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金子氏@Winny逮捕と輸入CD禁止にみる産業界の意向
http://www.asyura2.com/0403/nihon13/msg/175.html
投稿者 Q太郎 日時 2004 年 5 月 12 日 13:00:33:4V2zl9FyN7Ano
 

(回答先: 特製ウィニーで摘発逃れか−東大助手、受信専用使う 【SANSPO.COM】 投稿者 釜井@オリジナル 日時 2004 年 5 月 11 日 20:59:07)

http://kiri.jblog.org/archives/000691.html

金子氏@Winny逮捕と輸入CD禁止にみる産業界の意向

 次はエミュレーター関連ではないかという話が。

 話によると、日本レコード協会(RIAJ)はWinMXでのファイル交換状況の監視、ユーザーの特定に億単位の調査費を使っていて、これが Winnyとなると「もはや手のつけられない状況だった」そうな。File Logueレベルであれば攻撃対象が明確だったために裁判で蹴散らして終了という具合だったが、Winny対策で当初協力を依頼していたコンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)側の動きに不信感を抱き、いろんなところに「相談」に行っていたとのこと。

 事の発端は、噂レベルで行くと02年当時、業界の某重鎮のご子息が本屋にて某禿社製Winny+WinMXムックを入手、ハッピー海賊ライフを楽しんでおられたのを知って激怒。即刻これをやめさせ、関係者を呼んで事情を聞いたところ「違法ピーコについては前々から現場では問題になっていたが、うまく上に情報が伝わらなかった」。要するに盗人を捕らえてみれば息子状態で頭に来た偉い人が、コンテンツ業界を守るためにあらゆるピーコを法的に封じ込めたい意向を強めた、ということのようだ。

 ちなみにご子息の元にはACCSから先々月に警告メールが届いたそうな。そんなもんやめとけよ。

 で、47氏こと金子氏の身元は早々に割れていたが、これがどっかの警察から漏れてしまい(どうも京都府警ではないらしい)、ある事件でTBS系の制作会社がのこのこインタビューを取りに47氏の自宅を訪問してしまったんだそうだ。何の事件か、どういう報道のされ方をしたのかは私はヲチしていなかったので分からないのだが・・・。ただ、これがきっかけとなって、業界団体がわーっと各方面にプレッシャーをかけることになったとのこと。

 今回は著作権法違反幇助容疑なのだが、どうもこれ単独での立件は考えていないらしく、個人でいままで収集していたピーコ品との併せ技一本か(ピーコ品所持自体は別に犯罪ではないはずなのだが・・・)、業界団体がFile Logueのときと同じく激しく民事訴訟という方向で進むのではないかと予想される。まともに業界団体が束になってかかったら、いくら支援組織が金子氏側についたところで勝ち目はないのではなかろうか。知らないけど。

 金子氏の供述内容は良く分からないので何とも言えないが、昨年暮れにWinnyユーザー逮捕の際に事情を聞かれ「完全な確信犯で、法律のほうがおかしいと言い張った」そうな。おいおい、つまんないところで突っ張るなよ。ここで折れていれば結果は全然違ったことだろうに。で、さらに面白いのは業界団体が何らかのルートで警察に接触して「彼を立件できないか」と相談したが、このときは警察も「無理でしょう」と言ったそうだ。

 ただ、当初思っていたよりも金子氏が「悪質だった」のが全てを決したようだ。

 また、国会で絶賛審議中の輸入CD禁止措置についても、同じ重鎮が関係している。まあこちらは当たり前と言えば当たり前の話だが、もともとこの重鎮は駆け出しのころからレンタル屋での音楽CDの貸与や中古CD屋も差し止めたくてしょうがなかったそうだから、権力者になったら全力で認めない方向で走るのも分からないでもない。CCCDについても、慎重なほかレーベルの経営者に「売り上げが半分になっても取り組むべき」と説得して回ったというのだから見上げた根性だ。

 確かに、ビジネスという見地からすると「一銭も払わない百万人」よりも「三千円払う百人」のほうが重要だ。アーティストが文句言おうが消費者が怒ろうが理屈としては非常にもっともな話である。ただ、まさかCCCDがあれほど簡単にリッピングできてピーコされまくりになるとは思わなかった、ということなのだろう。つーか、主要購買層が中高生で、月五千円の小遣いが原資の業界でセールス単価が三千円ということ自体無理があって、ましてや相対的に音楽ソフトの価値が下落している状態でピーコするなというのもむつかしい話なのだが。

 昔からアルバムには10曲前後入って三千円、うち耳慣れたヒット曲は2曲ぐらい、というのは変わらないが、ゲーム業界だとファミコンカセットだったものがDVDになったりして容量でいうと何千倍になっているわけだ。少なくとも着メロ単価ぐらいまで下げていかないとピーコ防いだところでどうしようもないのは分かりきった話だと思うが。

 目を転じると、ピーコで困っている業界は多く、テレビ業界(地上波)やゲーム業界はもちろん、映画やスポーツマネジメント会社、広告代理店あたりも怒っている。彼らの理屈も「いまピーコで騒いでいる連中はいままで金を払っていないフリーライダーばかりなのだから、顧客ではなく、耳を傾ける必要もない」ということだ。まあ、そりゃそうだな。

 「顧客ではない連中が違法ピーコで自社資産を回し使いして暇つぶししていやがるのだから、見つけ次第全員牢屋にブチ込んでしまえ」つーのは実に合理的だ。というのも、データ転送量から推定した違法ピーコユーザーの数は、今回発表された200万ユーザーなどという少ない数字ではなさそうだからだ。大量のデータ通信を行っているADSLユーザーをBANした通信会社が調べたところによると、なんと推定510万人。ほんとかよ。お前らのところにたまたまワレザーが多かっただけではないのか。ただ、Winny雑誌やWinnyムックの販売量からすれば、そのぐらいのユーザーがいてもおかしくはないね、とは某調査会社社長(禿てない)の見解。そうかなあ。

 これで光ファイバーの新規契約件数が激減したりすると激しく笑うわけだが。

 話の流れとして、File Logue、WinMX、輸入CD、そして今回のWinnyと一連のプレイヤーを見ると、国内の絞り加減の矛先は次にエミュレーター方面に行くのではないかと予想される。従来であれば、さじ加減とか世論の反発とか気にして踏み込まなかった領域も、重鎮ほかの「金を払わない香具師はそもそも客じゃねえ」の正論と共に踏み越えられていきそうな按配だ。しかも、今回は世界初の「著作権法違反幇助」なのだが、これを見てアメリカのコンテンツ業界の皆様が喜んでおられるという。どうやら日本はピーコ先進国であるらしい。嬉しいな。

 私としては、別に「私たちの自由なインターネットが法的枠組に云々」というつもりはない。テレビにせよパッケージソフトウェアにせよ、情報での娯楽は「所有」と「閲覧」の二機能があって、そのパッケージを「所有」したいと思う層は絶対少数なのだから、勢い「閲覧」で金を払われなくなったらアウトと業界が考えるのも理解できる。その手のユーザーは「閲覧」さえできればユーザー同士の会話についていけて、話題に遅れなければOKなのだから、それがパッケージで買ったり映画館で代金を払ったりするぐらいなら無料でピーコして観られればそれで無問題なわけだ。業界としてはそれを被害だと思っているんだろうし。

 ネット社会の不確定性がどんどん削られていって、何とも面白味のない世界になったものだが、ちとにわかには抗いづらい流れになっているのは否定できない。中毒者はKaZaaに逝くのだろうが。

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