投稿者 処方箋 日時 2004 年 5 月 18 日 19:52:11:lkpL4Fj8ypCy2
★ ERSDAC(資源・環境観測解析センター)の地球資源衛星「ふよう1号」(JERS-1) の合成開口レーダセンサ (SAR) による、タリム盆地北西部の画像です。
JERS-1は、1998年10月11日に、太陽電池出力の減少が検出されて後、衛星の姿勢正常化の後も電力発生が回復しなかったため、1998年10月12日(打上げから7年目)に、全運用を停止致しました。 このような素晴らしい情報を得られる国産衛星が運用不能に陥ったことは、誠に残念でした。
以降は、日米合同の地球観測計画 ASTER プロジェクトに移行し、翌1999年12月に打ち上げられたEOS計画の衛星 Terra に搭載された高性能光学センサ ASTER が代替しています。
ERSDACでは、2004年夏に、JERS-1 SAR の後継である PALSAR を、宇宙開発事業団の衛星(ALOS)によりにより打ち上げる予定なので、これに期待しています。
中国西部、新彊ウイグル自治区、石油探鉱・開発が急速に進むタリム(Tarim)盆地の北西縁部に位置するカルピン(Kalpin)隆起(位置図参照)は、天山山脈の南縁山麓部に接し原生界から新生界までの大規模な露頭(現地写真参照)に多様な構造を見ることができる衝上断層帯 である。加えてリモートセンシング、特に衛星画像を実際の地質調査あるいは探鉱へ応用するのに最も適した地域の一つ である。この地域では(財)資源観測解析センターにおいても数年間にわたってその業務の一環として共同研究が続けられている。 カルピン隆起の地質構造の概要は南北圧縮応力によって形成された覆瓦状の衝上岩体で構成される“thin-skinned thrust”である(Nishidai and Berry,1990)。衛星画像上には衝上断層によって地表に露出した古生界からなる数条の山嶺が明瞭に現れている。 写真1は、カルピン隆起の中央部に位置し東西に延びる衝上断層を分断し南北に直交するPiqiang断層(矢印A-A')とその周辺部の JERS-1 によって得られた OPS VNIR(Bands 1:Y,2:M & 3:C)の疑似カラー合成画像である。 Piqiang断層はカルピン隆起の構造発達を解釈する上で重要な鍵となる構造の一つであり、画像判読から断層の東側と西側で衝上断層と褶曲構造の形状にも違いが認められる。この断層は、二畳紀前期の末期、圧縮による地殻短縮量の差異によって生じた裂け断層の形成がその起源と推定され(Wang et al., 1993)、一連の衝上断層とこの裂け断層は第三紀のヒマラヤ変動によって大規模な活動を呈し、現在地表に見られる複雑な構造を形成した。 写真2は同一地域の JERS-1 SAR 画像である。この地域のレーダー画像としては米国のスペースシャトルによって撮像された SIR-A 画像が知られている。地質判読を主たる目的とする場合、特に、このように比較的地形の険しい露岩地域ではレーダー画像は LANDSAT TM 画像あるいは JERS-1 OPS 画像などの光学センサー画像に比べ得る所は少ないが、光学センサー画像と併用することで有効に用いることができる場合がある。 OPS VNIR の Band 4 を加えた実体視ペア画像(画像省略)もこの地域では、特に構造判読に有効な情報を判読者にもたらす。直下視画像に疑似カラー合成画像を用いた実体視することでより詳細な判読を効果的に行うことができる。中国/タリム盆地北西部
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