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(回答先: あっしらさんさすがです 投稿者 最悪! 日時 2004 年 6 月 20 日 17:33:25)
最悪!さん、どうもです。
ピーター・シンガー氏は二度ほどTVで見ていますが、善意にあふれた理性的な人だと見受けています。
(バチカンの枢機卿たちのタチの悪い人相に較べたら、まったくといいほどいい人相をしています(笑):午後九時からNHKの番組でバチカンの聖職者たちに映像を流していましたが、ぞっとするような顔をした連中が目立ちました)
>本来ダーウィニズムは進化論で頂点に立つ人間優位の理論のはずです。
>それがなぜ動物愛護と結びつくのかよく分かりません。
シンガー氏は、雑駁に言えば、「ヒューマニズム+ダーウィニズム+自然権思想」を基盤にした思想家だと思っています。
そのような思想基盤は「動物の権利」につながるものではありませんが、自然権思想がリベラル左派的なものであれば、つながってもおかしくないと思っています。(それらの思想や理論を使えば、シンガー氏的な主張の正当化を私でも書けるという意味です)
進化論的生物の頂点に立つ人間だからこそ、他の動物に無用な危害を加えないようにすべきであり、人間が自然権として人権を持っているように動物も動物権を持っていることを認めることはできるはずだ、と言った感じで...
(“無用”というのは、動物を食糧にしなくとも人は生きていけるし、動物性素材も他のもので代替できるという考えが支えになっています。私は肉食獣ですが、動物性異種蛋白質の摂取は身体にあまりよくないのだろうなという“直観”を持っています)
針供養までする日本の伝統的な価値観でも、自然権思想と結びつけば「動物の権利」を違和感なく受け容れられるはずです。(日本の場合は情緒・心情が強く、シンガー氏は理性的判断が強いという違いはあります。
もちろん、針供養までする日本人なら、「じゃあ、植物はどうなんだ!」という批判に瞬く間にたどり着きます。
シンガー氏が「植物の権利」を主張しないのは、一つには“なんらかの自分の意思で動くものではない未進化の生き物”という認識と、動物は危害に対して“反応”するが植物からはそのような経験を得たことがないという意識があるからだろうと思っています・
(鯨やイルカは知能が高いから殺すべきではないという発想と似たものです)
つまるところ、ヒューマニズムでありダーウィニズムなのです。
>この人物は一見キリスト教的思想に反発しているのですが、
>実は典型的なキリスト教的思想の信奉者であると思えるのです。
「ヒューマニズム+ダーウィニズム+自然権思想」は、カソリックからは由来しませんが、福音書(エッセネ派的教義)やユダヤ教からは導き出されるものだと思っています。
※ 「動物の権利」が、肉食及び家畜飼育を抑制するために利用される可能性はあると思っています。
今考えると「そんなバカな!」ですが、家畜の飼育に要する穀物飼料の量考えると(ともに人の生存に資するものだが人が直接穀物を食べたほうが効率的)、将来、人口増大が続き穀物増産が伸び悩む状況になれば、そのような「思想」が世界を覆うのは別に驚くほどのことではないはずです。
「牛や豚そして鶏にも生存する権利がある。人間が欲望のためにそれらの命を奪ってもいいのか!」という声がまことしやかに広まり、家畜の量的制限が実行されるかもしれません。
(成長ができなくなる経済状況も高価な食べ物を摂取できる人を限定的にするはずなので、それで起きる貧乏人の欲求不満噴出を抑えるためにも“有用”な思想になるでしょう)
冗談ではなく、それほど遠くない将来にありえる話だと思っています(笑)
「人権」という思想だって、日本で150年前に語れば笑い飛ばされたはずです。
(欧州でも300年前にそれを知っていた人はごく少数だったのです)