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(回答先: 9月の米消費者信頼感指数96.8に低下−2カ月連続下落 [ブルームバーグ] 【雇用低迷と原油高:それにFRB?(笑】 投稿者 あっしら 日時 2004 年 9 月 29 日 02:37:07)
NY原油 初の50ドル突破 需要急増、産油国の政情不安、投機資金も流入…
二十八日のニューヨークの原油先物相場は、国際指標となるWTI(米国産標準油種)が過去最高値を更新し、初めて一バレル=五〇ドルの大台に乗せた。原油高騰の背景には、中国や米国で原油需要が予想を上回るペースで伸びている半面、イラクやナイジェリアなど主要産油国の情勢悪化が供給不安を増大させているためだ。OPEC(石油輸出国機構)は、フル生産に近く、先高観を背景に投機資金も市場に流れ込む中で、石油業界は冬場の需要期に向け、「一バレル=六〇ドル突破」を早くも懸念している。
石油元売り業界からも今回の原油高騰をめぐっては「こうした高値は異常」(津田直和・新日本石油常務)との声が上がっている。高騰の理由の一つには、昨年末から顕著となっている世界石油需要の「予想外の伸び」(森田憲司ジャパンエナジー原料部長)があげられる。
国際エネルギー機関(IEA)の九月リポートによると、二〇〇四年の世界の石油需要(日量)は、前年比二百六十万バレル増の八千二百二十万バレルに達する。こうした規模の需要増は「一九八〇年代以来で最大」(日本エネルギー経済研究所)とされ、なかでも中国と米国の需要増が大きい。
経済成長を続ける中国は、世界の需要増のうち、35%に相当する九十万バレルを占め、こうした旺盛な需要が原油市場の逼迫(ひっぱく)感をあおっている。今年の中国の原油需要は六百四十万バレルに達し、日本の約五百五十万バレルを大きく上回り、二年連続で米国に次ぐ世界第二位の原油消費国となるのは確実だ。
また、米国も景気拡大や大型乗用車の普及などでガソリン消費が急増しており、今年は前年比四十万バレル増の見通しだ。ガソリン価格も大きく上昇しているが、「原油高騰で中国や米国が輸入を減らす兆しはみられない」(大手商社)という。
一方、世界の原油供給能力は日量八千四百万バレル程度とされる。OPECの余剰生産能力は、すでに日量百二十万バレル(イラクを除くと約七十万バレル)にまで低下しており、増大する需要に対して供給余力は限られているのが現状だ。
こうした中で、原油先物市場にヘッジファンドなどによる投機資金が流入。イラク情勢の緊迫化やロシアの大手石油会社の経営危機、ナイジェリアの政情不安などが材料視され、「高値が高値を呼ぶ展開」(大手石油元売り)になっている。
原油高騰に伴い、国内航空各社は国際線運賃に続き、国内線の運賃値上げの検討に入った。経済産業省も二十八日、原油価格が今後も上昇した場合、国内企業への影響調査を改めて実施する方針を明らかにした。
原油高騰が長期化すれば、原材料の多くを原油に依存する化学関連業種だけでなく、電力や物流コストが増大し、収益を悪化させる企業が増えると予想されるためだ。
これに関連、大和総研は原油価格が一バレル=五〇ドル台で高止まりすれば、東証一部上場企業の単独経常利益が4・9%圧縮されるとの試算をまとめた。原油高騰は回復基調にある日本経済にも深刻な影響を与えそうだ。
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■「もう一段の値上がりも」十市勉・日本エネルギー経済研常務理事
現在の原油高騰は「根拠ある熱狂」だ。単なる思惑相場とは違う。中国や米国などの原油需要を背景に、イラク情勢や産油国の政情不安などが供給懸念を刺激しているためだ。原油需要期の冬場に向け、もう一段の原油高が懸念される。
ニューヨーク先物市場で1バレル=50ドルは、「心理的な壁」としてあった。これを突破したことで「原油高がすぐには終息しない」という見方を市場は強めるだろう。
米国経済は原油高の影響を受けやすく、こうした原油高騰が長引けば景気減速による日本の対米輸出の失速も懸念されるほか、短期的に株価への影響も出るだろう。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/29iti002.htm