それ以前にも、それ以前のエントリーに対し、匿名の方(HNさえ名乗れない方も少なからずおられるのですね。)からコメントをいただいたりしていて、その中で、はてな住所登録問題やLivedoor削除問題に関する主張とWinny問題での主張との整合性などについて関心を持たれていたりしていたようです。
私たち法律専門家は、対立する利害構造の中で、どのようにバランスをとるべきかということを考える訓練を受けております。特定の問題に対しどこでバランスをとるのかという点については個々に意見が異なりうるわけですが、とにかく「バランス」を重視するわけです。
では、ネット上での言論についてはどうでしょうか。
主な利害当事者は3類型にまとめることができます。
1つめは表現者(情報発信者)です。
2つめは情報サービス(ソフトウェアを含む。)の提供者です。
3つめは表現行為による被害者です。
私は、情報サービスの提供者は、現実的・具体的にできることを行っていれば、ネット上の表現行為に関してリスクを負わされるべきではないと考えます。したがって、日本MMOも金子さんも、利用者の表現行為による責任を負うべきではないと考えますし(そう考えていなければ、ファイルローグ訴訟を手弁当で遂行することなどできません。)、Livedoorが責任回避策を広めにとることを支持します。
ネット上での表現行為によるリスクは、第1義的には表現者が負うべきだと考えます。したがって、私は、はてなの住所登録問題を支持しますし、まちBBSでの発言者やWinMXユーザーの使用するアクセスプロバイダに対する発信者情報開示請求訴訟に関し訴訟代理人としてサポートしてきました。
そして、情報サービスの提供者は、せめて現実的・具体的にできることはするべきだと考えていますので、私は、ISPに対し一定期間アクセスログの保管を義務づけるべきであるとの法改正には賛成しますし、レンタルサーバ業者(会員に無料レンタルサーバを提供しているISPを含む。)及びBLOG事業者が共同出資で共通IDを管理する会社を設立し、そこで発行されるIDの保有者の個人情報(住所・氏名等)をその新設会社で管理するというスキームが成立するのならばそれを支持します。また、発信者情報開示請求権の範囲を拡張する法改正(少なくとも開示請求者が、「違法性阻却事由のないこと」を主張・立証する責任を負わないことを明らかにする法改正)を支持します。
以上のような考えは比較的中庸なので、インターネット上での権利侵害情報の流通をサポートする情報サービスは撲滅されるべきだと考える方々からも、インターネット上では匿名による表現の自由が最大限保護されるべきであると考える方々からも、感情的な反発を受けたり、根拠のない事実摘示をうけたりすることがあるようです。
もっとも、コメント欄とか見ると、匿名での書き捨てが多いんですよね。紀藤先生がそのBLOGで「匿名コメントは無責任になりやすいと考えていますので、その意味でも、答えるつもりはありません。」とコメントされていましたが、匿名のコメントに対する反論というのは徒労感が大きいですね。だから、匿名のコメント等は、基本的に相手にしないようにしようとは思いますが(だから必要以上に、落合先生宛のエントリーが増えてしまうのです。)。