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(回答先: Re: 金正日はもはや今更ゴルバチョフにはなれまい。亡命しか 投稿者 長壁 満子 日時 2003 年 10 月 23 日 20:40:34)
長壁さん、こんばんわ。
書かれている内容から、北朝鮮憎悪ではないことや事情も斟酌されているとは推察しています。
私は「近代」を憎悪していますから、近代主義の延長線上にあるマルクス主義や集産体制を支持していませんし、北朝鮮の現状も好ましいとは思っていません。
しかし、長壁さんには、「金豚はこうした糞猿の汚物にまみれながら、国民を盾に、国民の人肉と血の上で、戦々恐々。こんなイメージしか、私にはわかないのですが」ではなく、北朝鮮の擁護を展開していただきたいと願っています。
（これまでの書き込みから、それができる方だと思っています）
本来ならば民族派や右翼が北朝鮮を擁護すべきなのでしょうが、拉致問題や共産主義という問題からか敵対的な対応をしています。
長壁さんが言われるように、北朝鮮は戦時体制です。（もう一つの特性であった革命輸出路線は放棄したようです）
そして、政治及び経済の多くの歪みはその戦時体制に由来していると考えています。
戦時体制を維持するために国民活動力の半分近くを割き、戦時体制を強固なものにするために思想統制（政治的弾圧）を行っています。
これは、そのまま戦前の日本に通じる話です。
北朝鮮は、日本による植民地的併合（同等の公民権が付与されていなかったのですから植民地と言ってもいいでしょう）から、日本の戦争終結決断が遅れたためにソ連占領支配の北部と米軍占領支配の南部という分断状況に移り、米国と連係して分断を固定化しようとした南部に武力侵攻したが果たせず、休戦という状態で現在にまで至っています。
朝鮮戦争は北が民族統一国家を樹立するために仕掛けたものですが、それは、明治維新や戊辰戦争を通じて統一国家を確立した日本や北ベトナムが南ベトナム政権とそれを支える米軍と戦い統一国家を樹立したのと同じで、大きな犠牲と災厄を生み出したとは言え、近代価値観の一つである民族自決権に適合したものです。
ソ連との協定に反して南北分断を固定化しようとした米国政権にこそ非があると言えます。
（このように考えるからこそ、明治維新を賛美し「大東亜戦争」を自存自衛の戦いと考える民族派や右翼には北朝鮮を擁護して欲しいと思っています）
韓国がそれなりの経済成長を遂げた一方で、北朝鮮が経済的に疲弊しているのは、戦時体制の重みの違いと米国など西側諸国の経済支援（交易を含む）がないことに拠ります。
（金体制と朴体制は、それほど違うものではありません。パクチョンヒ氏は、南部労働党員だった経歴や日本の陸軍士官学校出身だったことから、統制国家志向でした。違うのは、分断国家をとりあえずよしとするのかしないのか、財閥という私的利権組織を認めるのか認めないのかというくらいです）
１００万人単位の飢餓者が出たのは、そのような疲弊状況のなかで大洪水の被害を被ったからです。
だからと言って、金日成や金正日の政策が正しかったと思っているわけではありません。遅くとも、８０年には自主的に戦時体制を解除し軽武装国家に転換する必要があったと思っています。
この時点では、米国も韓国も、南部よりは天然資源に恵まれているとはいえそれほどではなく、経済的に疲弊した北朝鮮に侵略してどうこうするということはなくなっています。
結局、北朝鮮は、米国などの反共プロパガンダの宣伝にはまって、共産主義国家であることで攻撃されると考え戦時体制を継続したのでしょう。
この意味では米国などの敵視政策が北朝鮮の苦境を長引かせたとも言えますが、それは、自己責任だと言ったほうがいいでしょう。
米国は、中国そして北朝鮮を利用した反共プロパガンダでアジアに分断と対立を煽り、自らのアジア支配をやりやすくしたのです。
拉致問題はきちんと解決させるべきだと思っていますが、よど号事件で北朝鮮を非難するようなとんでもない言動ないし錯誤はやめて欲しいと思っています。（よど号グループは、日本政府がお願いして引き取ってもらったものです。北朝鮮は、日本政府との約束をまもって彼らを庇護してきただけです。日本政府が引き取るふりだけしてあとで送還して欲しいと持ちかけていれば引き取らなかったはずです。北朝鮮は信義に則ってよど号グループを庇護してきたのです。米国は現在でもよど号グループを匿っていることで北朝鮮をテロ支援国家に指定していますが、日本政府がお願いした経緯から言って、そのような理不尽な指定は解除するよう働きかけなければならない立場なのです）
北朝鮮問題については末尾に参照書き込みを添付していますのでご参照ください。
