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(回答先: 上記に関して 投稿者 最悪! 日時 2004 年 6 月 20 日 09:25:10)
最悪!さん、どうもです。
>この人物の主張は、そのうち有色人種排斥運動につながる危険性があると考えていま
>すが、あっしらさんはどうお考えでしょうか?
シンガー氏は、ダーウィン主義者(但し、社会ダーウィン主義者ではない)を自称し、「重度心身障害児の“安楽死”許容」を提唱していますから、有色人種排斥運動ではないでしょうが、“身心のいずれかが劣っている”と彼が判断するような人を排斥する運動につながる危険性はあります。
(排斥という自覚はなく、その人のためであり、その人の家族のためであり、社会のためでもあるという意識で...)
シンガー氏的考え方は、ヒューマニズム(人間主義)に根っこがあると思っています。
抽象的な人間というものを前面に出せば、「人間とは何か」という問題が出てきます。
その答えが「五体満足で活動力を有し、物事の理非を判断する知性(思考力)を持っている生き物」であれば、それから外れた人は見た目と違って人ではないという推論につながります。
私は、生き物やその他の自然的存在者は、まず個として、存在意義や存在意味があると思っています。
その後から、人間・豚・山・川という名称や概念が成立するものだとも思っています。
人が思弁的に成立させたものでしかない概念が、あたかも実在であるかのように取り扱われることに危険性を感じています。
ヒューマニズムは、心優しき考えと受け止められていますが、論理や思想として突き詰めていくと罠に嵌る可能性もある危険なものという押さえが必要だと思っています。
(今回で言えば、重度身心障害者も、それとして存在意義や存在意味があり、誰もが他者依存的に生きているのだから、本人が死を選択しない限り、生きるあいだはともに生きるべきだと考えています。「重度身心障害者」なる概念も、人がある存在者を認識して生み出した概念でしかありません)