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(回答先: Re:ガン細胞の役割とは? 投稿者 寅蔵 日時 2004 年 1 月 13 日 23:03:16)
寅蔵さん、おはようございます。
味も素っ気もないレスタイトルで申し訳ありません。
私は気の利かない理系人間です。
本当は、発生学とか分子生物学とかに詳しい現役の方に的確な解説をしていただくのが良いのでしょうけど・・・・。
私の記憶の範囲で芝先生の講義内容を説明してみます。
良く知られているマウスを使った実験です。
マウスの皮膚にタールを塗って放置すると、十中八九、その部位が癌化します。
この皮膚ガンに犯されたマウスに結核菌抽出体を投与してやると
癌細胞が縮小・消失してしまうのですが
結核菌抽出体のどのような成分が有効なのか
成分を細かく分けて実験を繰り返したところ
糖にアルキル鎖(炭化水素鎖)がくっ付いた化合物にたどり着いたのです。
似たような化合物を合成して投与しても同じような結果が得られたそうです。
次に、この癌細胞を試験管レベルで培養して投与実験してみたら
なんと、癌細胞が皮膚細胞に戻っていたという、事の顛末でした。
実験されたマウスの皮膚ガンに限って推論すると
通常、皮膚細胞は周囲からの化学的・物理的刺激(周りが全て皮膚細胞であるとか、外気に接しているとか)を受けて自分が皮膚細胞であることを演じ続けている(細胞分化している)わけです。
つまり、肝細胞にでも神経細胞にでもリンパ球にでも変身できるほどの膨大な量のDNA情報の中から、皮膚細胞が皮膚細胞であるために必要な情報部分だけが周囲からの特定の化学的・物理的刺激によって活性化されている状態にあるといえます。
活性物質をふんだんに含んだタールを塗ったくられた皮膚細胞は、周囲からの正常な刺激が変化させられ、自分が何者であれば良いのかを見失い、限りなく増殖して宇宙を占有しようという、かばさん さんの書かれた「細胞の本来のあり方」に回帰してしまうのです。
この変身した細胞は癌というコロニーの中で互助的に刺激を出し合って癌細胞を演じ続けるので、タールを取り除いてやっても正常な皮膚細胞に戻ることは無いのですが、先の、糖にアルキル鎖がくっついた化合物を投与することによって、ふと我に返り、コロニーの外側が正常な皮膚細胞に戻ると、栄養供給路が遮断され、中心部は壊死してしまいます。
先に「分化制御」と表現してしまいましが「分化誘導」といった方がしっくりいくかもです。
なんか、人間社会とそっくりですね。
抗がん剤治療とか放射線治療とかの治療法は、癌細胞を殺すことを目的としているため、正常な細胞にも少なからずダメージを与えてしまい、副作用とか言う苦しい日々を過ごさなくてはならないのですが、芝先生(「芝研」と言った方が正確かな)のこの研究が医学会に素直に受け入れられていたら・・・・年金破綻してしまいますね(自爆
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芝先生とは専門家なのでしょうが、例によって他の専門家には理解されなかったので
しょうか。
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芝先生は理学部の人でしたから、癌産複合体系の学会からは無視されたんじゃないでしょうか。
理学系、特に生化学方面の専門家にとって「結核菌抽出体は癌に有効である」というのは常識になっているのかもしれませんね。