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『さらば外務省!』[JCJ出版部会梅田正己書評] 【ジャーナリストも責任を問われている】
http://www.asyura2.com/0311/war41/msg/1400.html
投稿者 なるほど 日時 2003 年 12 月 23 日 04:32:50:dfhdU2/i2Qkk2
 

(回答先: 生きのびよ、日本!田原 総一郎 (著), 岡本 行夫 (著) 朝日新聞社【生きのびた岡本氏?】 投稿者 なるほど 日時 2003 年 12 月 22 日 14:18:31)

天木直人 著 (2003/12/7)
『さらば外務省!』―私は小泉首相と売国官僚を許さない―

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「劣化」状況を、痛憤をもって内部告発

 イラク戦争に反対する「建白書」を提出して辞職させられたレバノン大使による外務省の内部告発の書である。
 開戦前に出された建白書にはこう述べられている。
 「国連決議なしに米国が単独攻撃に踏み切る事態だけは、何としても阻止すべきだと考える。それは国連を死に追いやり、戦後の世界の安全保障体制を根幹から否定することになるからである」。
 とくに突出した意見ではない。当時の国連では多数意見だった。なのに、なんでこれがクビの理由になるのか?
 辞令を手渡す際の竹内事務次官の答えはこうだ。
 「君の言動は外務省という組織の枠を踏み外した」。
 異分子の存在を許さない官僚組織の体質というべきか。
 本の前半は、この竹内事務次官のほか、小和田恒、斉藤邦彦、栗山尚一、野上義二、田中均といった著名な外務官僚たちの人物批評、後半はこうした高級官僚に率いられた外務省の「劣化」の現状が自身の体験を交えて語られる。
 たとえば99年12月、著者がデトロイト総領事館で天皇誕生日レセプションの準備にかかったときのこと。国旗・国歌法が成立した年で、本省からとくに「国旗の掲揚と国歌の演奏を行うべし」との訓令が届いていた。
 ところが何人かの米国人から「君が代」の君とは誰のことかと質問を受けた。領事館の文化・広報資料を見ると、君とは天皇のことだと書いてある。ところが本省から連絡があり、それは法律制定前のもので、今作り直しているから回収したいと言ってきた。で、改めて公式見解を問い合わせたところ、「統一解釈はまだ出来てない。天皇誕生日には間に合わないので個人的見解で適当に答えてよい」。
 こんな話が実名入りで続く。では、どうしてこんな「劣化」状態が生じたのか。大きな理由の一つを、外交問題研究者、河辺一郎氏は、外交が学者もジャーナリズムも踏み込まない“聖域”化されてきたからだという(『日本外交と外務省』高文研)。ジャーナリストもまた、その責任を問われているのである。

(JCJ出版部会 梅田正己)
http://www.jcj.gr.jp/bookrevi.html

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