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「世界で一番薄い本はな〜んだ?」
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投稿者 ジャック・どんどん 日時 2004 年 2 月 14 日 22:56:00:V/iHBd5bUIubc
 

一人漫才プラスワンです(ネタは最後に解説します)では・・・・・

▼「世界で一番薄い本はな〜んだ?」ってクイズ、知ってますか?

●ふん、いまどきはむしろトリビア風に「世界一薄い書物は・・・・・・・・・・・・  『ドイツジョーク集』である」「へえ、へえ、へえ!」とでも言うべきだろうな。

▼あ、知ってましたか、やっぱり。

●古典的ジョークだからな。サイモン・クーパーの『サッカーの敵』にも出てくる。
 昔からよくあるステレオタイプの国民性偏見ジョークだ。
 「イギリス人シェフとドイツ人コメディアンとフランス人の・・・・」って同類の。

■イタリア人の執事でしたっけ?

▼でも、古典的どころか、欧州ではEU統合をきっかけに、むしろその手のジョークがま  た、密かに流行してるっていう話ですよ。

■国家っていうのは、国民を守る、民族、民族の神話を守る最後の砦かもわからんなあ。
 あくまでも、「必要悪としての国家」ていうことで。
 
●国民的アイデンティティーの反動的発露、ってやつか。まあ、そういうジョークが口に 出せなくなる時代の方が、むしろ怖いのかもしれんな。そうやってお互いに罵りあった り哂い合ったりできるほうが、よっぽど健全で平和なコミュ二ティーといえるだろう。

▼そういえば、最近ドイツで、自分の飼っているジャーマン・シェパードに「アドルフ」 って名前をつけて、右手を高く挙げる敬礼を芸として仕込んでた男が「反ナチ法違反」 で逮捕された、っていうニュースを聞きましたよ。これも、一種のジョークネタかと一 瞬思ったんですけれど・・・・・・。

●う〜む、そりゃ事実だな、たぶん。ありそうな話だ。あの国のナチ・トラウマは、それ くらい根深い。そういう行為はあの国ではシャレにもジョークにもならんのだ。

▼やっぱり、『ドイツ・ジョーク集』は・・・・・

●いや、そういう問題じゃなくて、戦後ドイツ人があのトラウマを克服するためにどれほ どの時間とエネルギーを要したか、日本人なら少しはわかるだろう。

■日本人は、あんまりトラウマなんかもってないんとちゃいますか。何しろ一億総ざんげ ですから。

▼旧枢軸国の優等生と劣等性の間柄ですもんね。もっとも、「ドイツ人は全部ナチスに責 任をおっかぶせっちゃった」って説もありますが。
 そういえば、「今度はイタリア抜きでやろうぜ」とドイツ人が日本人に囁く、っていう 有名なジョークも・・・・・・・。

■日本は、不器用な陸軍に全部責任をおしつけちゃったし・・・・、
今でも英米アングロサクソンについておけば大丈夫っていう大ばか者の元駐タイ大使もおるし(アングロサクソンについといたら大丈夫って、いうてた本人は、タイ大使どまりかよ!)

●もう、くだらんジョークや駄洒落の話題から離れろ!

▼すいません。サッカーの話に戻りましょう・・・って、まだ全然サッカーの話してない けど。ドイツサッカーといえば、やたらオールドファンにとっては崇拝と憧憬の対象だ ったわけですよね。・・・あ、さっそく遠い目になっている。

●うるさい。そりゃそうだ。ことサッカーに限れば、ドイツ・・・いや西ドイツという国 は、戦後日本にとってのアメリカのような精神的宗主国だった、と言っても過言ではな かろう。
 そう、あのデットマール・クラマーコーチはマッカーサーみたいな存在で、岡野俊一郎 さん(前日本サッカー協会会長)が幣原喜重郎か吉田茂みたいな存在だったかもしれ
 ん、うん、うん。

▼はあ、そういえば岡野元会長は東大独逸文学科卒でしたよねえ。

■文学部やけど、心理学やったんとちゃうかなあ。

●三菱ダイヤモンドサッカーでも西ドイツの試合をずいぶん見た。そもそもJリーグ構想 やトレセンだって、西ドイツをモデルにして出来上がったもんだからなあ。
 戦後、ドイツが日本に与えた恩恵と影響は、それくらい大きかったんだ。
 日本人プレーヤーの最初の欧州上陸地でもあった。
 そのドイツサッカーやブンデスリーガをだな、いまどきのにわかサッカーファンどもは やれ「大味で退屈で創造性も意外性もないライ麦パンとソーセージばかりの食事みたい なガチガチサッカー」だの「それ、二言目にはゲルマン魂の勝利至上精神主義のバッツ ンバツン・サッカー」だの、むちゃくちゃ言いやがって。これは忘恩のふるまいではな いのか。

■そうそう、僕も中学時代は、野球部やったけど土曜の夕方からサンダース軍曹の「コン バット」を見て、「三菱ダイヤモンドサッカー」でブンデスリーガを観戦するのが至福 の時間やったな。

▼なにもそこまで言ってはないと思うけど・・・。ライ麦パンとソーセージだけじゃなく てザウアークラウトくらいは付いてますし、「ゲルマン魂」ってのも日本人がつくった 造語でドイツではそんな言葉ないんでしょ。でもまあ、たしかに「ゾリンゲンのカッタ ーナイフで裁断した製図用紙にロットリングの製図ペンで描いた設計図で組み立てたダ イムラーベンツの高速工作車両」みたいなイメージは、確かにありますよねえ。

●どういうイメージだ、そりゃ?

■国民性から考えて、てっきりゲルマン魂ってあるもんやと思うとったけど。サムライvs 騎士道みたいな・・・

▼いや、僕は元グラッフィクデザイナーなもんで、ドイツ製品にはさんざんお世話になりまして。今も使っているメイド・イン・ジャーマニーで実に質実剛健なシロモノですよ。

●その、スニーカーもアディダスだしな。

▼いや、このアディダスはメイド・イン・チャイナです、たぶん。

●だからぁ、料理だろうがマイスター的手工業製品だろうが、そういう文化的ステレオタ イプでサッカーをかたっちゃうのは、結局ジョークといっしょなのよと、さっきから言 ってるわけだ。
 俺みたいな「70年代前後サッカー少年世代」にとっては、西ドイツサッカーというの は壮麗にして精密かつ優美な、まさしくメルセデスベンツ的完成度の・・・・・。

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以下は省略します。サッカー(ドイツサッカー)やこの会話の続きに興味のある方は、書店で立ち読み、もとい、購入してお読みください。

オリジナル・テキストは
 
 『サッカー批評21』連載のサッカー時事漫才
 山崎浩の「僕らはへなちょこフーリガン21」
 『ドイツはサッカー界の北極星』の巻きです。

 山崎浩さんの、架空対話話に小生が『第三の男(上の会話では■です)』として会話に 乱入いたしました。結果は玉砕か?(笑い)

 対話に、第三者が突っ込みいれるのはなかなか大変でした。

Westerflussさんなんかに、鋭い突っ込み入れられそうです。アーメン。

 

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