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最高裁が住友信託銀行の抗告を棄却したことで経営統合の大きな障害が取り除かれたUFJグループと三菱東京フィナンシャル・グループは今後、統合準備を加速させ、来年十月一日までの「三菱UFJグループ」結成を目指す。今後の焦点は、三井住友フィナンシャルグループの動向だ。住友信託の“敗北”を受けて、UFJ争奪戦から退くか、それとも株式公開買い付け(TOB)などの最終手段に出るのか。撤退の場合、住友信託と三井住友の再編戦略は転換を迫られることになる。(小雲規生)
住友信託は損害賠償訴訟や交渉差し止め訴訟など本訴に打って出て、引き続き司法の判断を仰ぐとみられる。
しかし、判決の確定までに時間がかかるため、その間にUFJと三菱東京が経営統合を進め、来年十月までに三菱UFJグループが誕生する公算が大きい。
住友信託にとって最後の望みは、三井住友がUFJに持ちかけている統合提案だ。三井住友は「一対一の対等統合比率」を提案したのに続き、この日、具体的内容を提案。この中で、最大七千億円の出資に応じる方針を確認するとともに、UFJに転換型優先株で出資し、統合の基本合意が続く限りは、普通株への転換権は行使しないとした。
同日夜、三井住友首脳は記者団に「(UFJグループとの統合交渉を目指す)スタンスに変わりはない」と強調。「裁判で負けたら勝算は厳しい」と当初は読んでいたにもかかわらず、UFJ獲得をあきらめない姿勢を鮮明にした。
一方のUFJ銀行。三十日夜、沖原隆宗頭取は、「(三井住友からの統合提案で)株主からいろんな意見は出ているが、三菱東京との統合の話は不変」と話す。九月末までの資本増強を実現するための最も可能性の高いシナリオが三菱東京との経営統合であることに変わりはなく、三菱東京と九月上旬にも資本支援契約を結ぶため準備を急いでいる。
UFJに心変わりがない限り、三井住友は撤退か、「最後の手段」(首脳)としてTOBによる敵対的な買収に乗り出すのか、最終判断を迫られる。
時価総額が約二兆七千億円に達するUFJの買収資金を調達するには外資などほかの金融機関の支援が必要で、実現性には疑問符がつくが、「年間七千億円の業務純益を稼ぎ出す銀行を買収できるのであれば高くない買い物」(大手行幹部)という見方もある。
三井住友の三月末の総資産は約百二兆円どまり。UFJと三菱東京の統合で誕生する総資産約百九十兆円の三菱UFJグループには、大きく水を開けられてしまう。最終的には新たな戦略を描く必要に迫られそうだ。
もっとも、互いに独自路線を歩んできた三井住友と住友信託の距離はUFJ統合をめぐる一連の係争を契機にぐっと縮まったのも事実。親密先の三井トラストグループも巻き込んだ新たな金融コングロマリット(複合企業)再編に発展する可能性も否定できない。
◇
【最高裁決定のポイント】
一、住友信託銀行とUFJグループの(信託統合の)基本合意書は、(統合の)成立を保証するものではなく、成立についての期待を有するにすぎない
一、(信託統合の)最終合意が成立する可能性は相当低いが、ないとまでは言えず、独占交渉権の法的拘束力は消滅していない
一、住友信託が被る損害は、事後の損害賠償によって償えないほどのものではない
一、平成18年3月末までの長期にわたる仮処分命令の申し立ては、これが認められた場合に、UFJの被る損害が相当大きい
一、住友信託に著しい損害や急迫の危険が生ずるものとは言えず、仮処分命令の申し立ては要件を欠く
http://www.sankei.co.jp/news/morning/31kei001.htm