現在地 HOME > 掲示板 > 議論16 > 560.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: エリートたちは総じてカスだが、陸軍よりも海軍のほうが悪質で愚か 投稿者 あっしら 日時 2004 年 2 月 25 日 00:00:18)
さて、マリアナ沖海戦で敗れた日本は、サイパン島の放棄を決定しました。でも、その事を現地に連絡しなかったので、サイパンの守備隊は、来もしない援軍を待ちながら必死に戦ったのです。
サイパン島は、無敵の要塞のはずでした。少なくとも、陸軍の首脳部は東条首相にそう報告したのです。サイパンが決戦場になることは、随分前から分かっていましたから、当然厳重な要塞化がなされているだろうと、東条も信じたようです。彼は、天皇に、「サイパンは絶対に落ちません」と断言しちゃったのです。
ところが、サイパン島の防備は、実際にはスカスカだったのです。サイパン防備用の資材は、全てニューギニアやらラバウルやら、戦略的重要性の乏しいところに回されてしまっていたのでした。・・・軍隊のキャリアは、その旨を正直に報告するのが恥ずかしいので、首相に嘘をついたのでしょうね。日本の軍隊というのは、話にならないくらい戦略的視野が狭かったのです!
ところで、いわゆる南洋諸島は、もともとドイツの植民地でした。日本は、第一次大戦のときに連合国側で参戦して、南洋諸島のドイツ軍を打ち破ってここを占領したのです。国連も、この地を日本の委任統治領として認めてくれました。マリアナ諸島には、沖縄から多くの民間人が移住して主にサトウキビの栽培などを行ないました。のどかで、平和な島だったのです。
意外なことに、マリアナ諸島に日本軍が進出したのは、太平洋開戦の1年前でした。それまでは、民間人しかいなかったのです。もともと海軍は、日本近海での決戦しか想定していなかったので、この辺りを基地化する思想が無かったのです。こうして、南の島々は、圧倒的なアメリカ軍の前に阿鼻叫喚の地獄と化したのでした。
第十六話 サイパン失陥、そして台湾沖航空戦
http://www.t3.rim.or.jp/~miukun/pacific16.htm
◆(私のコメント)
日本海軍の最大の潜在敵国はアメリカだった。そのアメリカに物量で勝てないことは分かっていた。ならば徹底した防御戦法を取るべきだったのですが、バカな海軍は軍艦ばかり作って南方の島々を要塞化することを思いつかなかった。硫黄島のように艦砲射撃や爆撃にも耐えられる要塞化は戦艦大和より安く効果的だったろう。さらには小型潜水艦隊をそれらの島々に配置して潜水艦基地をこしらえておけばアメリカ軍は日本に近づけなかった。
アメリカが日本と戦争する時は戦艦や空母は必要なく、潜水艦で日本を取り囲んで、片っ端から船を沈めてしまえば勝てるのですから、日本海軍がなぜ真珠湾を攻撃する決断をしたのか?私には理解できない。山本五十六もワシントンまで攻め上る覚悟がいると言っていた。ならば日本海軍は徹底した防御戦略を作るべきだったのですが、日本海海戦の戦訓が仇となってしまった。日本には秀才ばかりで戦略を立てられる天才が居らず、育成しようともしない。
TORAの関連バックナンバーは以下の通り。
パールハーバー空襲はもっとも愚劣な作戦だった。
日本政府と官僚はなぜ最善の策がとれないのか
http://www.asyura2.com/0311/dispute15/msg/863.html
近代国家の国防には「訓令」が必要
西洋の植民地の本質は「民族浄化」
http://www.asyura.com/0304/war31/msg/1145.html
◎日本軍の中枢が米国派(ユダヤ・フリーメーソン)だった太平洋戦争◎
http://www.asyura.com/2002/dispute3/msg/413.html