現在地 HOME > 掲示板 > 雑談専用9 > 701.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 信用創造についてーーーお金の不思議 銀行業と言う名の錬金術。 投稿者 オニオン 日時 2004 年 5 月 30 日 21:37:08)
例え話A
むかしむかし(800年位前かな?)ヨーロッパのとある国、一人の腕の良い金細工師がおりました。この金細工師は腕の良いこともあり、たいそう評判が良くまたお金持ちでした。
あるとき急に世の中は荒れ、物騒になることがありました。戦争、或いは災害でもあったのでしょう。そのせいでみんなはお金(ゴールド)を直接持つことに不安を感じました。盗賊にでも襲われたらひとたまりもありません!みんな考えます。
そしてすぐに名案が生まれました。「そうだ、お金(ゴールド)は金細工師に預ければいい!彼なら金の良い隠し場所も知っているだろうし、裕福だから他人の金を盗むことも無いだろう。評判もいいし。」というものです。みんなこの考えに賛成し、早速金細工師のもとに駆けつけ事情を話しました。金細工師は快く承諾し、みなに預かった金(ゴールド)の代わりに確かに預かったという証として紙で出来た預り証を渡しました。
しばらくの間、人々は普段は金(ゴールド)は金細工師の下へ預け、買い物をするときに金を返してもらっていました。しかししばらくするとある変化が起きました。みんなが金(ゴールド)をおろさず、預かり証をお金代わりとして使うようになったのです。
それは何故か、「買い物の度に金(ゴールド)をおろしにいくのは面倒だ。どうせ売主も手に入れた金は金細工師の下へ預けに行き、預かり証に代えるのだろう。ならば元から預り証を金代わりにすれば良いことではないか」と云う訳です。こうして金細工師の下へ金(ゴールド)預けに行く人は増えても、おろしに行く人は減っていきました。
この様子をよく観察し、日頃から考えることを習慣としていた金細工師はあることを思い付きました。「そうだ!金(ゴールド)を受け取りにくる人が殆どいないなら、みんなに気付かれないように使われてない金を他人に貸せばいい(利子付で)。そうすれば大儲けだ!」
「確かにこの金は人より預かったものだ。しかし受け取りに来る人が殆どいないなら眠らせていくのは勿体ない!本来寝ているはずだった金を世に送り出すのだからこれは良い事だ!」
言っている事が正しいかどうかは置くとして、欲に目が眩んだのも事実でしょう。
早速金細工師は金に困った(しかし返せる見込みのある)人に金(ゴールド)を貸しました。元手はゼロの上、労働らしい労働も必要ありませんからまさに濡れ手に粟というやつです。
そして更なる変化が起きました。金を借りる人もわざわざ重く危ない金(ゴールド)ではなく金の預り証(紙)を望むようになったのです。金細工師、いえ、今はもう銀行家と呼ぶべきでしょうこの人も大喜びです。だって金(ゴールド)と違いただの紙に過ぎない預り証なら幾らでも創ることが出来るのですから。
(つづく)