また、「公正な国際刑事裁判所を通して、裁判にかけること」と金正日を国際裁判にかけるよう主張されていますが、国際刑事裁判所の公正などあるはずもないという話は別としても、それは北朝鮮の国民自身が行うべきことです。
さらに、「最悪、甘くみつもって、日本の天皇が戦争責任も問われず、特別な地位に甘んじていられるのですから、これにくらべれば、金氏の非はどうなのでしょうか」と天皇の戦争責任を持ち出されていますが、統帥大権を保有し統治権を総覧していた天皇にあるのは「敗戦責任」だけです。これは、天皇に限らず、天皇を輔弼していた統治機構上層部すべてにも言えることです。（戦勝国がどういう責任論を持ち出して裁くかは別の問題です）
「戦争責任」を持ち出すのなら、大陸政策をもって日本に経済制裁を断行した米英にもあります。経済制裁は準戦争行為です。
（日本を開戦へと仕向けた策動については、それに乗ってしまった日本自身の問題ですから、とやかくは言いません。しかし、その主役となった国務長官ハル氏が１９４５年のノーベル平和賞受賞者だというのはあまりのブラックジョークです）
中国問題について言えば、英米とりわけ英国の政策が根源として問題視されなければなりません。（米国は、９カ国条約で中国に対する植民地的権益の維持をはかっていますし、フィリピンでまさに植民地政策を行っていました）
３００万人を超える犠牲者を出し、アジア諸国民に膨大な犠牲と困窮をもたらし、併合した責任もとらないかたちで朝鮮半島に分断をもたらし、６年を超える占領支配を受けることになった戦争や戦前の国策をよかったとかやむをえないものだったとは考えていませんが、戦争責任論では、近代史の実相も明らかにならないだけではなく、国内でまともな歴史論議もできません。
軽軽に「戦争責任論」を持ち出すのは、第２次世界大戦でも厚顔無恥で偽善を振り撒いている米英支配層の思う壺であり、国内に無用の対立を招くだけです。
「敗戦責任」問題を突き詰めていけば、否応なく戦争責任もあきらかになります。
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※ 参照書き込み
『朝鮮半島問題でなければ放置プレイを主張します − 朝鮮半島を見捨てた日本は偉そうなことを言えない −』
（ http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/1025.html ）
『無条件降伏ではない！責任の果しようもある！』
（ http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/1051.html ）
『“北朝鮮嫌い”の多くが「北朝鮮体質」』
（ http://www.asyura.com/2003/hasan23/msg/569.html ）
『あまりにも“雑”であまりにも“政治的”合意』
（ http://www.asyura.com/2002/war16/msg/204.html ）
『「田中外相“解任”」→「八尾恵さん“拉致告白”」→「９・４“不審船騒動”」→「９・１７日朝合意」』
（ http://www.asyura.com/2002/bd20/msg/245.html ）
『早見さん、小泉首相は米国政権の指示で訪朝したのですよ』
（ http://www.asyura.com/2002/bd20/msg/199.html ）
『「日朝国交正常化交渉」の今後を占う − 既合意内容がリプレイされる“茶番劇” −』
（ http://www.asyura.com/2002/bd20/msg/597.html ）
『チャンスも活かせない日本外交』
（ http://www.asyura.com/2002/war18/msg/373.html ）
『「北朝鮮の核開発継続発言」の流布は米国政権のシナリオ通り！！ − 日朝国交正常化交渉は加速化する −』
（ http://www.asyura.com/2002/war17/msg/397.html ）
『“無能”政府と“思考停止”メディアが織りなす「日朝交渉」 − この国が崩壊していくのも不思議ではない −』
（ http://www.asyura.com/2002/dispute3/msg/1205.html ）
『西尾氏は「朝日新聞」ではなく「小泉政権」非難し拉致家族には犠牲を訴えるべき』
（ http://www.asyura.com/2002/nihon2/msg/480.html ）
『Re: イラクも北朝鮮もブッシュ政権の主敵ではない』
http://www.asyura.com/sora/war9/msg/457.html
『北朝鮮は産業主義：国有産業主義から外資依存産業主義への転換を志向』
