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(回答先: 安部被告公判停止:「やり切れない」 肩落とす遺族ら [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 2 月 23 日 15:57:53)
薬害エイズ事件で業務上過失致死罪に問われ、一審東京地裁で無罪(求刑禁固三年)となった元帝京大副学長安部英被告(87)の控訴審で、東京高裁(河辺義正裁判長)は二十三日、「被告は高度の痴ほう状態にあり、心神喪失と認められる」として、公判を停止する決定をした。
一九九七年三月の一審初公判から約七年。公判が再開される見込みはなく、旧厚生省、専門医、製薬会社の複合過失とされた薬害エイズ事件のうち、「血友病治療の権威」だった安部被告の刑事責任追及は最終的な結論が出ないまま、事実上終結することになった。一審判決は確定しない。
刑事訴訟法は「被告が心神喪失の状態にあるときは、公判手続きを停止しなければならない」と規定している。
決定理由で河辺裁判長は、痴ほう状態の原因について「脳血管性障害に心疾患などが加わった」と述べた。
弁護団によると、安部被告は昨年、持病の心臓病などで入退院を繰り返し、話し掛けてもほとんど反応がなくなった。専門医が「心神喪失の疑いがある」と診断したため、弁護団が東京高裁に公判停止を申し立てた。
これを受けた高裁が昨年十二月、精神鑑定の実施を決定。嘱託を受けた慶応大病院の医師が「物事の善悪を判断する能力がない状態にある」とする鑑定結果を高裁に提出。河辺裁判長も今月十六日に安部被告と面会し呼び掛けても返事がないことなどを確認した。
安部被告は帝京大病院第一内科長だった八五年、部下の医師に指示しエイズウイルス(HIV)に汚染された輸入非加熱製剤を血友病の男性患者に投与、九一年にエイズで死亡させたとして起訴されたが、全面無罪を主張。
一審・東京地裁は二〇〇一年三月、「結果を予見できた可能性は低い。当時は多くの専門医が非加熱製剤を使っており、被告に過失があったとは言えない」と無罪(求刑禁固三年)を言い渡し、検察側が控訴した。
控訴審は〇二年十一月に始まり、検察側は「一審は予見可能性を不当に低く評価している」と主張。被告が一度も出廷しないまま、三月二日の次回公判で結審する予定だった。
薬害エイズ事件では、元厚生省課長松村明仁被告(62)が一審で有罪判決を受け、控訴審で公判中。製薬会社旧ミドリ十字の元社長二人は一、二審で実刑判決を受け、上告している。
川田さん母子無念『幕引き許されぬ』
「幕引きは許されない」。薬害エイズ事件で、安部英被告(87)の公判手続きが二十三日停止したことで、訴訟の原告川田龍平さん(28)と、川田さんの母親の悦子さん(55)は、ともに無念さをあらわにした。
川田さんは「高裁での裁判では(安部被告が)有罪に傾いていたと感じていた。それが停止になるのは残念。怒りをどこにぶつけたらいいのか分からない」。悦子さんは「真実が明らかにならないまま裁判が終わるのは納得がいかない」と無念そうに話す。
安部被告については「一審でも被告人質問を拒否するなど事件を語らないまま逃げ切った」と指摘した上で「裁判のルールかもしれないが、責任を問われないまま、幕が引かれるのは許されない。真相を明らかにしなければ、同じことが繰り返される」と訴えた。
薬害エイズ事件を追及するジャーナリストの櫻井よしこさん(58)は「安部被告は血友病専門医の権威だった。なぜ薬害エイズが起きたのか説明義務を果たさないまま、公判が終わるのは残念。ただ刑訴法の『公判停止』の条文のただし書きで、無罪判決が明らかな場合は公判を続けてもよい、とあり、続行すれば、逆転有罪の判決が出ていた可能性があったとも受け取れる」と話した。
一方、安部被告の主任弁護人・弘中惇一郎弁護士は「裁判所の判断は、東京地裁の無罪判決で詳細かつ説得的になされている。控訴審は弁論と判決を待つだけの状況で、検察官から目新しい立証は行われなかった。仮に判決となっても検察官の控訴棄却は確実で、安部医師の無罪は動かしがたい」とのコメントを出した。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20040223/eve_____sya_____012.shtml