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用語解説などを織り交ぜながら
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投稿者 如往 日時 2004 年 7 月 26 日 19:43:19:yYpAQC0AqSUqI
 

(回答先: まず、用語定義についてのご説明をお願いしてもよろしいでしょうか 投稿者 ぷち熟女 日時 2004 年 7 月 23 日 18:38:07)


 ぷち熟女さん、ご多忙中のところ申し訳ありませんでした。
 自身で以前の質問の延長線上を眺めてみましたところ、網羅不足の部分が少しあるのではとの思いからスレッドを立ててしまいました。


 所謂思春期の頃より、兎角世間で引き合いに出される男らしさや女らしさについて少なからず疑問を感じていました。自身の深奥を振り返ってみるならば、二つの性向に纏わる要素が内在する事実を否定できないし、予断を以ってつまり定性的に自己をどちらかの性に特定することなどはできず、私という性はもっと定量的な規定性に準拠しているのかも知れないと考えていました。そのためか、同性愛の存在についても比較的に素直に受け入れられて、取り立てて違和感がなかったと記憶しています。ですから、最近顕在化してきた性同一性障害といった問題も当然あり得るものとして、殆ど違和感がなく、至極自然な現象として受けとめています。自身に関して言えば、性同一性障害を自覚することのない、むしろ男性的性向が強い人間であると自己認識しています。

 恋愛感情の不思議さと申しましょうか、あれほど女性のことを知りたいと思って試行錯誤を続けたのに、いざ何となく気持ちが通じてステディな関係になっていくと、自分の何が受け入れられてまた女性の何が自分と合致しているのかよく分からなくなるものです。そんなことをその都度実感していました。けれどもこういったことを、相手と一緒に深く突き詰めることなどはなく、諸事雑事に追われながら恋人同士によく見掛けられる語らいと行動を繰り返していたような気がします。
 そんな長年の疑問を解くために、問題を捉える上でもある一定の指針を与えてくれたのが、ユングの男女両性具有論でした。その中心概念はアニムスとアニマです。言説から敷衍しますと、男も女も、アニムス(女性において抑圧されている男性性)=能動的な賦活性(エネルギー)と、アニマ(男性において抑圧されている女性性)=受容的な賦活性(エネルギー)を具有していることになります。ただし、私はユングの原型論それ自体を疑問視していますし、与する考えはありません。
 けれども、身体性における男性や女性が精神性における男性性や女性性とどの程度パラレルであるかどうか、完璧な答えを得てはいません。ただ、相当な高確率で両者は関係性があるのではと直観しています。さらに、内面としての女性性と男性性を具有しつつ、表現型としての男性や女性に包含したものが一個の人間性を構成していると考えてもいます。

 >単に関係性の中での相手への働きかけの能動性を男性性、相手からの色々な種類の気遣いを明らかな意思表示はしないでじっと待つ・・・?(とでもいうのでしょうか)部分のようなものを女性性とおっしゃっているのでしょうか。
 >日常的な卑近な例を出してその辺りをもう少しご説明いただけないでしょうか。

 私の数少ない恋愛の成功事例(相思相愛の気分でいられた期間があるもの)には、例えば、彼女の方からこんなことをやりたい、何処其処へ旅行しようと働きかけてくること(男性性の表出)を、私が面白そうだから一緒にやろう(男性性)と賛成する場合のように、私の男性性が彼女の男性性を受け容れている、すなわち女性の男性性を理解していたことが多く認められます。あるいは、自分は気乗りがしないのだけれど彼女の願いを叶えてやりたい(女性性の表出)から、彼女の男性性を受けとめようとしたこともあるでしょう。しかし、おそらくこれらは恋愛感情の一つの相でしかないのではと思っています。

 >これらのことは関係性を共有する相手によって理想的なあり方というものもおそらく変わるのでは、という予感もありますが・・・。

 多分、ぷち熟女さんの予感は当たっているような気がします。唯、今回お尋ねしてみたかったのは、例えば男性性や女性性といった媒介辞を使用して女性の心理を分析することが、果たして正鵠を射ることになるかどうかといった点です。併せてぷち熟女さんの中にも内なる男性性や女性性が存在するのか、また意識したことがあるかどうかについても訊いてみたいところでした。

 雑談板にも拘わらず、耳慣れぬ言葉の羅列になってしまったことや、ご意向に沿えるような事例を提出できたか心配しています。個人的な恋物語の披瀝に際しては、ご高覧に到底堪え得るものでもありませんし、恥じらいもありますので、適当なところで止めさせていただきました。
 野沢尚氏のことを例に出しましたのは、日頃より男性作家が描く恋愛模様や特に女性の心理に関して、同性として訝しさを感じ少なからず腑に落ちないものがあったからです。最終的に人間性の問題として片付けてしまいがちなことにも不満を感じていました。そこで、もしぷち熟女さんがご覧になっていたら、ご批評にも接してみたいと考えたからに外なりません。
 尚、用語解説には言葉足らずのところもあったのではと懸念していますが、ご不明な点は再度質問していただければと考えています。
 ご多忙中、暑中見舞いにもならないような内容で気が引けます。生真面目さを暫し脇におかれて、ゆっくりとレスしていただければと切に望んでおります。

 また、会いましょう。

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