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(回答先: 高橋尚子が落選 坂本、土佐にアテネ切符 [共同通信]【とにかくすっきりでよかったんじゃない】 投稿者 あっしら 日時 2004 年 3 月 15 日 15:33:49)
高橋尚子落選、補欠にも選ばれず…「金」不安
北京は遠い4年…国民栄誉賞の涙
高橋落選を決定した陸連の理事会。苦渋の選択の結果、「連続金」の夢はついえた=15日午前、東京・渋谷
注目のアテネ五輪女子マラソン代表選考で、高橋尚子(31)=スカイネットアジア航空=は落選した。シドニー五輪の金メダル。2時間19分台の最高タイム。五輪で世界と対等に戦えるのは、高橋しかいないはずだった。何より、圧倒的な国民的人気を誇り、国民栄誉賞の陸上界、日本スポーツ界の顔だった。あまりにショッキングな日本陸上競技連盟の決定。五輪で金メダルの可能性を探るとき、極めて厳しいといわざるを得ない。はっきりしているのは、アテネがなんとも寂しくなったことだ。
アテネ五輪女子マラソン代表に決まったのは、昨年のパリ世界選手権で銀メダルを獲得した野口みずき(25)=グローバリー、大阪国際女子を2時間25分29秒で制した坂本直子(23)=天満屋、そして14日の名古屋国際女子マラソンで2時間23分57秒で涙の逆転劇を演じた土佐礼子(27)=三井住友海上=の3人。
陸連の沢木啓祐・強化委員長は15日午後、会見で選考の理由を「最後は坂本君と高橋君の比較になったが、高橋君の国際的にナンバーワンの実績を最大限評価しつつ、2人の選考レースの内容を比較し、前半ハイペースで後半失速した高橋君と、後半まとめあげた坂本君の間で、苦渋の決断をした」と話した。補欠についても「功績のある高橋にいかがなものか」の声があり、外された。
名古屋国際女子マラソンで涙の逆転優勝を飾り、土佐は土壇場でアテネ五輪代表に滑り込んだ
男女のマラソン代表を決める理事会を始めるにあたり、陸連の河野洋平会長は「だれもが納得できる結論を導きだしたい」と話したが、そんな結論があるはずはない。
代表選手を決めた理事会を終え、会議室を出る理事の顔は一様に険しかった。ある理事は「基準を無視できなかったということです」と言葉少なに話した。
流れは、高橋に傾いていたはずだった。
高橋は11月、24度の異常気象のなかで東京国際女子マラソンを走り、終盤失速して2時間27分21秒の平凡なタイムで2位となりながら、かろうじて日本人トップで選考対象に残った。だが、高橋には圧倒的な実績があり、圧倒的な人気があった。
東京国際の失敗についても、陸連は詳細に検討した。レース直後に行われた血液検査の結果から「高橋に年齢からくる衰えはない。あくまで調整の失敗」という認識で一致していた。
アテネ五輪のマラソン代表選考の基準は、昨年の名古屋国際女子の翌日に、世界選手権のメンバー発表と同時にA4のコピー1枚で配られた。「各選考会で日本人上位者の中から、五輪でメダルまたは入賞が期待される競技者を選考する」。極めてあいまいで、必ずしも選考会のタイムを比べるものではなかった。
野口みずき選手
あくまで「アテネ」への順応が最優先されることから「アップダウンの激しいアテネのコースには、ストライド走法の野口や土佐より、ピッチ走法の高橋が有利」「メダルを狙うのではなく、金を狙えるのは高橋1人」という声も高かった。
「高橋をアテネへ」。そんな声が高まるなか、小出義雄監督は「マラソンをよく知る偉い人は高橋を選ぶ」と自信満々の表情を崩さなかった。
そうした空気に、だれよりも反発したのが、土佐だった。「もうアテネ行きの選手が決まっているかのような報道を見て、やってやろうと思った」。そう話して臨んだ名古屋だった。
名古屋で土佐は、感動的なレースを演じた。一度は田中めぐみ(28)=しまむら=に大きく引き離されながら、信じられない粘りで追走し、ついに残り5キロで逆転した。テレビ画面からは、土佐の泣き声のような荒い息遣いが聞こえた。いや、土佐は本当に泣いていた。苦しくて、泣きながら、それでも田中を追い、トップでゴールを切った。これが、五輪選考レースだからこそ頑張れた。レース直後のインタビューでアナウンサーから促され、涙もせきもとまらないまま土佐は、「アテネに行きたいです」と2度、口にした。
土佐を育てた三井住友海上の鈴木秀夫監督は「これだけ頑張って選ばれなかったら、やりきれない」と話した。
坂本直子選手
土佐は当初、東京国際で高橋との直接対決を望んでいた。結局は右足首の故障から見送られ、高橋が失速したあのレースを土佐は、中国・昆明の合宿先で聞き、「ホッとした。名古屋のレースまで、アテネ行きのチケットが2枚あると思ったから」と話した。
高橋がシドニー代表を決めた00年の名古屋で、土佐は2位だった。だからこそ、名古屋でもう一度、高橋と走れることを楽しみにしていた。だが、高橋は名古屋を回避して吉報を待った。土佐は走らないライバルに印象で勝たなくてはならなかった。そして勝った。涙も力になった。
敗者となった高橋だが、「ランナーとして、Qちゃんはモノが違う」と小出監督は言い続けてきた。今後は海外の賞金レースなどで結果を出し、選考は「最悪の誤りだった」と印象づけるしかない。
だが、北京の4年後はあまりに遠い。だからこそ、高橋はアテネを走りたかった。バルセロナの松野明美、アトランタの鈴木博美、シドニーの弘山晴美。五輪選考のたびに繰り返された女子ランナーの涙が、また流れる。しかも今度は、国民栄誉賞の涙だ。
同時に選考された男子マラソン代表は、国近友昭(エスビー食品)、油谷繁(中国電力)、諏訪利成(日清食品)の3人が選ばれた。
ZAKZAK 2004/03/15