第四紀の構造は、火焔山とボグダ山直前部の石油熟成域との間に位置し、火焔山衝上断層帯を形成する主デコルマ層準の上位に生じた衝上作用によるものと解釈される。従って、現在変動が進行中の構造は、より古い時期に形成された大規模で明白な構造への炭化水素の移動を妨げていると考えられる(Berry and Nishidai, 1993)
画像上に見られるシャンシャン油田は1980年代の後半に集中して行われた探鉱の結果発見された油田の一つであり、同一地域の1988年9月のLandsat画像(A)と1990年2月の画像(B)とを比較すると試掘、開発井の掘削状況が明瞭に把握できる。1988年9月の画像では1989年1月5日にジュラ系よリ出油を得た古参1号井(Taican No1)の掘削位置(矢印)が既に確認できる(Nishidai et a1.、1993)。1990年の画像では、その周囲に少なくとも新たに7抗が掘削されており、油田の評価−開発が進んでいる。
1992年9月のJERS−1SAR画像では、古参1号井の周囲に相当数の生産井の掘削と集油施設等の整備が進んでいる。人工衛星画像から読み取れる探鉱開発活動の急速な進展は油田開発の成功を裏付けている(Berry and Nishidai, 1993)。引き続き1990年7月に、シャンシャン油田の北西約20kmの地点(C)に掘削された陵3号井(Ling No3)からも出油に成功しこの油田の西への広がりが期待されている。またシャンシャン油田の北約10km(地点D)に見られる5ヶ所のスポット状の輝点も掘削リグの存在を示しており、周辺地域の構造でも探鉱が活発に行われている様子がうかがえる。