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(回答先: 米が「見返り」検討 イラン核開発中止条件 英仏独に同調 (産経新聞) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 3 月 02 日 05:54:06)
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■イラン、核サイクル温存狙う 来年に大型原発稼働
対ロ関係追い風に
【テヘラン=安東建】イランが南西部のブシェールで建設中の原発に、ロシアが核燃料を供給する協定が先月末に成立したことで、中東初の大型原発が来年初めには稼働を始める見通しとなった。核兵器開発疑惑で米国の追及を受けるイランにとって、核大国ロシアとの関係強化は追い風だ。ウラン濃縮活動の停止を余儀なくされるなか、英仏独との間で続く核交渉を有利に進め、独自の核燃料サイクル計画温存の道を探ろうとする思惑も背後にある。
「核問題が国連安全保障理事会に付託されれば、即座にウラン濃縮を再開する」
イラン最高安全保障委員会のロハニ事務局長は5日、テヘランでの会見で断言した。
2月末のブッシュ米大統領訪欧で、米欧は「イランの核兵器保有阻止」で一致した。その直後のロシアとの核燃料供給協定成立は、イランにとって「逆風のなかの大きな成果」(西側外交筋)。
ロハニ事務局長の強い言葉は、ロシアを取り込んだことによるイラン側の強気の証しでもある。
ブシェール原発は軽水炉。95年に着工したが、技術的問題や米国の反対などで、99年稼働の予定がずれ込んだ。02年に米国は、ウラン濃縮などのイランによる秘密の核活動を指摘、プルトニウム製造も可能になるとして、ブシェール原発の使用済み核燃料の行方も問題にした。
イランとロシアの協定では、使用済み核燃料のロシアへの全量返還をうたっており、燃料が兵器転用されないとロシアが国際社会に保証することを意味する。
調印時には、燃料供給の今後の日程は明かされなかったが、両国の報道を総合すると、ロシアは今後10年間、同原発に核燃料を供給するとみられる。ロシアとの関係が長期にわたることもイランには大きな成果だ。
イラン側はブシェールで、総額8億ドルをかけた1千メガワット級の1号基に加え、2号基もロシアとの間で着工に向けた話し合いを進める。
イラン・イラク戦争後に人口が爆発的に増えたイランは、今後の経済成長による電力需要の増大を見込み、ブシェール級の原発6〜7基が必要だとしている。ハラジ外相は、ロシアとの調印後に「最大で20基必要だ」とまで述べた。
英仏独との核交渉では「原発の数が増えた場合、国外からの燃料供給が持続する保証はない」(サレヒ外相顧問)として、独自の核燃料サイクル計画の温存をはかるとみられる。
●ロシア、転用回避へ支援
【モスクワ=嶋田数之】ロシアが米国などの強い懸念にもかかわらず、イランと核燃料の供給及び使用済み燃料の返還協定に調印した背景には、イランの核兵器開発の芽をつみ取っておこうとするプーチン大統領の強い意志が垣間見える。
カスピ海周辺は石油と天然ガスなど豊富な資源が確認されているだけでなく、ロシアにとってはイスラム文化圏で分離・独立運動が激化している南部のカフカス地域の安定化を確保する上で、極めて重要な地域と位置づけられている。プーチン政権は沿岸の旧ソ連圏諸国と資源開発や地域安保などで相互補完関係を強化することに腐心し、一定の成果をあげてきた。
しかしロシアと同様にこの地域で強い影響力をもつイランが欧米の締めつけで孤立し、核兵器開発に走るような事態になれば、ロシアは新たな不安定要因を抱え込むことになりかねない。イランがロシアの脅威とならないよう戦略的関係を構築しておくことは、ロシアの安全保障を確保する上で不可欠の懸案だっただけに、プーチン政権は原発協力協定を大きな政治的成果ととらえている。
プーチン大統領は年内にイランを初訪問する意向をイラン側に伝えた。両国の接近を警戒する米議会の一部には、ロシアを主要国首脳会議(G8)から締め出そうとする制裁論があるが、ラブロフ外相は「隠すことなどない明白な国際協定だ」と批判をはねつけた。ロシア政界では「これで米ロ関係が損なわれることはない」(ロシア下院国際問題委員会のコサチョフ委員長)との見方が一般的だ。
ルミャンツェフ原子力相によれば、ロシアは将来、ブルガリア、スロバキア、中国などの原発建設事業に参加することも検討するという。イランの使用済み核燃料をロシアに回収することについて、原子力相は「核拡散を防ぐ最善策」としているが、ロシアの専門家の多くは、イランが独自の核燃料サイクル計画をあきらめていないうえ、運搬ルートが「ロシアの火薬庫」と言われる南部地域を通る可能性を指摘。環境NGO(非政府組織)のスリブヤク副代表は「地域の不安定化はむしろ拡大し、テロリストによる襲撃の危険性が高まる」と警告している。
http://www.asahi.com/paper/international.html
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