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爆発・・・ 2004年3月19日金曜日 [バグダードバーニング]
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投稿者 なるほど 日時 2004 年 3 月 22 日 22:26:28:dfhdU2/i2Qkk2
 

バグダードバーニング by リバーベンド


... I'll meet you 'round the bend my friend, where hearts can heal and souls can mend...

友よ、私の心が失われあなたさえ見分けることができなくなったら、どうか私を偉大な文明をはぐくんだ、チグリス・ユーフラテスの胸元に連れて行って欲しい。そこで私は心を癒し、魂を再生させるでしょう。

2004年3月19日金曜日

爆発・・・


 2日前の爆発は、すさまじいものだった。私たちが住んでいるところは、爆破された地区にそれほど近くはないが、大きな爆発音がはっきりと聞こえた。今週、爆発は数回あった・・・そのうち今回のが最大だ。爆発だと知った瞬間から、E(弟)と私は、どこで起こったか当てっこを開始した。これはもう一種病的なゲームになってしまっている。

 アルジャジーラが、ただちに爆発について特別番組を放送し始めたので、Eの推理が当たったことがわかった。カラダだった(私はこのところ90%ははずれ。Eの性差別的妄言によれば、女はだいたい方向音痴だということだ)。住宅地のど真ん中のホテルが爆破されたのだが、奇妙にも話はさまざまにくい違っている。住人は、ロケット弾のヒューッという音がして、続いて爆発があったと言っている。爆発だけだったという人もいる。ある放送局は、がれきの中から32体の遺体が運び出されたと言い、他の放送局は、17体と言い、イラク警察によると、わずか6体だ。死亡した人々の国籍についても、情報はさまざまだ。イラク警察はホテル滞在者は全員イラク人だといい、アメリカは死亡者の中にはアメリカ人とイギリス人がいると言っている。誰を信じるべきか?

 土曜日と日曜日は、バグダードでデモがあった。学生たちは、バグダード大学に立ち入れなかった。大学の警備隊(皮肉なことにアメリカに任命された)が誰も中に入れようとしなかったからだ。警備隊は、シスタニ一派の一部で、シスタニの追随者たちは、操り人形評議会が調印した暫定基本法にしつこく反対していて、それで2、3日大学を閉鎖すると決めたのだ。学生たちは、工学部の学部長が入れてくれと懇願したあげく拒絶されるのを見るはめになった。

 デモのことを知ったのは、土曜日に就職の面接に行くことになっていたからだった。私の雇い主となるかもしれない人物が電話をしてきて、連絡があるまで延期と言った。会社の守衛たち(熱心なシスタニ崇拝者たち)が暫定基本法反対デモに参加するため、その日休暇をとることにしたからだった。シスタニの追随者たちは、シスタニから明確に指示されなかったら、暫定基本法反対のデモに行きはしなかったろう。

 ムスタンシリア大学(バグダード大学と並ぶ有名大学、(注1))は抗議する学生たちでいっぱいだった。理学部の学部長がアルバイーン(イマム・アル・フセインの死から40日目、(注2))が終わったら、黒い旗とアル・サドル(注3)とシスタニの写真を降ろすように求めたからだ。保守的なシーア派学生は、即刻怒りで応え、学部長が解雇されるまで、ストライキを行うと決めた。仕返しに、スンニ派学生は、シーア派学生のストに対する”抗議”のストを行うことを決めた。

 (注1:世界最古の大学といわれている)

 (注2:今年は、4月10日。2月29日の「アシュラ祭」参照)

(注3:大きな影響力をもつシーア派聖職者)

 また、バグダード大学工学部の副学長の一人が、最近暗殺されたと聞いた。怖しいニュースで、このところずっと私の心に重くのしかかっている。どうして誰もこのニュースに注目しないのかわからない。イラクの学術・研究界は大崩落をきたしつつある。大学教授や研究者__イラクの将来に必要なすぐれた知的階層__があちこちで暗殺されていっている。アメリカに拘留されて、アルカイダについて(なんと!)尋問され続けている人々もいる。

 釈放されてのちに、彼らが語る話は、驚くべきものだ。研究者の大部分は大学教授で、人生を教育と研究に捧げてきた。多くのひとは、ある分野__たとえば遺伝_の専門家というだけで、拘留される。最近釈放されたある人は、3日にわたって続いたCIAと憲兵が関わった尋問のばかさ加減について語っている。取調官たちは、家宅捜索の間に没収した家族の写真を次々見せ、二人の10代の息子とその友人たちを指して、「アルカイダの一味じゃないのか」と尋問し続けたという。

 研究者たちだけではない。正体不明のグループによる医師の暗殺も続いている。去年の夏頃から始まって、ずーっと続いている。イラクには、アラブ諸国のうちでも優秀な医師がいる。昨年6月以降、少なくとも15人が冷酷な意図のもとに殺された。どれも同じパターンだ。診療所に車が乗り付け、黒服の男たちが降り立ち、医師が射殺される。患者の目の前で、ということもあるし、まったく一人にされて何時間も後に殺されることもある。家族の目の前で、容赦なく撃ち殺された医師もいる。バディル・ブリゲイド(アル・ハキムに率いられるイラク・イスラム革命最高評議会の民兵組織)が、何か理屈をつけて殺すべきと考える医師72名のリストを作ったと、噂されている。リストにはスンニ派の医師もシーア派の医師もクリスチャンの医師の名もあるという。

 拘留も暗殺もされていない研究者、大学教授、医師たちは誰も、国外脱出の道を探しているようだ。話しかけたひと誰もが、心ここにあらずで、仕事はないかと目を国の外に向けてるという感じ。とても気が滅入る。誰かがドゥバイなりレバノンなりロンドンなりに出ていくつもりでその方法を話すのを聞いたなら、私は、とどまってくれと懇願する・・・心は叫び出しそう、「私たち、あなたが必要なのよ! ここにいて!」。理性では、彼らの中にはそうするほか道はない人もいると、わかっているのだ。多くの人々が仕事を失い、家族を養う方法がない。子どもや夫や妻のことを始終心配し続けているのにもう耐えられないという人たちもいる。女性の医師や研究者の多くは、国を出たいと思っている。以前と違い、この国で女性が働くのは、もはや安全ではないからだ。そのうちのある人々にとって、選択肢は、主婦になるか、安全な働き口を求めて海外へ脱出するか、しかない。

 理由はなんであれ、研究者など知的労働をする人々は少しずつ少しずつイラクから流出していっている。イラクはもはや学び、研究し、働く場ではないのだ・・・イラクは、欲深な金満業者と過激派と盗賊(ありとあらゆる種類の)と軍隊の国・・・

リバーによって掲示 午前10時掲示

(翻訳 池田真里)

http://www.geocities.jp/riverbendblog/

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