現在地 HOME > 掲示板 > 雑談専用8 > 792.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: Re: 「イノセンス」が描きたかったもの 投稿者 南青山 日時 2004 年 4 月 18 日 01:55:37)
南青山さん、はじめまして。
>「これからの人間を考えるとき、相当高度な水準で参考になる」と記されています
>が、どの辺がどのように参考になるのですか。
人間が将来、どのように「からだ」と付き合うかという意味で参考になります。
トグサは最後まで生身の身体と家族にこだわっています。
それは現在の我々に最も近い感覚です。
バトーは義体化していますが、「ゴースト」にこだわっています。
それは宗教求道者や哲学者の生き方に近い感覚です。
キムは「ゴースト」を拒否し「魂の抜け殻」としての人形になろうとしています。
これは生きることに実感、意味、価値を見出せないアブナイ感覚の極北です。
素子は「ゴースト」のみを携え、身体を捨てネットの世界と同化した人です。
これは、可能性としての人間の典型としてあるでしょう。
ガブリエル(犬)は身体と「ゴースト」が過不足なく合致した存在として
描かれています。
自分なら、どのキャラになりたいか?
これを考えると容易に答えの出ない自分に気づかされます。
これはひたすら「からだ」を考えさせるための仕掛けに満ちた映画です。
私にとっても、これから先、人類が「からだ」とどう付き合うかは大変興味の
あるテーマです。