ふと思ったのですが、例えば、国家の大義名分に従って或いは命令に従って
戦場に行ったのではなく、あくまで自らの「義」に従って戦場で敵を殺す人々。

例えば、ベトコンゲリラやムジャヒディン反乱戦士たち・・・は、自らや仲間同士
の判断で戦略を決め、あくまで冷静に実行して敵を殺し、その結果も仕事の完了と
して淡々と誇らしく感受しているのではないかと。台風で山崩れを起した結果の
邪魔な土砂を共同作業で淡々と片付けていき、その危険な作業の結果命を落とす人
も当然出る可能性はある。レスキュー隊員や消防団も相手が人ではなくても、危険な
ものと戦って成果を挙げるために淡々と仕事をするが、かれら戦士にとっては、そう
いう仕事と大差のない意識で仕事をしているのではないか。日本人の捕鯨船乗組員
などもそうかも知れない。単に相手が災害や危険な動物などの自然か、人である兵士
かの違いだけなのではないかと。

そうだとすると、これらの戦士というのは、
つまり２パーセントの「攻撃的精神病質者」と評されるようなタイプの人たち、
生まれつきかどうかはともかく、戦場でも淡々と相手を殺せるタイプの人、と
いうのは、実は上に挙げたような仕事に対する教育がなされてきているか、ある
いは防戦の経験があるか、想像力によりそういう意識が保てる状態になっているか、
という、単に戦場に赴く前から至って職業倫理感や使命感の強く感じている「仕事
人」のようなタイプの人だということにならないだろうか・・・。
内心、こんなことしなくて良い世の中ならそれに越したことがないが、こういった
事態が起きてしまうことになる以上、仕事は完遂しなければならない。きちんと成果
を挙げるためには、どんな時でも常に冷静を保たなくてはならない。
相手も自分も命の危険という条件は一緒でフェアなのだから、いちいち相手を殺すこ
とをためらったり動揺したりする方がおかしい、と割り切るような。

つまり、極端に言えば、彼らが「精神病質者」なら、ファイアマンも捕鯨漁師も、
災害救助隊員もみな「精神病質者」ということになるのでは？
また、こういうタイプの人間は実際はけっこう多いのでは？
恐らくイラクの戦士の大半がそうであるように・・・。

それに、それを言ったら宮本武蔵なんて、「精神病質者中の精神病質者」なんてな
ことになりそうな・・・。

精神病的というより、むしろ禅の境地のように思える。
（だが、いずれにせよ具体的現実的な脅威がないのに、政治的な目的に条件付けられ
て戦地に赴くことになった兵士の中にこのようなタイプが紛れること自体は、確かに
非常に稀だとは思われる）。

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