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(回答先: 「インフレターゲットが現実的に意味がない」をもう少し解説お願いします。 投稿者 ジャック・どんどん 日時 2004 年 7 月 25 日 00:53:42)
ジャック・どんどんさん、どうもです。
中央銀行の幹部に限らず、右から左の政党の幹部から官僚まで、救いようがないのが実態です。
“彼ら”が、政党幹部よりも、中央銀行幹部やキャリア官僚を重視していることは確かでしょうが(笑)
>最後に「インフレターゲットが現実的に意味がない」ということですが、
>あっしらさんが、少し前に自論を展開されてて適度な物価上昇(インフレ)は、国民
>経済的には「グッド」、なおかつ「インフレはコントロールが可能」、と解説されて
>たように思います。
中央銀行の明言・民間資産の買い取りを通じた通貨供給量の増加・赤字財政支出の増加などを手法とした新ケインズ派の「インフレターゲット論」は、実効性がないという意味です。
(日銀がインフレターゲット宣言したからインフレになると信じる経営者はごくわずかでしょう。資産の買い取りは、過剰債務のひと(企業)や金銭的余裕があるひと(企業)に日銀券が渡るだけの話で、フロー(所得)の増加にはほとんどつながらず、債務返済や金融取引にまわるはずです。それは、この間の超金融緩和政策である程度実証済みです)
「インフレはコントロール可能」でも、デフレからインフレに持っていくのが大変なのです。
デフレは、金融政策だけでは解消しないからこそ“経済の癌”です。
>なんで、「インフレターゲットが現実的に意味がない」というのは、
>「インフレターゲットが技術的に不可能」ということなのか、
>それとも「インフレターゲットを実行できても現実的に景気回復にはつながらない」、
>といういみなんでしょうか?
90年代中期から後期にかけては、明言はしないながらも、「インフレターゲット政策」が採られていました。
その結果は、不況の下支え効果がある代わりに、膨大な政府(地方自治体)債務の積み上げというものです。
(赤字財政支出の多くは建設業界の維持・銀行の不良債権問題先延ばし・土地所有者の救済として消えてしまい、GDPを押し上げるところまではいかなったわけです。そして、そのツケが増税・社会保険料負担増(給付減)として回ってきています)
赤字財政支出の増加を続ければ、一時的にデフレから脱却してインフレ現象が見えてきます。しかし、赤字財政支出の増加をやめれば、再びデフレに戻ってしまいます。
一時的な需要減少なら赤字財政支出でそれを補填すれば自律的に回復しますが、過剰債務を抱え、供給力過剰に喘いでいる現在の日本経済では、先に財政のほうが参ってしまうということです。(増税や社会保険料負担増を行えばデフレ圧力になります)
赤字財政支出は需要を増加させるだけですから、逼迫した供給力であればともかく、現状の日本経済では産業構造や資金循環関係を変えるところまでいきません。
(公的需要を手に入れた企業の採算性がよくなり債務履行ができる程度です)
産業構造や資金循環関係を変えないままなら、赤字財政支出の増加をやめれば、再びデフレに戻ってしまいます。