現在地 HOME > 掲示板 > 昼休み2 > 906.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://www.al-pha.com/fp/seisho/1seisho.htm
1.聖書はいつ、誰が書いたか
「無人島に一冊だけ本を持っていけるとしたら、何の本を持っていきますか」という質問に、多くの欧米人は「聖書」と答えるそうです。でも、これは明らかにルール違反。なぜかって?だって、聖書は1600年の間に40人もの著者が書いた66巻の書物をひとつにまとめたものだからです。
この66巻の本が 世紀頃に当時の教会によって一冊にまとめられたといわれていますが、どうやって決められたのかはいまだにミステリーです。
聖書が、旧約聖書と新約聖書の二つからなっているのは知ってますよね。旧約聖書には天地創造からイエス・キリスト誕生以前までの歴史や預言、詩などが書かれていて、新約聖書にはイエスの生涯と弟子達の働きや手紙などが納められています。
旧約聖書のもっとも古いもの(「創世記」とも「ヨブ記」ともいわれる)は紀元前1500年くらいにモーセによって、旧約最後のマラキ書はマラキによって紀元前400年ぐらいに書かれたといわれています。モーセというのは、チャールトン・ヘストン主演の映画「十戒」※1を見た人ならぴんとくるはず。そう、あのいかついひげのおじさんです。
当時(紀元前1500年頃)エジプトで奴隷となっていたイスラエル民族を奇跡的な方法で脱出させ、40年以上も砂漠で放浪し、ついにカナン(今のパレスチナ)地方への定住を果たさせた指導者です。モーセは「創世記」に続く4つの歴史書※2も書いたとされています。マラキは旧約時代の最後の預言者※3。ほかに旧約聖書を書いたといわれるのは、ダビデ、ソロモンなど各時代の指導者達や、イザヤ、エレミヤなどの預言者達です。この本の旧約聖書編を読んでいけば、この人達がどんな人達だかおいおいわかってくることでしょう。
新約聖書はイエス・キリストの死後、おもにその弟子達によって書かれたとされているので、時代は紀元50年から100年くらいでしょう。イエスの生涯を書いた4つの「福音書」はそれぞれ作者の名前が冠されています(「マタイによる福音書」など)。その後に続く「使徒行伝」はルカ、手紙類はイエスの弟子達、この世の終わりが描写されている「黙示録」は弟子のヨハネ著とされています。
これほど年代も作者もバラエティに富んだ本が1冊にまとめられていて、しかもある種の一貫性を貫いているのは、考えてみれば実に不思議なはなし。奇跡と言ってもいいかもしれません。聖書自身は『聖書はすべて、神の霊の導きの下に書かれ・・』※4とその謎を解き明かしています。
<脚注>
※1 十戒:神がシナイ山でモーセを通してイスラエル民族に与えた10の戒律 ○ページ参照
※2 4つの歴史書:「出エジプト記」「レビ記」「民数記」「申命記」
※3 預言者:神のメッセージを人々に告げる役割の人 ○ページ参照
※4 新約聖書 テモテへの第2の手紙 3:16より
◇中村芳子著「3日でわかる聖書」(ダイヤモンド社刊)より抜粋