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(回答先: 「中央集権的計画経済」+朝鮮戦争特需+ベトナム戦争特需ではないでしょうか。 投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 7 月 17 日 08:41:16)
クエスチョンさん、どうもです。
>日本の場合、「中央集権的計画経済」+朝鮮戦争特需+ベトナム戦争特需ではないで
>しょうか。
戦後日本の高度経済成長は、「「中央集権的計画経済」+生産性上昇+(対米)輸出増加+勤労者実質所得増加」によって成し遂げられたと約めることができます。
朝鮮戦争特需は、戦後日本経済史概観のパートで説明したように、高度成長の入り口になりました。
朝鮮戦争特需やベトナム戦争特需は、在日米軍やアジア地域展開米軍に向けた財やサービスの販売ですから、経済論理的には「(対米)輸出」になります。
「輸出の増加」(貿易収支の黒字)が経済成長の必須条件であるとの説明が、「生産性の上昇」とともに、ここまでのいくつかの書き込みのメインテーマです。
>夢よ再びと、「景気が悪いので、どこかで戦争でも」と言う妄言を吐く奴がいたりし
>て困るのですが、、。当時としてはタイミング的にはまったような気がしています。
そういう武張ったことが好きな連中やそういう虚妄の理論を吐く連中はいるでしょうね。
しかし、今の世界で、自らが戦争を仕掛けてそれを経済的な利益とできる国は、「金あまり」と「デフレ不況」が同居している日本だけです。
幸か不幸か、政府が膨大な債務を抱えているので、経済論理としては有効でも、政治的には不可能ですが...
(米国が戦後世界で軍備拡張に励み戦争を繰り返したのは、赤字財政支出で「金あまり」状況を緩和でき、軍需産業の利益と保有国債の利息の両方で利得を得られると米国支配層が判断したからです)
現在の米国は、日本から1年ちょっとのあいだに35兆円も借りて、なんとか戦争を遂行できるという体たらくです。(イラク戦費は同期間中に10兆円程度と言われていますから、その3倍も負担していることになります)
ということは、米国が戦争をしても、日本は、利益になるどころか、資金負担を強いられるということです。(個々の企業のなかにはそれで潤うところは出てきますが、国家社会としては米国政権に“無償奉仕”をすることを意味します)
戦争がある層にとって利益になるのは、国費(税金)を使って、人々の活動成果(軍需品)を膨大に浪費するからです。
今回のシリーズで説明しているように、鉄鋼やアルミを同じ量だけ消費するにしても、それで機械設備を造れば経済活動の足枷になることがありますが、兵器や弾薬を造るのなら人殺し用のゴミになるだけで経済活動の足枷にはなりません。
戦後米国は、今は昔になりましたが、70年頃まで供給力過剰の重みに苛まれていました。(「金あまり」と「物あまり(供給力過剰)」ですから現在の日本と同じ)
そのままではお金がだぶつき支配層の利益も増加しないので、供給力過剰を緩和するとともに供給力を増加しない手法として、国費を使っての「鉄鋼や化学物質の軍需向け“浪費”」を採用していたわけです。(むろん、軍需産業勤労者の失業対策にもなります)
しかし、この論理を国民にそのまま説明すれば「ふざけるな!オレたちの生活を良くしろ!」となるため、“共産主義の脅威”や“共産主義者の侵攻”を煽って軍備拡充や戦争を正当化していたのです。