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日本道路公団の藤井治芳(はるほ)総裁を解任するための手続きである聴聞が17日、東京・港区の中央官庁合同会議所で開かれた。
藤井総裁側は、聴聞に入る手続きなどに抗議し、解任理由にも反論した後、聴聞をこの日だけで終結せず、次回の期日を指定するよう要請した。しかし、聴聞の進行管理を担当する主宰者の山本繁太郎・国交省政策統括官は、「聴聞の趣旨は十分に達せられた」と述べ、聴聞の終結を宣言した。
同統括官は、週明けにも調書と報告書を国交省に提出する。石原国交相は、これらを基に、早ければ20日にも藤井総裁の解任を決める見通しだ。
藤井総裁側は、解任が決定した場合には処分の取り消しなどを求める行政訴訟のほか、石原国交相を相手取って名誉棄損の損害賠償請求などの訴訟を起こす可能性を示唆しており、混乱は長期化する可能性もある。
聴聞は、国交省側が示した解任理由に対し、処分を受ける当事者に反論や弁明の機会を与える趣旨で開かれた。この日午前10時に始まり、休憩をはさみながら約9時間にわたって行われ、午後7時過ぎに終了した。
藤井総裁側は冒頭、反論に入る前に「処分の基準がどうなっているのか」「懲戒処分に当たるのか」など手続き上の問題や、解任理由を通知した書面の用語の解釈など多くの点について国交省側の説明を求め、実質的な反論はわずかしか行われなかった。
藤井総裁は、国交省側が解任理由として「債務超過を示す財務諸表が存在するとの疑惑に対し、調査など適切な対応を取ることを怠り、国会答弁が変遷するなど不誠実な対応があった」とした点について、「(国交省)道路局とは情報を共有しているのに、調査をしたらどうかという指示など1度もなかった」と語気荒く反論。
「公団外での居場所を秘書以外に知らせない不自然な組織運営を行っており、職責を誠実に遂行するものとはいえない」との解任理由に対しても、「私は自分が全てのバッシングの的になるよう動いてきた。壁になってくれる人が本当の信頼(を受ける人)であり、連絡が付かないなど2次、3次、4次の問題」と、机をたたきながら訴えた。
また、藤井総裁側代理人は、「(解任は)人権侵害であり、法秩序を破壊するものだ」と、処分の不当性を強調。さらに、聴聞の最後には、石原国交相が更迭を決めた今月5日は民主党と自由党の合併大会と同日だったことを指摘し、「選挙の道具に(総裁更迭が)使われ、恣意的な権力行使だ」などと石原国交相を批判した。
藤井総裁も、「こういうものを(解任理由に)使う国交省は寂しい気がする」と、古巣を批判した。
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石原国土交通相は17日夜、「先程、聴聞終結の連絡を受けた。今後、主宰者からの聴聞調書、報告書を十分に参酌し、(解任処分を)判断したい」との談話を発表した。
◆国交省統括官「聴聞の趣旨は全うした」◆
聴聞会の主宰者を務めた山本繁太郎・国土交通省政策統括官は17日夜の聴聞終了後、記者団に対して、「藤井総裁は自分の言葉で自分の考えを発言されたので、これをもって聴聞の趣旨は全うしたと判断した」と述べ、藤井総裁側が求めていた聴聞続行に応じる考えがないことを強調した。
この日の聴聞を受けて国交省が作成する調書などについては、「今晩からでも取りかかる」とし、できるだけ早く作業に取りかかる姿勢を示した。しかし、石原国交相への提出時期は「分からない」と述べるにとどまった。
「解任を選挙の道具に利用している」との藤井総裁側の指摘に対しては、「私がコメントすることではない」と話した。
(2003/10/17/21:10 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20031017it13.htm