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衛星JERS-1 SAR 画像:中国/トルファン盆地北部【ERSDAC】火焔山からボグダ山に扇状地堆積物の荷重変形を見る
http://www.asyura2.com/0403/bd35/msg/690.html
投稿者 処方箋 日時 2004 年 5 月 19 日 11:49:15:lkpL4Fj8ypCy2
 

(回答先: 衛星JERS-1 SAR 画像:中国/タリム盆地北西部【ERSDAC】天山南縁山麓で衝上断層帯の構造と発達の様子を見る 投稿者 処方箋 日時 2004 年 5 月 18 日 19:52:11)



<オリジナル画像(632KB)>

 トルファン(Turpan)盆地は、中国北西部、タリム(Tarim)盆地北東部とジュンガル(Junggar)盆地東部との間に位置する新彊ウイグル自治区で3番目の面積を有する堆積盆地である。トルファンは西遊記の主人公、孫悟空ゆかりの地である火焔山、あるいはシルクロード天山北路の重要な中継地としてのオアシス、その水源を保つユニークな地下潅漑システムーカレイズ(Karez)、また盆地の南部に海抜一154mと中央アジアで最も低い藍丁(Aydingkol)湖が存在することでも知られる地域である。一方、石油探鉱、開発という異なる面からタリム盆地と共に近年特に注目を集めている地域でもある。


 画像は資源観測衛星JERS−1によって得られた、火焔山(Fuoyan Shan)東部(画像右下)から天山山脈東部のボグダ(Bogda)山の間に位置し過去数年開発が急速に進むシャンシャン(Shanshan)油田(白線内)とその周辺部の合成開口レーダー(SAR)画像である。

 トルファン盆地北部において最近発見された油田は、比較的新しい時代の第四紀扇状地堆積物に変形が現れている地域に集中しており、現在も変動が進行中である活構造に限定される。盆地内の根源岩中の炭化水素は、北側のボグダ山地と前地堆積物による荷重により、現在も熟成過程にあると考えられる。


 火焔山に代表される第三紀の大規模な衝上断層作用によって形成された盆地内の主要構造では、炭化水素産出の可能性は限られている。こうした第三紀の構造から産出する勝金口(Shengjinkou)油田と七克台(Qiketai)油田(位置図および画像参照)は1958年に発見されており現在も小規模な生産が続いている程度である。


 第四紀の構造は、火焔山とボグダ山直前部の石油熟成域との間に位置し、火焔山衝上断層帯を形成する主デコルマ層準の上位に生じた衝上作用によるものと解釈される。従って、現在変動が進行中の構造は、より古い時期に形成された大規模で明白な構造への炭化水素の移動を妨げていると考えられる(Berry and Nishidai, 1993)


 画像上に見られるシャンシャン油田は1980年代の後半に集中して行われた探鉱の結果発見された油田の一つであり、同一地域の1988年9月のLandsat画像(A)と1990年2月の画像(B)とを比較すると試掘、開発井の掘削状況が明瞭に把握できる。1988年9月の画像では1989年1月5日にジュラ系よリ出油を得た古参1号井(Taican No1)の掘削位置(矢印)が既に確認できる(Nishidai et a1.、1993)。1990年の画像では、その周囲に少なくとも新たに7抗が掘削されており、油田の評価−開発が進んでいる。

 1992年9月のJERS−1SAR画像では、古参1号井の周囲に相当数の生産井の掘削と集油施設等の整備が進んでいる。人工衛星画像から読み取れる探鉱開発活動の急速な進展は油田開発の成功を裏付けている(Berry and Nishidai, 1993)。引き続き1990年7月に、シャンシャン油田の北西約20kmの地点(C)に掘削された陵3号井(Ling No3)からも出油に成功しこの油田の西への広がりが期待されている。またシャンシャン油田の北約10km(地点D)に見られる5ヶ所のスポット状の輝点も掘削リグの存在を示しており、周辺地域の構造でも探鉱が活発に行われている様子がうかがえる。

衛星 JERS-1 SAR 画像:中国/トルファン盆地北部

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