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(回答先: 利潤と「産業資本主義の終焉」について質問させてください。 投稿者 オニオン 日時 2004 年 8 月 09 日 01:50:23)
オニオンさん、どうもです。
ほんとうに暑いですね。
地べたがコンクリートかアスファルトで敷き詰められ高層ビルが四方を囲むという東京は、人という生き物の生息地に不適合になるようですね。
そのような環境で室内が暑いから冷房を運転して外に熱を排出するから、ますます暑さの泥沼にはまるという悪循環です。
産業資本主義という経済的要因ではなく、東京の壊滅で日本は瓦解してしまうかもしれません。
>ここで言う「固定資本の質量的増大が産業資本の増殖に結びつかない経済状況」とは、
>産業資本に置いて資本主義的活動(利潤獲得活動)が不能になる状態、つまり「利潤
>無き経済社会」ということですよね(間違ってたらすみません)。
その通りです。
>そしてなぜ利潤の獲得が不可能となるかと言えば、利潤の源泉が貿易黒字にあるとす
>ると、今後貿易(経常)収支が世界各国で均衡していくからだということですよね。
供給活動(生産活動)に投じたお金を超えるお金を回収することが利潤で、貿易収支黒字がその決定的な支えで唯一の“真の利潤”です。
貿易収支が均衡するとまでは思っていませんが、米国の貿易収支赤字と日本の貿易収支黒字が現在のレベルにあるような“電位差”はなくなります。
日本が対米金融しなければ米国経済が現状維持すらできないという現実は、既に実効的な“電位差”がないことを示唆しています。
(対米直接投資や対米証券投資という純経済行為で米国の赤字が補填されるのなら、“電位差”に有効性を認めることができます)
“電位差”の縮小は、日本など高い“電位差”があることで利潤を得てきた国民経済に大きな打撃を与えます。
その理由は、輸出の減少は名目GDPの減少と同じであり、財の“逆流”(輸出分が国内で販売される)でデフレ圧力が大きく高まり、やがて企業に人員削減を促します。
経済は、絶対額ではなく変動のほうが重要な意味を持っています。
輸出額がマイナス傾向になるだけで、利益が出せるとしても、「固定資本の質量的増大が産業資本の増殖に結びつかない経済状況」になります。
そのような状況は、固定資本の現状維持か縮小につながっていきます。
>ここで質問です。まず、利潤の源泉について。通貨発行や信用創造では利潤の源泉に
>はなり得ないのでしょうか。またなり得ないとすれば、それはなぜでしょうか。
「信用創造」が拡大する条件は、固定資本の増加が利益に結びつく経済状況であることです。
ここ数年の日本経済を見ればわかるように、固定資本の増加が利益につながらない経済状況では借り入れも増加しません。
いわゆる運転資金としての借り入れは、税金の納付や仕入れと回収のタイムラグなどで生じる流動資本不足を埋めるものですから、GDPの増大につながらず、利潤の源泉にもなりません。
(給料日まで食費が足らないからといって借金するようなもので、ローンを組んで家を買うような経済効果はありまえん)
とにかくなんとか会社を存続させたいとい借り入れは不良債権になる可能性が高く、給料日があるかどうかわからないのに借金をするようなものです。(運が良ければ、競馬や宝くじで返済できるかもしれないといったものです)
※ このあたりの問題は、シリーズの次かその次のテーマで説明するつもりです。
>(ところで、資本主義(キャピタリズム)というものを生産者としての人々の活動動
>機が利潤獲得にあるものと考える(様に最近なった)のですが、これで正しいので
>しょうか。)
資本主義の“経済人”が利潤獲得を目的とするのは、ただの欲得や儲け主義というわけではなく、そうでなければ固定資本の増加がスムーズにできず、中長期的には経済主体として存続すらできなくなるからです。
(利潤を散財するひとは、資本主義者ではありません)
※ この問題も、次のテーマで説明します。