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(回答先: 薬害エイズ 心神喪失で安部被告の公判停止[中日新聞]【川田さん、「幕引きは許されない」「真相を明らかにしなければ、同じことが繰り返される」】 投稿者 なるほど 日時 2004 年 2 月 23 日 19:36:22)
安部氏の精神鑑定結果について、
ニュースで知ったときにも、がっかりしましたが、
今日、裁判所の決定を聞いて、大変に残念です。
自分のことも含め、殺されてきた仲間のことや、
残された遺族の方達のことも考えると悔しくて、やりきれません。
無罪判決後の控訴審は、裁判傍聴にほぼ毎回出席してきました。
逆転有罪もあるのではないかという期待をもたせる公判だっただけに、
また、精神鑑定をすることが、「あきらかな無罪」ではないことと同義であり、
有罪判決が出るのではないかという期待もあったので、とても残念です。
証拠調べも終わり、あとは最終弁論を残すのみとなっていた段階での、
公判停止請求だったことも、非常に納得のいかないことです。
無罪を主張するのであれば、1審でも被告人質問に応じるべきであったし、
また、公判停止で裁判を終わらせるのではなく、判決を受けるべきでした。
薬害エイズ裁判で医者が責任を問われたのは、安部氏ただ1人でした。
他の血友病専門医にも責任を問われる立場の方もいたと思いますが、
安部氏の場合には、エイズ研究班の班長であった立場や、
血友病の専門医として権威がある人物で治療に影響をもっており、
製薬企業との癒着など、刑事裁判に問われた唯一のケースでした。
今回の裁判は、薬害エイズ問題だけでなく、今後の医療に携わる、
医者の責任に大きな影響を与える意味を持つ裁判でした。
安部氏の裁判がこうした形で終わることに対して、
医療者が患者の立場にたった責任のある医療をするかどうか、
薬害だけでなく、医療による被害がまた生まれてしまうのではないかと危惧します。
また医療者が誰一人として、薬害の問題で責任を認めておらず、
今回の安部氏も一度も自分がした行為の誤りを認めていません。
自分たちがしたことを、間違いであったと認め、僕たち被害者に謝罪してほしいです。
薬害は、医療だけの問題ではなく、
スモン、サリドマイド、クロロキン、エイズ、ヤコブと、
何度もくりかえされてきた背景には、構造の問題があると言われています。
官僚の天下りと、官僚から生まれた族議員、企業からの政治献金、産学癒着と、
いまだに、そうした構造の問題は解決されていません。
何が悪かったのか、明らかにしないで、ただ頭をさげるという行為は、
本当の「心からの謝罪」であるとは思えません。
真相究明と責任の明確化なくして、「心からの謝罪」はありえません。
僕は、自分達が何故感染させられたのか、その事実を知りたいのであり、
「心からの謝罪」をしてほしいと思っています。そして、2度と同じ過ちを繰り返さないように、一人一人が薬害エイズの問題を知って、構造を変えるためのことをしてほしいと思います。
大学で若い人たちと接していて感じるのは、
薬害エイズ問題は、すでに多くの若い人たちの間では、
知られていない過去の出来事になっているということです。
しかし、薬害エイズの問題を引き起こしてきた構造や、
いのちや人権よりも、お金や利益を優先する考え方は変わっていません。
2度と同じ過ちを繰り返さないために、
薬害エイズの事実を伝えつづけることをしていきたいと思います。
2004年2月23日
川田龍平