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(回答先: 成熟した近代の2つの道 --- 流動性(収益)を重視する米国の道、多様性(共生)を重視するEUの道。 投稿者 まさちゃん 日時 2004 年 1 月 20 日 18:06:12)
まさちゃん さん、今晩は。
> 成熟した近代には二つの道がある。流動性(収益)を重視する米国の道。多様性(共生)を重視するEUの道。後者はそもそも亜細亜主義を嚆矢とする。二者択一ならずとも、どちらを優先させるかの価値選択が米国追従の是非を決める。
アジアを代表するキャッチフレーズは、ブッダの悟りの瞬間の言葉と伝えられる「山川草木悉皆成仏」(注1)でしょう。
法隆寺に世界最古の梵語の写本がある「般若心経」は、大乗仏教思想の精髄で、これを更に簡約すると、上記のフレーズになります。
玄奘三蔵は、「般若心経」を唱えながら、天山山脈を超えタクラマカン砂漠を超えてインドに到達し、仏経経典を中国にもたらして、「般若心経」の漢訳をしました。
インドの鬼神・阿修羅も、ブッダに帰依して八部衆の一人となりました。
この思想を西欧流に変換すると、スピノザの「汎神論(パンセイズム)」(注2)になります。
EUは、二度の大戦の後に、近代西欧哲学の祖・デカルトの「二元論」(注3)ではなく、スピノザの「汎神論」を選択でしょうか。
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(注1)「山川草木悉皆成仏」:「生きとし生けるものに限らず、山、川、草、木、その他のすべてのものに仏性があり、仏になる契機がある。」の意。
(注2) スピノザの「汎神論」:「この世に実在するのは神のみである。万物は神が姿形を変えたものである。神は“エライ人”として自然界に君臨する超越的存在ではなく自然そのものなのだ。以上のことは全てを永遠の相のもとに見ると理解できる。」と論じる。
(注3) デカルトの「二元論」:「一方に自我としての人間をおき、一方に物質としての自然をおき、その人間が自然を科学的に認識すればするほど自然を支配できる。」と論じる。