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/661.html
『５人の拉致被害者の帰国問題で日朝が合意文書を交換していた ［ＴＶ朝日「朝まで生テレビ」］』
（ http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/102.html ）
『【唾棄すべき妄言】「北朝鮮脅威」をリンクさせた米国支持論は理性なき暴論 【政府を超えた恥ずべき亡国論】』
（ http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/260.html ）
『“北朝鮮騒動”を将来の言い訳に使わないよう公明党に一言いっておこう』
http://www.asyura.com/2003/war23/msg/897.html
『日米安全保障体制の虚実』
（ http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/236.html ）
『『親日派のための弁明』を読んで』
http://www.asyura.com/2002/bd19/msg/562.html
『「米朝」のマッチポンプは冷ややかに眺めるべき』
（ http://www.asyura.com/2002/war17/msg/567.html ）
『とりあえずはキム体制を存続させるというのが米国の判断』
（ http://www.asyura.com/2002/war17/msg/572.html ）
『朝鮮半島における日本の“国益”』
（ http://www.asyura.com/2002/war18/msg/399.html ）
［撃沈不審船関係参照リスト］
『Re:お答えします』
（ http://www.asyura.com/sora/dispute1/msg/6.html ）
『なぜあの“撃沈不審船”が中国人関連であってはいけないか』
（ http://www.asyura.com/2002/war16/msg/252.html ）
『「“無国籍”の中国人所有の船舶」説を補強する２２日夜の安部官房副長官判断 ［読売新聞］』
（ http://www.asyura.com/sora/war7/msg/678.html ）
『「不審船事件」の“船籍”問題で『読売新聞』オンライン版記事の姑息な差し替え発覚！不審船は“中国人保有の無国籍船”がより濃厚！！』
（ http://www.asyura.com/sora/war7/msg/729.html ）
『海保追跡中の「撃沈不審船」に「中国漁船」と見られる仲間の船が接近 ［ＦＮＮニュース］』
（ http://www.asyura.com/sora/war7/msg/840.html ）
『ようやく記事になった「不審船撃沈」直後の日中外交交渉 ［読売新聞］』
（ http://www.asyura.com/sora/war7/msg/900.html ）
『Re:４００点以上の回収物から２点だけを公表して北朝鮮説を煽るという笑い話』
（ http://www.asyura.com/sora/war8/msg/198.html ）
『『読売新聞』は信念に基づき「撃沈不審船」＝中国人保有船説を主張したらどうだい！』
（ http://www.asyura.com/sora/war8/msg/201.html ）
『撃沈不審船』は最終局面で「五星紅旗」を掲揚／ライフジャケットは韓国で流通しているもの ［フジＴＶ「スーパーニュース」／「ＮＨＫニュース」］
http://www.asyura.com/sora/war7/msg/627.html
『「不審船」のお菓子袋及び漂流回収物に対する『コリアレポート』辺 真一編集長の発言』
（ http://www.asyura.com/sora/war8/msg/209.html ）
『Re:思惑が交錯しているのは日中米のみで北朝鮮はお好きにどうぞだろう』
（ http://www.asyura.com/sora/war8/msg/628.html ）
『日朝『不審船』後に接触 先月末北京で／今月中旬にも ［東京新聞／ＫＢＳニュース／Ｊ−ＷＡＶＥニュース］』
（ http://www.asyura.com/sora/war8/msg/765.html ）
『Re: 不審船が北朝鮮船籍でも日本政府の「海賊行為」』
（ http://www.asyura.com/2002/war13/msg/580.html ）
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。