★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 戦争50 > 610.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
イラク:シーア派反乱で主権移譲に影(毎日新聞)
http://www.asyura2.com/0403/war50/msg/610.html
投稿者 竹中半兵衛 日時 2004 年 4 月 06 日 10:07:53:0iYhrg5rK5QpI
 

ラク:
シーア派反乱で主権移譲に影

毎日新聞 4月6日
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20040406k0000e030001000c.html

 旧フセイン政権の崩壊から9日で1年になる占領統治下のイラクで、イスラム教シーア派の反米指導者、ムクタダ・サドル師の支持者と米英占領当局(CPA)との衝突が深刻化してきた。旧政権の残党や国際テロ組織アルカイダ系の勢力ではなく、フセイン政権の崩壊を歓迎してきたシーア派による本格的反乱に、占領当局は危機感を募らせ、5日には駐留米軍による報復的な空爆にまで発展した。人口の6割を占めるシーア派との緊張は、今夏に予定される主権移譲に暗い影を落とすことになった。【バグダッド福島良典、小倉孝保】

 ◇占領当局の強硬措置がきっかけ

 サドル師支持派の反乱は、シーア派聖地ナジャフでの銃撃戦(4日)からバスラ県知事庁舎占拠(5日)などに拡大した。その直接のきっかけは、占領当局が3月28日に同派の週刊紙アル・ハウザを60日間の発行禁止処分にしたことと、今月初めに同派幹部をイスラム指導者、ホエイ師の殺害に関与したとして逮捕したことだ。

 イラクのシーア派は、最高権威アリ・シスタニ師(74)率いる穏健主流派と、サドル師主導の反米急進派に大別される。

 シスタニ師は旧政権時代には政治不介入を貫いてきたが、イラク戦争後に方針を転換。同派に有利な早期直接選挙の実施を求めて、占領当局やイラク統治評議会との対話姿勢を維持してきた。

 これに対し武闘派のサドル師はシーア派の著名な指導者だった父親の威光で勢力を拡大。約2万人からなる民兵「マフディ軍」を組織して独自政府の樹立を宣言するなど、占領当局への敵対姿勢を強めてきた。「安定を求めるシスタニ師と、若いサドル師は水と油の関係」(イラク人ジャーナリスト)とされる。

 今回の騒乱には、こうしたシーア派内部の主導権争いの側面もある。自制を呼びかけるシスタニ師に対し、サドル師は「敵を震え上がらせろ」と実力行使をあおってきた。

 米英占領当局が週刊紙の発行禁止など強硬措置に踏み切ったのは、先鋭化するサドル師支持勢力の動きを放置できなくなったためだ。旧政権を支えてきたバース党員への公職追放措置などが一段落し、フセイン派残党による対米攻撃がやや下火になっていたという事情もある。

 サドル師派は占領当局が指名したイラク統治評議会を認めていないため、主権移譲後の暫定政府とも敵対するのは確実だ。シーア派内のシスタニ師支持者は60〜70%、サドル師派は25〜30%と言われる。サドル師派は教育を受けていない低所得層の若者が支持基盤で、占領下で生活が一向に改善しないことに不満を募らせる住民や、占領統治に反発を強める不満分子を吸収している。

 従来の対米攻撃は、旧政権時代に比較的優遇されたイスラム教スンニ派地域を中心に発生していたため、占領当局は「フセイン派残党のテロ」と批判できた。しかし、サドル師派支持者の反乱を同じ論理で片づけることはできない。住民の間で「米軍が占領抵抗運動を力で抑えている」との評価が浸透すれば、さらなる治安悪化を招く可能性がある。

 ◇穏健派シナリオに狂い

 サドル師率いる急進派が占領軍との全面対決の局面に入ったことで、6月30日までに予定されている占領当局からイラクへの主権移譲プロセスが難航する可能性も出てきた。協調姿勢を維持してきたシーア派穏健勢力が急進派の反占領闘争に引きずり込まれる形になれば、占領当局は統治政策の見直しを迫られる。

 ブラヒミ国連事務総長特別顧問率いる国連の選挙専門家チームは4日にバグダッド入りし、国連関与による主権移譲プロセスは本格始動した。これを迎えるシーア派穏健派であるシスタニ師陣営の戦略は、国連との間接的な接触を通じて、クルド人優遇の暫定憲法「イラク基本法」の実質的な見直しなどを勝ち取り、早期選挙に向けての道筋をつけることだった。

 しかしサドル師派の反乱でシナリオが狂った。すでに「穏健路線に疑問を投げかけるシスタニ師派の若年層が強硬派にくら替えする現象」(シスタニ師派幹部)が起きている。シスタニ師としては占領当局指名のイラク統治評議会との対話を維持したり、安易な妥協に走れば、強硬派の反発を招き、身の危険にさらされかねない。

 シスタニ師派は組織防衛のために当面、占領当局や国連に対する態度を硬化せざるを得なくなる公算が濃厚だ。11月に大統領選を控えるブッシュ米政権としては、国連を前面に押し出しつつ主権移譲期限を厳守し、占領負担を早期に軽減したい考えだが、シスタニ師派の協力が得られなければ、主権移譲プロセスそのものが空転する。

 ◇サドル師、繰り返し反米演説

 ムクタダ・サドル師は99年に旧フセイン政権に暗殺されたイスラム教シーア派の高位法学者ムハンマド・サーディク・サドル師の末の息子。シーア派最高権威の宗教学校アル・ハウザ指導者で、80年にやはり殺害されたムハンマド・バキル・サドル師のおいにあたる。

 イラク中部のシーア派聖地ナジャフに事務所を構え、バグダッドなど各地にある自派勢力地域を掌握。ナジャフ近郊にあるクーファのモスク(イスラム礼拝堂)で反米演説を繰り返している。

 昨年6月にはイランの故ホメイニ師死去14年にあたり、テヘランを訪問、最高指導者のハメネイ師と会談するなど、イランとの強いつながりを持っている。

 年齢は31歳とも25歳とも言われる。シーア派の高位宗教指導者の階級「アヤトラ」の称号を得るには若すぎるため、サドル師派内部も一枚岩ではないとされる。
毎日新聞 2004年4月6日 5時32分

 次へ  前へ

戦争50掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。