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○<地球平和公共フォーラム>御用外交評論家の厚顔無恥な開き直りトップ論説【岡崎久彦氏】
http://www.asyura2.com/0311/war41/msg/1383.html
投稿者 なるほど 日時 2003 年 11 月 29 日 23:10:58:dfhdU2/i2Qkk2

(回答先: 宮崎正弘の国際ニュース(2003)2月25日(火曜日)「日本国際フォーラム」が緊急アピールを掲載 投稿者 なるほど 日時 2003 年 11 月 21 日 01:00:11)

○<地球平和公共フォーラム>御用外交評論家の厚顔無恥な開き直りトップ論説
 皆様、東京大学の山脇直司です。先のMLでも触れましたが、今日は学者の義務感から投稿させて頂きます。
 私が4月初めにMLで批判し(現在、公共哲学ネットワークHPに掲載※)、さらに11月2日の天木シンポジウムで、日本のお粗末な外交政策を支える御用評論家として批判した岡崎久彦氏が、またまた11月23日付け読売新聞朝刊一面記事「地球を読む」で再登場しました。題して、「ネオコンの情熱」。そして一面には「根底に古典の常識」、二面には「政策動かす新たな哲学」という大見出しが付いています。その内容は、ブッシュのイラク戦争を全面的に支持したことを正当化するために、イラク攻撃の急先鋒だったネオコンの哲学的すばらしさを讃えるというものです。
 以前には御用学者の「東大教授」の発言によってイラク戦支持の正当化を図った岡崎氏は、遂に、ネオコンと会って「私が感動したのは、ネオコンの人々が真面目であり、哲学的であり、そして文章・発言の表現が簡潔で洗練されていることであった」とネオコンの「知性」を讃えだしました。岡崎氏は、日米の偽りの知性によって、戦争の正当化を図っています。しかし、『ヨーロッパ社会思想史』(東大出版会、現在9刷)を著し、駒場キャンパスで社会思想史を15年も教えてきた私にとって、このような謬見をひけらかして読者を惑わすような記事が約1000万部出ている大新聞に堂々と掲載された以上、噴飯ものだという理由でそれを黙殺するわけにはいきません。恐らく今まで一度もまじめに西洋哲学の古典を学んだことがないであろう岡崎氏の「非常識」と彼が称えるネオコンの「曲学阿世」と「支離滅裂」を、この際はっきりと指摘しておきたいと思います。
 まず、ネオコンが保守的政治哲学者レオ・シュトラウスから影響を受けたという問題は、確かに当初ルモンドなどで指摘されましたが、これはウィリアム・クリストフ(ネオコンのゴッドファーザーとして岡崎氏が挙げているアービング・クリストフの息子)らの主観的見解であって、ネオコンの全員にあてはまることではありません。その後、シュトラウスの令嬢がネオコンの悪用を新聞で批判し、ニューズウィークも否定的な見解を採っているほか、日本のシュトラウス研究者もネオコンがシュトラウスを担ぐことはできないと断じています。私から見ても、古典的自然法を尊重する良質の伝統的保守主義者シュトラウスを、元トロツキストのアービング・クリストルや石油利権と結びついたブッシュ政権を支えるネオコンたちと関連づけるのは曲学阿世に他なりません。
 次に、岡崎氏の「またその(ネオコンの)アメリカ民主主義賛美は、該博な古典の知識からもくる。」という指摘も、ネオコンの知的ペテン性を思えば笑止千万です。一般大衆を愚者と規定する民主主義とは一体何でしょうか。「賢者が法律を作り、愚者が納得してこれを受諾する政治形態」をシュトラウスのプラトン解釈から引き出しているならば、これはまさに民主主義を換骨奪胎するエリート主義になるでしょう。これは、むしろ儒教など非アメリカ的な政治に見られる思想であって、ネオコンが岡崎氏の言うように、このような思想でアメリカの民主主義を賛美しているとしたらそれはペテンです。
 さらに岡崎氏は、ツキジデスの戦史から、「愛国主義が健全な態度であり、世界政府は専制に導く恐れのある危険思想であり、政治家は敵と味方を峻別すべきであり、大国にとっては国益はその領域内の問題にとどまらない」ことを学んだと述べ、それが冷戦後のネオコンの外交哲学だとして擁護していますが、この見解は、まさに「帝国主義宣言」と言ってよいものです。古典的愛国主義のプラトンは、このような正義観を、「強者の歪んだ正義観」として批判しましたし、同じく世界政府の出現を危険視して「諸国家の連邦制」を説いたカントは、大国主義を厳しく批判しました。今のブッシュ政権をみたら、保守主義者プラトンは、賢者による統治では全くなく、まさに「金融寡頭政」と「勝利や名誉を愛する政治」の混合政体とみなしたに相違ありません。ネオコンの思想は、プラトンどころか、むしろファシズムに似ているという見解すらあります(小林正弥編『戦争批判の公共哲学』(勁草書房、2003年、18−20頁)。
 ああ、それなのに、それなのに――。岡崎氏はこのようなネオコンを生み出すアメリカを称え、それに比しての日本の思想混迷を批判しているのです。そしてさらに驚くべきことに、彼は佐藤誠三郎や香山健一といった左翼から転じたかつての御用学者であり、またその意味で典型的な日本のネオコンたちを称え、古典と歴史に立ち戻る必要を厚顔無恥に説いているのです。いずれにせよ、米日のネオコンには、「民の公共」という意識はほとんどなく、「権力的な公意識」しかないということをはっきりと認識しなければなりません。非難されるべきは、このような厚顔無恥な御用評論家が羽振りを利かすことのできる日本の外務省であり、それを一面に堂々と載せる(現社長がネオコンの)読売新聞編集部の知的退廃に他なりません。皆様、このような曲学阿世に騙されないために、もっと頑張ろうではありませんか!
http://global-peace-public-network.hp.infoseek.co.jp/index-j.html

http://members.jcom.home.ne.jp/pinuskoraie/0305.htm

関連

Re: 松下政経塾 財団役員 【御用学者・評論家がいっぱい】
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