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http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200404191737371
【東京19日=齊藤力二朗】19日付のエジプトの進歩的週刊誌「アル・ウスブー」によると、同紙の著名コラムニスト、ムスタファー・バクリー氏が、ブッシュ米大統領に最近提出されたイラクの現状と展望についての報告書の内容を明らかにした。報告書は、イラクの戦況につて、外国武装勢力の予想外の浸透ぶりなどを分析。ブッシュ大統領も、大きな衝撃を受けたという。
ブッシュ大統領は先に、国務省、国防総省(ペンタゴン)、国家安全保障会議、中央情報局(CIA)に対し、ファルージャ包囲作戦以来の戦況、及び現在までの治安悪化の原因を報告書として提出するよう求めた。
報告書によると、武装勢力は、兵器の取り扱いに習熟し、米軍に対し、軍備かつ人的損害をもたらすに十分な能力を備えた戦闘集団とみなされ、双方の衝突によって、本格的な戦争の局面に突入していると指摘している。
今月、イラクの中・南部などで起きた衝突で、最初の10日間に連合軍が被った人的損害は、第一次集計で、死者が389人という。しかし、イラク占領軍のキミット准将は死者数をわずか70人と見積もっており、報告書の数との乖離が目立つ。
行方不明者や拉致された者は死者とは見なしていないが、行方不明者の数は約280人である。連合軍の負傷者数は1200人。その内訳は、900人が重傷、100人が中傷、200人が軽傷である。
▽シリア、イランからの戦士の流入
シリアは、イラクの“テロリスト”への支援という形で危険な役割を演じている。シリアは多数のアラブ人志願戦士を占領軍との戦いに投入している。彼ら志願戦士は日増しに数を増し、2000人以上のアラブ・イスラム戦士が、ファルージャ包囲から最初の数日間にイラクに入ったといわれる。
彼らは、イラク−シリアの通常の国境出入り口から入ってくるだけでなく、砂漠や山岳地帯の秘密の入り口からも入ってくる。ある偵察機がこの状況を記録している。
報告書は、シリアに事前警告無しの電撃的な空襲を勧告している。大量のミサイルを投下することになるこの急襲は、シリア深奥部の戦略地点を標的とする。急襲の目的は、イラク国内への外国人戦闘員の流入、及び国境を超えての武器流入を止めるようにとの断固たるメッセージをシリアに伝えることである。
また、この急襲はイラク情勢が悪化する前に早い時期に実行するよう勧告している。イラクの複数の確かな筋が計算したところでは、7万人を超える外国人戦士がイラク全都市に展開している。
イラクの東の隣国であるイランは、1500人の戦闘員をイラクに投入した。在バグダッド・イラン大使館のナイーミー一等書記官は、これら戦闘員とイラク国内の有力シーア派組織との調整役を果たしていた。
同書記官はイラン大使館に帰館する途中、何者かによって暗殺されている。書記官のイラクで演じてきた役割を考えれば、米軍による事件関与を示唆している。
報告書によると、武装勢力による外国人拉致の目的は、“テロリスト”たちが連合軍との交渉能力を高めるためである。連合軍との交渉に人質が役立つと考えている。
▽ファルージャは悲劇的な状況
報告書は、ファルージャでの現況に触れて、一言で表現するなら、“悲劇的”としている。報告書は戦闘の様子を描写している。
「抵抗勢力の反撃は凄まじいもので、ファルージャ市内に進入していた米兵士と米軍戦車は、総崩れになって撤退を余儀なくされた。ある米国将校は、軍服を脱ぎ捨て、司令官たち向かって「二度とこの町には戻らないぞ。俺を捕まえるか、いっそのこと殺してくれ。血に飢えたあいつらとファルージャで戦うよりはましだ」と叫んだ。
「米国がファルージャで直面している重大な問題は、(米国の要求である)殺された4人の米国人の犯人に関して、いかなる情報も提供しないようにファルージャの住民が連帯したことだ。米国情報機関は、如何にしたら(米国人殺害の)犯人たちの情報が得られるかを調べるために、何人かの住民に3万ドルを渡した。しかし、金を受け取ったものたちはファルージャ市内に雲隠れしてしまった。これらの金額は、ファルージャの抵抗勢力の手に渡ったことはまず間違いないと考えられている」
また「多数の米軍が訓練しファルージャ内や他の都市にに派遣されたイラク警察官や師団の兵士たちは、抵抗勢力側に合流し、現在では連合軍に向かって戦っている」
「バグダッドのサドル・シティーのイラク警察の相当数は、若きシーア派指導者であるムクタダ・サドル師の民兵側に立って戦った。このことで、この民兵たちが警察署を容易に占拠できた理由が分かる」
