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(回答先: Re: 「迷惑」の実態とは(戦争板より移転) 投稿者 swanslab 日時 2004 年 4 月 20 日 22:44:46)
swanslabさん、レスありがとうございます。
>なるほど〜。端的にそういう捉え方のほうがすっきりするし説得的だと思います。
この捉え方の弱みをつけば、憶測の要素が多分にあり、論争には向かないということでしょうか。
そうですね(笑)。ただぼくは、今回の問題の核心は「責任」論自体ではないと思うのでこういう「解釈」をしめしました。
ぼくは安田さん、渡辺さんの拘束は、「人質」事件ではなく(そういう動きもなかったわけではないが) 準戦闘地域における拘束事件だと考えているので、3人の人質事件の核心は、
1 武装グループが日本政府にたいして政策転換の要求をしたこと
2 家族が政府にたいして自衛隊撤退の要求をしたこと
3 拘束・拉致がファルージャ近辺の間道で起こったこと
の3点だと考えています。1、2にたいして3人には直接責任がなく、問題があるのは3をめぐる予見可能性とそれにかんする責任ということになります。外務省の責任もそこに関係してきます。
3・31日にアメリカの民間人(準軍人)が虐殺されアメリカ軍の掃討作戦が開始されて以降、ファルージャ近辺は準戦闘地域になったわけです。3人にこの状況の十分な認識がなかったのもそうですが、外務省には少なくともこの新しい情勢にたいする警告義務があったと思います。一般的な退避勧告ではなく、そのような警告があった場合、警告の度合いにおうじて3人には「責任」が発生したと考えます。この間の議論では、3人の人質事件が、これまでになかったような事件だったこと、十分な予見可能性をもっていなかったことがあまりにも忘れられているように思います。
この情勢を考えるにあたって重要なことは、バクダッド街道を通ってイラクに入国するルートが、貧乏な人間にとってはもっとも一般的なルートであり(メディアもしばしばこのルートをつかっている)、アメリカ軍がファルージャ攻撃に付随して、バクダッド街道を封鎖しているのに、ファルージャ付近の間道は武装グループによる実効支配の状況(つねにではないでしょうが、しばしば拘束事件・強盗事件が起こるようなポイントで武装グループが自由に活動できたということが実情を物語っています)だったということです。
ファルージャ近辺が準戦闘状態にあるというのは、外務省としてはいいにくかったんでしょうね。
ただ準戦闘地域での邦人保護の責任の範囲にかんしては、今後議論があってしかるべきだと思います。それにしても、この事件にかんする街のインタヴューには「あんな危険な場所」という言いかたがよくでてきますが、それは、後だしじゃんけんに近い発想ですね。
後個人的な感想をいくつか。今朝のテレビで森本敏夫氏が、人質の家族の行動が問題だったという旨の発言を、普段の森本氏からは想像できない強い口調で力説していました。これまでさんざんリスクと自己責任について語ってきた人が、です。ぼくはこれまで、人質事件以前の森本氏の発言には、ある範囲で聞くところがあると思ってきましたが、こういうふうに変わる人なのですね。口調が突然強くなるときにはかならず心理的な理由があります(また推測だとおこられそうですね)
テレビというメディアはいろいろな問題(あるシーンをくりかえして放映するために文脈からはずれた強調効果をもつなど)ありますが、テレビの力は発言者の表情がそのまま伝わることだと思います。森本氏にかぎらず、小泉氏や福田氏、石破氏や麻生氏・中川氏、竹内事務次官などが、どういう表情でなにを言ったのかを忘れないようにしたいものです。