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(回答先: Re: ものすごく、言いにくい質問 投稿者 ピカリン 日時 2004 年 7 月 21 日 17:32:38)
ピカリンさん、どうもです。
>まぁ、それは、あるんだろうなぁということにしておいて、例えば、今の日本が、時
>間がかかるかどうかは別にして、例えばお金が紙切れになったとして(作為的である
>かどうかは関係なく、ハイパーインフレになったとして)、世の中は、どうなるんで
>しょうか?
>戦後生まれのあたしは、お金が意味をなさない時代を感覚として持ち合わせておりま
>せんが、衣食住に足るものが、国内でまかなえる状況を作っておけば、今より不便で
>はあるにしても、そんなに恐がらなくても良いのかなと思いますが、あまいんですか
>ねぇ?
まず、「衣食住に足るものが、国内でまかなえる状況」では、よほどの悪意と仕掛けがない限り、ハイパー・インフレは起きません。
ハイパー・インフレは、衣食住に足るものが国内でまかなえい経済状況を利用して起こされるものとご理解してください。
ハイパー・インフレは、結果的に、金融や産業を支配している人たちに利益が集中する経済事象です。
ハイパー・インフレの渦中に置かれた庶民の生活は、中南米諸国やソ連崩壊後のロシアが経験したように悲惨なものになります。
悲惨さの序列を付ければ、年金生活者→勤労者→自営中産階級→自営農民といったものになりますが、産業の集中が主たる狙いであれば自営中産階級がもっとも悲惨な状況になる可能性もあります。
まず、自分の活動力を売った得たお金を長年節約して貯めてきた預金は紙くず同然になります。
年金生活者は経済活動に従事していないので、生活水準がインフレに追いつくかたちの年金支給は遅れます。(勤労者も、自分たちの生活を維持することに追われるので、年金支給額の増額を政策テーマにしなくなる)
年に数回年金支給額が増額されたとしても、それは過去のインフレ分の補填というレベルになり、以降のインフレで実質生活レベルは下がっていくことになります。
勤労者は経済活動を担っているので、過去のインフレ分を超えて将来のインフレを折り込んだかたちでの給与増額を勝ち取ることができますが、それもまもなくインフレで打ち消されることになります。
自営中産階級は、よほどの余剰資金を保有しているのなら別ですが、原材料の仕入れ額が急上昇するので設備投資ではなく運転資金で借り入れを強いられることになり、借り入れが断たれると立ち行かなくなります。
ハイパー・インフレでも、そこそこなのは自営農民です。
まず、自分たち家族が生きていくための食糧を自給できていますから、着た切り雀でもよければ、価格が急上昇する財を買う必要がないからです。(化学肥料や石油に依存した農業をやっている人は少し大変になります)
産業勤労者や都市住民は食糧を買わなければ生きていけないので、名目的に増えた収入を優先的に食糧購入に充てるはずです。それで、高くなった産業が生産する財も買うことができます。
ハイパー・インフレは、潤沢に通貨を手に入れられる条件で財を生み出す資産を持っている人に有利で、生存条件を自給できる人はそれが及ぼす痛手を緩和できるというものです。
1000万円の預金が、数年で実質100万円になる事態を想像してください。
そして、給料が上がったと思った途端、それで購入できる財やサービスが以前の給料水準よりも少ないことに気づく状況が繰り返されることになります。