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(回答先: 電力3社長が「珠洲原発」凍結を地元説明、市長は反発(読売新聞) 投稿者 エンセン 日時 2003 年 12 月 05 日 11:40:29)
2003年12月05日(金)朝日
http://www.asahi.com/
他の原発へ波及も 珠洲原発断念へ 需要低迷、「重荷」に
関西、中部、北陸の3電力が5日、珠洲原発(石川県珠洲市)計画の「凍結」
を地元自治体に申し入れる。電力会社が建設を表明しながら、経営判断に基づき
計画を断念するのは初めて。需要の伸び悩みと、原発の長期にわたる資金や管理
の負担に加え、自由化の拡大でコスト削減を迫られている電力会社にとって、過
去の原発計画は大きな負担になりつつある。計画が難航する他の原発への波及も
懸念され、原発を「基幹電源」とした国のエネルギー政策への影響は必至だ。
電力3社は、いずれも当初予定した通りには需要が伸びず、供給力が上回って
いる。ある幹部は「単なる延期ではなく、一歩進める経営判断が迫られていた」
と語る。
関電は、管内の需要の伸びを、01年から12年までの平均で0・9%と予
測。06年をピークに日本は人口減少に転ずる見通しで、需要が大きく伸びる可
能性は小さい。逆に、関西では最大のライバル、大阪ガスが大阪府堺市に新規の
発電所を計画するなど、管内の供給力は増える傾向にある。
中部電の原発断念は00年2月の芦浜(三重県)に続き2件目。静岡県の浜岡
しか原発を持たず、原発比率の低さが長年の悩みの種だったが、ある幹部は「需
要がないのに造っても困る。今、珠洲は必要ない」と説明する。関電との関係
が、電力自由化による地域独占の崩壊で競争関係に突入したのも一因だ。
北陸電は、東北電力と並び水力発電が豊富で電気料金も割安。原発を造れば造
るほど、この利点が薄れる。石川県で建設中の志賀原発2号機(出力135・8
万キロワット)が06年3月に運転を始めれば、当面の供給力は十分となる。
全国では、東北電・巻(新潟県)、中国電力・上関(山口県)など多くの原発
計画が難航している。各社は職員を張り付け、毎年億単位の資金を投じて住民へ
の理解を求めてきたが、用地取得などがはかどらず、稼働開始時期を毎年のよう
に先送りしてきた。
電力10社の03年度供給計画によると、今後10年間の販売電力量の年平均
伸び率は過去最低の1・3%。原発に限らず発電所の新規計画は後ずれ傾向だ。
とくに原発は、1基4千億円と初期投資が大きい。青森県六ケ所村で建設中の
使用済み核燃料の再処理施設が06年から稼働すれば、約19兆円の後処理費用
も発生する。新規参入者は、短期でコスト回収できる火力発電所を次々に建設
し、顧客を奪い始めている。実現性の乏しい原発計画に巨額の資金をかけられる
時代ではなくなってきた。
石油危機を契機に石油火力依存度を減らす一方で、経済成長による需要の伸び
に発電所建設が追いつかなかった70〜80年代のような「何が何でも原発推
進」という姿勢は、国、電力会社ともに影を潜めた。ただ、10月に策定した国
のエネルギー基本計画で、原発は引き続き基幹電源と位置づけられた。二酸化炭
素(CO2)をほとんど排出しないため、地球温暖化対策の「切り札」としての
役割は生き続ける。
一方、需給計画は10年度までに9〜12基の原発新設の目標が毎年のように
運転開始が遅れ、目標通り稼働できるのは8基にとどまる。1基が稼働せずに石
炭火力で代替した場合、90年比で約0・7%の温暖化ガスの排出増になる。こ
の解決策はまだみつかっていない。
◇ ◇
大間(青森県)は電源開発で初の原発。日本で初めてプルトニウム混合のMO
X燃料だけを使う計画だが、炉心予定地の変更を強いられた。東京電力の東通
(同)は推進姿勢だが、凍結の観測もくすぶる。
東北電力の巻(新潟県)は96年の住民投票で町民の6割が反対、浪江・小高
(福島県)も用地買収の難航で03年度計画まで計28回延期された。中部電力
の芦浜(三重県)は県知事判断を受け断念。中部電と関西電力、北陸電力の珠洲
(石川県)も凍結から断念の方向。中国電力は反対が強い豊北(山口県)の代わ
りに上関(同)を推進しているが、原子炉設置許可申請が出せていない。
九州電力の串間(宮崎県)は国の計画に入る前に住民投票の可能性が高まり、
撤回した。