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陸海空自と文民計１２００人 イラク派遣計画閣議決定へ 【asahi.com 記事】
http://www.asahi.com/politics/update/1111/002.html
小泉首相は１０日、イラク復興支援特別措置法に基づき、自衛隊と文民
の年内のイラク派遣を最終決断した。総選挙で与党３党が絶対安定多数を
確保し、政権が維持されるのを踏まえ、イラクでの活動の大枠を示す基本
計画を１４日にも閣議決定する。基本計画で指定される実施区域には、陸
上自衛隊が展開するイラク南部のサマワ周辺のほか、航空自衛隊が空港に
物資を輸送したり、文民が活動したりするバグダッドなどの大都市も含む。
陸海空３自衛隊と文民の計１２００人程度を、１２月中旬から順次派遣す
る方向で調整している。
首相は１０日の記者会見で、イラクへの自衛隊派遣について「与党３党
は選挙中、（派遣が）必要だとはっきりと言ってきた。その勢力が安定多
数を確保でき、国民の支持を得ることができた。状況が許せば派遣したい」
と述べ、早期派遣をめざす考えを表明した。
基本計画では、支援活動の基本方針・内容、実施区域、派遣部隊の規模
・編成、装備・携行武器などが定められる。
１０日までに概要が判明した基本計画案によると、派遣期間は１２月中
旬から当面半年間。同特措法は４年間の時限立法となっており、半年間の
期間が切れれば必要に応じて延長する方針だ。自衛隊の活動としては、浄
水・給水や医療、生活関連物資の配布、輸送活動など。文民の活動として
は、電力供給、医療、教育などを挙げている。
陸上自衛隊は１２月中旬に派遣する先遣隊約１５０人と、年明けに派遣
する本隊をあわせ、計約７００人を派遣する。海上自衛隊は陸上で使用す
る車両や機材を運ぶため、「おおすみ」型輸送艦、護衛艦と乗員約３００
人をペルシャ湾に派遣。航空自衛隊は１５０人規模で隣国クウェートに拠
点を置き、Ｃ１３０輸送機３機でバグダッドやバスラの空港に物資を空輸
する。文民は政府職員のほか、民間技術者などから募集し、「イラク復興
支援職員」に採用する。総勢で数十人規模になる見通しだ。
陸自には従来の国連平和維持活動（ＰＫＯ）などで携行させていた短銃
や機関銃に加え、自爆テロ対策として携帯式の対戦車弾や無反動砲を携行
させる方針だ。陸路を移動するための軽装甲機動車や装輪装甲車も持ち込
む方向で調整している。
陸自はサマワ周辺の砂漠に宿営地を設営して活動するが、クウェートか
ら陸路で移動するため、この区間も実施区域に盛り込む。バグダッド、バ
スラなどの大都市も文民が活動するほか、空自の輸送機が離着陸するため、
実施区域にはこうした地域も網羅する。
基本計画には、防衛庁長官に対し、（１）現に戦闘行為が行われていな
い（２）活動期間を通じて戦闘行為が行われることがない、と認められる
「非戦闘地域」で自衛隊を活動させることや、要員の安全確保に配慮する
よう求めることも明記する。
実施区域を「非戦闘地域」に限定するのは、自衛隊の活動が武力による
威嚇や武力行使につながらないようにするためだが、米軍などへの組織的
な攻撃が頻発しているバグダッドなども、「非戦闘地域」に含めるという
矛盾した記述が盛り込まれることになる。
首相は現地の治安情勢を見極めたうえで、基本計画案をさらに検討。閣
議決定後、１９日に召集見通しの特別国会に報告する方向だ。閣議決定は
ラムズフェルド米国防長官が来日する１４日にも行う方向だが、総選挙直
後のため、与党内調整の進み具合によっては１８日にずれ込む可能性もあ
る。
基本計画が決定され、首相が国会に報告した後は、防衛庁長官が自衛隊
の活動内容の詳細を盛った実施要項を策定。首相の承認を受け、自衛隊に
派遣命令を下す。
首相は自衛隊が活動を始めてから２０日以内に、国会に活動の承認を求
める。国会で審議された後、承認されれば活動は継続。承認されなければ、
首相は活動を速やかに終えなければならない。 (11/11 06:00)
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。