「約50人の連合軍が、イラク警察の手で倒された。ファルージャ攻略・占領第二次計画では米軍指令部は、イラク民間防衛隊を抵抗勢力との戦闘に投入したが、ファルージャ市内に進入した彼らは、武器を連合軍に向けて、市内に逃げ込んだ。同様のことは、イラク南部のクートでも発生している」
このような状況を受けて連合国暫定当局のブレマー行政官は、イラク内相バドラーン氏の更迭を余儀なくされた。バドラーンは、イラクの警察官たちに抵抗勢力への攻撃命令を出すのを躊躇し、彼らを連合軍に協力させられなかったからだ。
▽状況改善の手立ては
同報告書は、ファルージャやサドル師所属の民兵組織マハディー軍が集結している地域内での状況悪化に歯止めをかける対策を、次のように述べている。
「サドルがアメリカの全条件を受け入れ、マハディー軍を解体し政治組織に変更しても、サンチェス連合軍司令官は、サドルを殺害することが不可欠だと見ており、アビザイド米中央軍司令官の同意を得ている。またサンチェス司令官は、サドル師殺害計画の承認を得るという緊急任務で部下二人をペンタゴンに派遣した」
報告書によると、サンチェス司令官は、サドル師拘束案、あるいは彼との平和的解決案は、抵抗活動の激化をもたらすだけとして、両案の変更を求めている。サドルを拘束しても、シーア派教徒たちは、彼との交換を求めて、数百の拉致や殺害に走るというのだ。
「サドルの殺害は、大規模な軍事行動の中で実行されなければならない。殺害に続いて、(一気に)シーア派各都市の出入り口を押さえる。暴力行為やデモは1週間も続かず、その後は、大幅に沈静化する」
報告書は、ペンタゴンが策定した、たとえ現状の危機が平和的に解消しても米国が目指す、イラクでの軍事計画を述べている。この計画はいくつかの項目からなる。
(1)南部地域の諸都市からマハディー軍の多数の民兵分子、及びその他の戦闘員を一掃する。これは大規模な軍事行動を伴わないと実現しない。イラク警察軍と民間防衛隊の任務は、これらの諸都市から子供や女性、老人を疎開させることにして、米軍機とミサイルが、民兵軍に対し、武器を捨て降伏させるために、都市を破壊する。これらの行動と同時に、米軍の頭痛の種になっているスンニ派武装分子を殲滅させるために、バグダッド西部で他の軍事行動も実行する。
(2)イラク人に政権が移譲される6月30日以前に、抵抗運動の煽動に関与する、スンニ派、シーア派のあらゆる宗教指導者を一掃する。それにより、イラクの次期政権は、宗教色の無い完全に世俗的なものになる。
(3)全ての民兵と外国人テロリスト分子をバグダッドから追放し、首都の治安を確保する。米軍は首都の治安維持の全責任を負う。バグダッドは、統治、及び(軍の)司令部、投資、経済活動の首都となる。
バグダッドの治安確保には、隣接する全都市や地域の治安確保計画がなければならない。それには、連合軍がこれらの隣接都市を段階的に完全に占領することが考えられている。治安上の主要な問題の一つが、これらの諸都市に民兵が存在するため、次の段階で危険要因となる恐れがある。
(4)マハディー軍、及び最も統制が取れており、シーア派指導者たちに直接服従する他のシーア派民兵組織を解体する。
▽すべての反乱分子と対決指示
この報告書に基づきホワイト・ハウスは、連合軍を脅かす全ての分子と対決するよう発令した。具体的には、CIAは、僅か2週間で、シーア派間に、またスンニ派同士に不和を醸成する計画を作成する命令を受けた。
報告書では、シーア派は一枚岩ではなく、時には内部抗争にまで発展することもあると指摘しているのだ。とはいっても、シーア派の統一と連帯を常に呼び掛けているグループも存在する。スンニ派も同様に、様々な組織間で意見の相違が見られる。
またイスラエルの専門家たちの助言を受け入れ、パレスチナの要人暗殺計画の経験を、これから起るシーア派とスンニ派の要人暗殺に活用しようとしている。
報告書によると、米国は、200人の米国人飛行士を、秘密訓練を受けさせるためにイスラエルに派遣した。訓練の内容は基本的に、困難な地域に如何にして飛行機で進入するかなどである。彼ら米人飛行士は、イラクの基地に来週から帰還すると報告書は伝えている。
戦場の指揮官たちは「シーア派の聖都であるナジャフとカラバラ攻撃で、連合軍は甚大な損失を被る可能性がある」と警告しているが、米軍はペンタゴンの計画に基づき、2聖都での決戦の準備を開始した。
ファルージャで、国際的に使用が禁止されている兵器多数を民間人に対して使用した米軍は、これから起きる戦闘でどのような兵器を使うかで割れている。多数派は、より破壊力のある兵器の使用を唱えている。米軍はファルージャ戦では、イスラエルで製造された2種類の禁止兵器を使用した。その中には、今回初めて使用された、限定された地域で酸素を爆発させるものがある。
占領軍司令部は、イラク国内の約35の武装民兵組織が秘密裏に統合しようとする動きに神経を尖らせている。これはイラクの北から南まで、反占領軍に駆り立てることに繋がりかねないからだ。