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(回答先: 藤井総裁が握る『闇』 [東京新聞] 投稿者 マルハナバチ 日時 2003 年 10 月 15 日 23:19:48)
国土交通省は15日、藤井治芳・日本道路公団総裁の解任手続きの一環である聴聞を公開すると発表した。藤井総裁側の要求に応じたものだが、聴聞は、もともと懲戒など不利益処分を受ける当事者に弁明の機会を与える趣旨で行われるため、公開されるのは極めて異例となる。
17日に行われる聴聞の公開は道路公団の民営化を始め、衆院選にも影響を及ぼす可能性があり、波紋が広がっている。
「思ってもいなかった事態だ」。14日、藤井総裁側が聴聞の公開を求める申し入れ書を提出したことに国交省幹部は絶句した。
藤井総裁は、石原国交相が要求した辞表の提出を拒否し、解任された場合、訴訟の提起も辞さない構えを見せてきた。国交省側もそこまでは予測しており、石原国交相も「(法廷闘争を)受けて立つ」としていたが、聴聞の公開は想定外だった。聴聞の手続きを定めた行政手続法は「行政庁(今回は国交省)が公開することを相当と認める時を除き」非公開としている。聴聞は原則、非公開で、公開すること自体が「法の想定外」(総務省行政管理局)との指摘もある。
公開を藤井総裁側が求めてきたのは、「解任の理由が不明確」(藤井総裁の代理人の小長井良浩弁護士)と判断したためだ。
藤井総裁側の申し入れ書によれば、国交省側が解任を迫る理由として、〈1〉(総裁の)国会対応が不誠実との批判を招いた〈2〉組織の不信感を招いた〈3〉組織の管理運営に支障を生じさせた――などを挙げている。
だが、藤井総裁側は「処分要件に該当する事実を明示していない」(小長井弁護士)と主張する。公開の場で、客観的事実に基づく解任理由を示すよう迫ることができれば、国交省に揺さぶりをかけられるとの狙いがあったと見られる。
一方、聴聞の公開を決めた国交省は、表向き冷静だ。非公開で粛々と聴聞を終わらせるという想定は崩れたが、「(総裁側から)新事実が出なければ、解任することには変わりはない」(幹部)としている。
ただ、藤井氏が5日の石原国交相との会談で、「道路族議員らの名をイニシャルで挙げ、『国有地払い下げの疑惑があった』などと話した」(石原氏)ことが、与党内で波紋を呼んでいるのも事実だ。
また、藤井総裁側は複数回の聴聞を要求しているが、石原国交相は、解任までの時間を長引かせたくない意向で、2回目以降の聴聞の開催は微妙だ。
石原国交相は「藤井総裁の解任後、速やかに後任総裁選びに着手する」としているが、解任が決まっても、すんなり後任の人選に入れるかは不透明だ。
藤井総裁側は「徹底抗戦」を表明しており、行政事件訴訟法に基づいて解任処分の取り消し訴訟と、民事訴訟の仮処分にあたる執行停止の申し立てを裁判所に起こす公算が大きいためだ。
藤井総裁側は、テレビ番組などで「一方的に総裁の人権にかかわる発言をしている」として、石原国交相に対する不信感を強めており、名誉棄損で損害賠償請求訴訟を起こす可能性も示唆している。
特殊法人のトップ解任を巡る騒動が長引けば、小泉政権の大きな課題である道路公団改革が停滞し、石原国交相の指導力が問われる局面も予想される。
◆自民、選挙への影響懸念◆
「事実が明らかになればいい。問題が藤井総裁の責任に帰するものかどうか、聴聞で明らかになる」
福田官房長官は15日の記者会見で、藤井総裁の聴聞の公開を冷静に受け止めていることを強調した。小泉首相も、手続き通り淡々と進めるよう石原国交相に指示しているという。
首相周辺には、「藤井氏が粘っても、『抵抗勢力対改革派』の図式が強調されるだけで、結局は政権のイメージアップにつながる」との楽観的な見方もある。
ただ、藤井氏の「道路族の疑惑」発言について、自民党内では「公開された聴聞の席で、まずい話が出てくるのではないか。処理を間違うと選挙で大変なことになる。族議員がどうした、といった変な話が出れば、我々にプラスのはずがない」(森派中堅)などと、28日公示の衆院選への影響を懸念する声も出ている。
これに対し、民主党の菅代表は15日の読売新聞などのインタビューで、「現職の道路公団総裁で建設省次官までやった人が建設省、公団に関連して、いろいろな不正があったと言ったことはものすごく重大だ」と強調した。聴聞の結果を踏まえ、この問題を徹底追及し、衆院選の争点に掲げる姿勢を示したものだ。
このため、自民党内からは「石原氏は更迭の際の詰めを誤った」(道路族議員)などとして、藤井氏の抵抗を封じられなかった石原氏の責任を批判する身勝手な声も出始めた。
(2003/10/16/01:49 読売新聞 無断転載禁止)