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(回答先: ちょっと本気で米国追従を考察してみる。 投稿者 考察者K 日時 2004 年 10 月 23 日 23:34:20)
初めまして。ご意見読ませていただきました。
共鳴するところは多々ありますが、全部が全部米国追従が悪いとは言えないのではないでしょうか。
このような議論が生じるのは、日本が成熟したからに他なりません。年功序列・終身雇用の崩壊や成果主義の導入=悪しき米国追従の典型と言われますが、日本は80年代には既に私有財産の認められた共産主義国家の様相を呈する程の繁栄を謳歌した訳です。
ずば抜けてお金持ちの人間も明日生き延びれるか分からない人間も殆どいない、バランスの取れた民度を有する国家が日本です。バブル崩壊後に長い低迷期を向かえた日本経済ですが、景況感が悪くなったのは当然とは言え、生活レベルがバブル崩壊前に比べ格段に下がった国民は極一部しかいません。景気が悪い悪いと言いながら、実際は価値観の多様化による出世意欲の減退、「1点豪華主義」の贅沢等と人それぞれがその時々をそれなりに謳歌しているのが現状だと考えています。ここで重要なポイントは、高度成長期の右へ習え的な経済発展が国民全員の総意として「豊かな生活を送りたい」を共通目標に掲げていたことに由来するものであり、それを達成した以降、大多数の国民は現状に満足し、当時より怠惰になったと言わざるを得ないと言うことです。だからこそ経済は低迷し続け、働くこと以外に目標や生きがいを持った人間の増加がそれに拍車をかけたのです。終身雇用・年功序列の崩壊という形のリストラは、自ら招いた当然の帰結ではないでしょうか?その先にある成果主義の導入も、限りある原資を頑張った人間に対しより多く還元すると言う意味では当然のシステムです。しかしながら、現実的にはこうした施策は「和」「集団」「礼」等を重んじる日本社会には馴染まないと言えましょう。年下の上司から指示を受けて気分のいい人間はいないでしょうし、個人の成果一つ取っても組織で仕事をする以上明確な線引きなどできるはずがありません。ですからさらにモラル・モチベーションは低下するのが実態です。Kさんは教育の重要性を挙げておられますが、こうした問題に教育はどう答えてくれるのでしょう。単に日本的な心のあり方を学ぶだけでは解決しないと考えています。「自分は何がしたいのか」「それはどうすれば達成できるのか」「そのためには他者を尊重し、他者の助けが不可欠だ」「だから集団の中で自分に何が出来るかを考え、行動する」「その結果として、自分にとっていい状態が現出する」という考え方こそ、これからのの日本的な個と集団との関わり方になるのではないでしょうか。
日本は属州と揶揄され続けながらも、米国に倣ってここまで発展して来れたわけです。恩義は棚に上げてブッシュ・小泉批判をしたり、米国文化の批判を展開することは余りにも身勝手ではないでしょうか。私も反ブッシュ派の1人です。が悪い面だけを捉えて米国批判をしたくはありません。私は政治レベルでの米国追従には異を唱えますが、上述した通り国民生活が結果的に日本にそぐわない面まで米国追従になった原因は自らにあると考えています。古き良き昔に回帰したいのであれば豊かさをある程度放棄せねばならないでしょう。一旦あるレベルの生活に慣れた人間には余程のことがない限り不可能です。であるならば考え方を改め、米国型の文化を日本流にアレンジしていくより他に脱米国追従且つ発展の道はないと思います。