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(回答先: もんじゅ:最高裁、国側の上告受理 住民側逆転敗訴か [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 12 月 02 日 16:21:09)
〔シンポジウム報告〕
「市民社会における科学と司法を考えるシンポジウム」
−もんじゅ判決をふまえて−
[開催日時]: 平成16年7月26日(月) 14:00−16:30
[開催場所]: 経団連会館 大ホール
[シンポジウムの開催趣旨]
平成15年1月27日に名古屋高裁金沢支部で原告側が勝訴という、いわゆる「もんじゅ判決」が出され、平成15年1月31日、この名古屋高裁の判決に対し、経済産業省は最高 裁に上告受理申し立てを行っている。
この名古屋高裁の判決をふまえて、今回は、市民社会における科学と司法の関係に ついて、行政法、原子力訴訟、リスク心理学、ジャーナリズムの専門家の方々を講 師にお招きして、原子力の技術とは異なった視野からのご意見を伺い、かつ参加者からのご質問に答えていただくことによって、問題の所在や本質に関する理解を深めるために、この シンポジウムを企画した。
[シンポジウムのプログラム]
− 基調講演 「もんじゅ訴訟の教訓」 (学習院大教授・行政法)高木 光 氏
− パネル討論
パネリスト: (弁護士・原子力訴訟) 山内喜明 氏
(富士常葉大教授・ジャーナリズム) 吉村秀實 氏
(東洋英和女学院大教授・リスク心理学) 岡本浩一 氏
座 長 (学習院大学名誉教授・コミュニケーション) 田中靖政 氏
【相互討論に先立ち、パネリストから基本的なスタンスに関する意見が提示された】
「モラルハザードと組織風土」岡本教授
東洋英和女学院大学 人間科学部 教授 岡本浩一
(JCO事故調査委員会のメンバー)
・国民の間に安心が広がらない、あるいは「安全と安心は違う」といった考えは、組織風土に対する不信感が大きな要因となっている。
・事故調査委員会で関わってきたJCO事故を例にすると、JCO事故は決して原子力特有のものではないプロセスで、背景要因として特に注目したのは極端な労使協調であった。
・不信感を招いている組織風土の根底にあるのは、ホロコースト等でも説明される権威主義で、その表現形として「属人思考」を提唱してきた。
・属人思考とは事案の記憶、処理、意思決定において「人」情報を重視し「事柄」情報を軽視する傾向で、特徴としては、日本人にありがちな忠誠心重視、犯人捜しの強調などが、人の要素の重さを招き風土として染み付いてしまう点。
・属人主義のデメリットとしては、案件の細部への注意が疎かになったり、意見の貸し借り(前回は自分をサポートしてもらったから今度は自分がしなければならない)が起こったり、イエスマンが跋扈することにより、組織としての自己評価・現状認識が甘くなり不正・違反を容認しやすくなること。
・属人風土に関する研究を通して、組織における違反の容認の2パターン(個人的な違反の容認、組織的な違反の容認)について分析を行ってきた。
・特に問題視するべきは組織的や職場の利益を上げる違反の容認、JCOや東電問題もこれが原因。組織にとってはこうした違反がばれなければプラスという考えを低減させるのが目的となる。
・研究の結果、次のことがわかってきた。
−属人風土と組織違反の容認とは近似性が認められる
−ただし近似性が認められるのはこの関係だけで、命令系統の整備、個人的違反の容認と属人風土は近似性が特に認められなかった(命令系統整備しても組織違反は減らない)
−組織風土が属人的になればなるほど深刻な組織的違反が生じやすい
・結論としては、以下の通り
−組織内の安定した人間関係に依存した属人的思考を減らさなければ組織的違反は減少しない。
−命令系統の整備(権限の明示化、マニュアルの整備等)により、個人的違反の改善にはなるが、組織的違反の改善にはならない。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/aesj/division/sed/sympo.htm