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(回答先: 高橋尚子落選と企業の憂鬱(J_Coffee) 投稿者 エンセン 日時 2004 年 3 月 16 日 12:03:18)
マラソンの女子代表選考、実績より透明性を苦渋の選択
アテネ五輪のマラソン代表選考で15日、2000年シドニー五輪金メダリストの高橋尚子(31)(スカイネットアジア航空)が女子代表選手に選ばれなかった。2001年のベルリンマラソンで当時の世界最高記録をマークし、日本陸連の沢木啓祐強化委員長でさえ「五輪マラソンで女子が成し遂げていない連続金メダルを取るのは高橋という夢を我々は抱いていた」と認めながら、期待の星はなぜ選に漏れたのか――。
最終選考会の名古屋国際マラソンが行われた14日夜、ある日本陸連幹部は、「日本が狙うのは金メダルで、高橋は欠かせない。選考原案には高橋が入る」と語った。沢木強化委員長も選考後には、「高橋を何とか代表に入れられないかと、その段階では(原案も)作った。しかし、ひと晩考えようとなった」と、悩んだ胸の内を明かした。
15日朝、理事会に先立って行われた選考委員会でも、高橋を代表とする最初の原案についての議論に約1時間半の大半が費やされた。この中でも高橋を推す声は依然として強かったが、選考委の最終結論は、既に内定していた野口みずき(グローバリー)のほか、前日の名古屋で選考会最高タイムを出した土佐礼子(三井住友海上)と、強豪が集まった1月の大阪を制した坂本直子(天満屋)を選ぶというものだった。
増田明美理事は、「関係者はみんな高橋さんを選びたがっていた。どうやったら選べるか考えていた」と語る。断念せざるを得なかった一因について、ある陸連幹部が明かしたのが、「会長の意向」だった。理事会の冒頭、河野洋平・日本陸連会長は、こう語った。「誰でも納得できる結論を導き出したい」
過去のマラソン代表選考で、陸連は実績を重んじてきた。1992年バルセロナ五輪の際は、選考会で好タイムを出した松野明美を落とし、前年の世界選手権で4位の有森裕子を選んだ。96年のアトランタ五輪でも、選考会で最高の記録を出した鈴木博美が落選し、バルセロナ銀の有森を選出した。しかし、その度、不透明な選考方法への批判が、国民から沸き起こった。
こうした混乱を避けたい会長の意向も受け、今回の選考では最終的に透明さを重視。陸連のマラソン選考規定は、「各選考会の日本人上位の中から、本大会(五輪)でメダル獲得か入賞が期待される競技者」とあいまいだが、昨年11月の東京で終盤失速して外国人選手に次ぐ2位となり、記録も土佐、坂本両選手に及ばなかった高橋が、実績で選ばれることはなかった。この明確な選考案について、理事会と評議員会も、文句のつけようがなかった。
「選考は苦渋の決断だった。困惑した結果であることを付け加えたい」。代表発表会見で、沢木強化委員長は語った。陸連は、クリアな選考という国民から求められていた大義を、ついに果たした。しかし、一番選びたい選手を選べないという犠牲を払ったショックも、同時に残る結果となった。
◆他競技の選考、水泳は一発勝負◆
競泳は日本水泳連盟が明確な選考基準を公表。代表選考会は4月の日本選手権のみの一発選考。各種目ごとに細かく決められている高水準の「派遣標準記録」を突破し、2位までに入った選手は「自動的に選考する」としている。
明確化のきっかけは、2000年シドニー五輪代表にもれた千葉すずの行動。「選考基準が不明確」として、スポーツ仲裁裁判所(CAS、本部=スイス・ローザンヌ)に申し立てた。CASはこれを棄却するが、一方で水連の情報開示も不十分だったと指摘した。
レスリングはアテネ五輪から女子種目が採用されて注目度が高まり、選考試合を広く公開。女子の場合、昨年末の全日本選手権と今年2月のクイーンズカップの選考2大会で優勝すると自動的に代表に決定、優勝者が異なる場合はプレーオフの勝者を代表にすると事前に明示した。
(2004/3/16/00:47 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20040315ie36.htm