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(回答先: 緒方貞子と「選民」の同期化 投稿者 愚民党 日時 2004 年 6 月 18 日 22:54:09)
http://www.meti.go.jp/discussion/topic_9/kikou_04.htm
日欧産業協力センター
−ユニークな「国際機関」
一九八五年ごろ、当時の欧州共同体(EC)はいわゆる「日本問題」を提起、日本側の経常収支の恒常的な黒字と日本市場の「閉鎖性」への批判を強めていた。そこで関係者の間では、日欧間で相互の社会経済システムの理解を深めつつ、経済・技術・投資交流の緊密化=産業協力を推進していくことが必要との認識が高まり、日本政府とEC委員会(現・欧州委員会)で、このための実施機関として本センターを設立することが合意され、八七年に業務がスタートした。運営資金は日欧双方が負担、東京とブラッセルに事務所をもち、日EU(欧州連合)双方から事務局長が就任、共同して運営に当たっている。EUが特定国とこのような共同プロジェクトをもっている例はほかになく、日EU双方の熱意を示すユニークな「国際機関」である。
「世界観が変わった」
センターの活動であるが、三つの柱からなっている。
まず、研修事業である。日EU間の産業協力を担う人材を育成するため、EU企業の中堅幹部を対象に、実務と講義が有機的に関連した長期研修(四〜一一週間)、特定テーマ(日本の生産管理、流通システム等々)に焦点を当てた短期研修(二週間)を実施、年間一〇〇名程度のビジネスマンを受け入れている。
長期研修には日本についての理解を深めるための社会・文化・経済構造に関する講義を設けているが、参加者に特に好評なのは「ジョイントスタディー」である。これは、架空のプロジェクトを日本人ビジネスパーソンとともに三日にわたりディスカッションしながら進めるという研修で、日本人・企業の行動を理解するうえできわめて有用との評価を受けている。
また短期研修のなかでは、やはり日本の生産管理技術に対する関心は依然として高く、毎回多くの参加希望が寄せられている。研修参加者からは、研修終了後レポートを提出してもらっているが、「日本ビジネスをスタートするうえで必須のコース」、あるいは「参加して世界観が変わった」(というほど日欧ではまだパーセプションギャップがあるということか?)等の高い評価をいただいている。
さらに四年前からは、日欧関係の将来を担う日欧の理工系の学生を対象に、一年間にわたり相互に派遣する「ヴルカヌスプログラム」をスタートさせた。これは、四カ月の語学研修と八カ月の企業研修(企業内インターンシップ)を組み合わせたプログラムで、その定着とともに人気も高まり、派遣人員(日欧合計三〇名程度)の四〜六倍の応募が寄せられるようになっている。
最新ビジネス情報に高い関心
センターの第二の柱は情報提供事業である。
EUの対日貿易の拡大、日EUの双方向の投資交流の促進のために必要な知識、情報を提供するため、各種問い合わせに対し、調査して回答し、また必要に応じ適切な情報源を斡旋・紹介するとともに、日本産業・EU情報に関するセミナーを年二〇回程度開催している。最近のセミナーの例でいうと、対EU企業向けでは「I‐モードビジネスの可能性」「日本の技術競争力の真実」、対日本企業向けでは「CEマーク取り締まりの実態」「ブルートゥースの展開」等、最新の、かつビジネスに直結する情報に対する関心は高く、定員オーバーのため申し込みをお断りするケースも多い。
事業の第三の柱は、産業協力一般の支援で、特に日EUの業種横断的な産業人の協議の場である「日EUビジネス・ダイアログ・ラウンドテーブル」の事務局として会議の準備、円滑な協議の実施にサポートを行っている。去る七月十七・十八の両日、東京において日EU双方から計約四〇名のトップ産業人が参加、日EU双方の産業界が直面している共通の問題を討議し、日EUの当局に対して政策提言を行った。
広がる日欧民間からの協力とサポート
本センターの事業を行っていくうえで忘れてならないのは、日欧民間企業等からのサポートである。日本側では毎年、事業の意義に賛同いただいて経済団体、企業から活動のための寄付金が寄せられるとともに、ビジネスマンの企業見学の受け入れの対応等で大変なご負担をかけているが、快く協力をいただいている。
また、学生のインターンシップの受け入れでは、日欧双方の企業に独身寮の提供、あるいは滞在費用の一部負担をお願いしているが、協力を申し出る企業は、年々増加している。ホームステイの協力をしていただくボランティア家庭も多い。日欧の関係の深まりを端的に反映しているものと関係者は心から感謝している。
「対話」のテーマの八五%が日EU協力
先に触れた七月のラウンドテーブルの席上、EU側のダビニオン共同議長は感慨深げに「四〜五年前であれば、会議のアジェンダの八五%が日EUの対立する問題、一五%が協力問題であった。それが今や逆転している」と総括された。このような変化は、日EU関係の強化の末席に連なるものとして大きな喜びとするところであるが、同時に、日欧の関係は他の地域との関係に比べればまだまだ遠く、なすべきことは多いと身を引き締めている。
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※ この座談会及び関連寄稿論文は、通産省広報誌「通産ジャーナル」に掲載されたものを転載したものです。なお、ここに掲載された論文等のうち、意見にわたる部分は、それぞれ筆者の個人的見解であることをお断りしておきます。
※ 本稿の無断転載はご遠慮下さい。転載をご希望される場合は、通商産業省大臣官房広報室通産ジャーナル担当(TEL 03-3501-1619)までご連絡下さい。
http://www.meti.go.jp/discussion/topic_9/kikou_04.htm