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(回答先: Ddogレポート3月16日早朝 この場に及んでも未だに目覚めない日本人投資家達へ 投稿者 Ddog 日時 2004 年 3 月 16 日 03:31:18)
Ddogさん、お久しぶりです。
私の名前も出てきていますので、少し説明させていただきます。
Ddogさん:「私は円安説黒田派である。米国現政権のファーストプライオリティは、大統領選勝利である。ここもとの原油価格の高止まりは、現政権の政策上ドル高説をとらざるをえない。ドル暴落論者の阿修羅BBSのあっしら氏まで、現政権はドル高を望んでいると言い出す始末である。」
まず、ドルが長期的な下落過程にあるとは思っていますが、“ドル暴落論者”ではなく“国際基軸通貨ドル終焉論者”です。
現状は、戦後世界構造の基礎である国際基軸通貨ドルがその役割を終え新たな国際通貨制度に移行する過渡期にあると考えています。
また、ドルが下落傾向にあると認識しながら米国政権がドル高を望んでいると見ることは矛盾したり背反するものではありません。
米国政権(国際金融家)は、ドルが下落傾向にあること(ドル体制の終焉)を認識しつつ、その時々で相対的にドル高であることを利益と考えているはずです。
金融家は、自分が経済取引の基軸にしている通貨が他の通貨よりも“割高”であることを望むものです。金融家にとって、自分が依拠している通貨が“割高”であることが生産性の源泉です。(産業家は必ずしもそうではありません。日本が自国通貨円の“割安”を好むのは高度成長期の産業家的通貨観に囚われているからです)
そうであるならば、下落すること自体はとくに問題にはなりません。それどころか、下落傾向と波動的な通貨レートの変化をより多く儲けられる機会とします。
金融家が困るのは、制御できない、もしくは、見通しがつかないかたちの下落(暴落)です。
ドルがある水準まで下落するとわかっているのなら、いったん他の強い通貨に転換し、下落し切った時点でドルに戻すという経済取引きをすればいいだけの話です。
国際基軸通貨であるドルは国際商品の価格表示機能と国際交易の決済機能を有しているので、その他のハードカレンシーとは位置付けが異なります。
ドルを経済行為の基軸としている人たちは、ドルが下落しても、他の通貨を基軸にしている人たちに較べるとショック(価値下落)は緩和的です。
原油に代表される国際商品のほとんどがドル建てになっているので、購買力がユーロや円が下落したときのように急激に劣化するわけではありません。(日本円は円安がそのまま購買力の劣化につながります)
原材料や生産設備そして活動力から生み出される製品が国際的に交易される過程を通じて、ドルの価値劣化が広く浸透し、ドル建ての国際商品の価格が上昇していくという流れになります。
さらに、米国が、中国のように自国通貨がドルにペッグされている国民経済から輸入する比率が高ければ、ドル下落が及ぼすドル購買力の劣化はもっと遅れることになります。
(中国がドル建て国際商品の値上がりでコストが増大し、対米輸出価格を引き上げることを余儀なくされたときにドル購買力の劣化が強く現れます)
このように考えれば、米国支配層が日本政府のドル買い介入を容認している(求めているの穏やかな表現)のは何ら不思議ではありません。
日本政府のドル買い介入は、米国財政赤字のファイナンスをしてくれるとともに、円ドルレートの変動を管理してくれるありがたいものです。
日本政府がドル買い介入を通じて財政赤字をファイナンスしてくれなければ、増税・個人消費減少・金利上昇がまとめて米国経済を襲う可能性があります。
(米国は対日債務を完済することはありません。それが明確になったとき、「戦後世界体制」の終焉が明確に意識されることになります)
日本側も、中国などを通じた迂回分や素材部品輸出を含めた対米輸出の維持・増大や輸出企業の利益増加というメリットを得ます。
ドルはその歴史的使命を終えるまで、このようなかたちで“しのぎ”を続けることになります。
Ddogさん:「外人は本気だ!今度は腰が入っている。ここは馬鹿になって買いに回らないといけない。外国人は単に今回は幕間つなぎや米国株の隙間で一時的な買い越しにはどうしても見えない。日本の13年に及ぶデフレの終焉を見定めて腰をいれた買いでなければこのような買いをいれたりはしない」
日本の現状の“好景気”が何のおかげで起きているかを国際金融家は知っていますから、「日本の13年に及ぶデフレの終焉を見定めて腰をいれた買い」をしているわけではないと思っています。
対米・対中の輸出に依存している現在の“好景気”をもって、13年に及ぶデフレが終焉する動きと判断してしまうほど経済論理を知らないわけではありません。
ドル→円→ドルの為替取引で得られる利益と短期の株式取引で得られる利益(空売りも含む)を総合的に考えて突っ込まれていると見ています。
Ddogさん:「経済成長の基本は生産性の向上と新規需要の創出、企業 社会の絶え間ない変革である」
経済成長の基本はご指摘の通りですが、「企業 社会の絶え間ない変革」は「生産性の向上と新規需要の創出」を実現するプロセスですから、「生産性の向上と新規需要の創出」につきます。
生産性の向上だけで新規需要の創出(需要の純増)がなければ、現在の日本のようにデフレ不況に陥ります。
新規需要の創出だけで生産性の向上がなければ、インフレだけで実質の成長が遂げられない可能性があります。(生産性の向上がなくとも、生産活動の増大があればインフレも抑制され実質の成長も実現できます)
大事なのは、輸出需要の純増がない限り、国内供給貨幣量の増加以外に基本的な需要純増はないということです。