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(回答先: Re:ウクライナの飢餓について 投稿者 竹中半兵衛 日時 2003 年 12 月 02 日 00:29:30)
竹中半兵衛さん、ありがとうございます。
竹中さんが11月24日戦争版でこの問題に関する情報の投稿をされていたとは、うかつにも知りませんでした。ピュリッツア賞委員会についての記事ですが、感謝です。これについては実は英語記事(ニューヨークタイムズ)で直接取っていましたが朝日が報道しているとは知らなかったです。毎日だいたい朝日新聞本紙に目を通しているのですが。
ただ、非常に問題がありますね。実は朝日のこの記事にあるとおり、ニューヨークタイムズの記者が当時の連報道について、賞が与えられていたところ、最近になりウクライナサイドが意図的に当時の飢餓を報道しなかったと、委員会に訴えていたところ、委員会はそれを調べたが、意図的に報道しなかったという証拠がない、だから賞の取り消しはしない、といっているわけです。しかし、今回の問題で決定的に重要なことは、国連を含めた30カ国の政府が、この人工飢餓大殺戮事件の存在を認め一同で署名したこと、つまり、この問題が国際社会によって初めて認知されたこと、ここに最大の報道価値・意味があるんです。日本人には誰も知られていない歴史的事実そのものを伝えることが先でなければなりません。朝日外報部は、私が読んだ英文のAP電(国際社会が70年目にして認めたということ)も必ず目を通しているはずです。こちらのほうを伝えず、ピュリッツア賞委員会が賞の取り消し拒否した記事を伝えても、よく意味が分からないわけです。これは、非常に不自然です。理由は、ソ連の体制を肯定的に報道してきた立場上、今頃になって、実はさらに、ウクライナ人を1000万人も殺していたなんてことを認めるのがつらいからだと思われます。朝日の面子を守るために、この1000万人殺害という歴史的事実自体を、あまり知られたくないのだと思います。むしろ、70周年を記念してこの事実を詳しく日本国民に伝える、報道解説する必要があるのですが。
で、ピュリッツアー委員会はニューヨークタイムズの社主(ザルツバーガー家)が主催しています。彼らはユダヤ人です。彼らにとって、ヒトラーによるホロコーストが人類最大の虐殺事件である、ユダヤ人が人類で最も悲惨な目にあった気の毒な人々であるという宣伝をし続けることで政治的利益を得たいわけですから、ウクライナ人1000万人虐殺事件などというさらにスケールの大きな虐殺事件など出てきて欲しくないわけです。世界に知って欲しくないわけです。
朝日はニューヨークタイムズと特約関係にあります。朝日として、ニューヨークタイムズとホロコースト宣伝に気を使っている可能性が大きいわけです。ですから、ウクライナ大虐殺事件そのものについてのストレートな報道をせずに、ピュリッツアー委員会の、賞取り消し拒否というニューヨークタイムズの11月22日の記事を翻訳紹介してお茶を濁しているわけです。卑劣なことに、この報道源が、ニューヨークタイムズであること自体を明記していないところに、その後ろ暗さが明らかに見てとれるわけです。私は、この朝日記事は、NY紙の記事を丸ごと翻訳しただけであることを、読み比べて確認しています。
受賞対象になったオリジナル記事の英文を読みますと、記者は、栄養不足に陥っている人の姿を誰一人見なかったと書いています。一方、同時期にウクライナを訪れていたアメリカのジャーナリスト、エドガーー=スノウ、作家アーサー=ケストラーらは、ウクライナの目も当てられない悲惨な飢餓状況について、書いています。ですから、NY記者の報告自体がいかに出たらめの度合いが高かったか、意図的な隠蔽か、あるいは少なくとも重大な過失があり、受賞に値しないといえる面が少なくないわけです。
さて
ソ連政府がソ連体制下で虐殺したソ連人の総数は6200万人から1億人と算定されていますが、一体なぜこうなのか、という疑問。共産主義イデオロギーであるが故なのか、いや、そのイデオロギー自体が問題なのではなく、その運用の仕方自体に問題があったのか、運用者である独裁者の個人的資質がそうさせたのか。あるいは両者のミックスなのか。
こんな問題が残ります。
さて、良書をご案内いただきありがとうございます。この本が最も包括的・集中的にこの事件を伝えている本のようです(のみならずはじめての本ですね)。この本についての英文の紹介を読みますと、1450万人のウクライナ人が人工飢餓で虐殺された、とありますね。つまり、やはり700万人から1450万人の間、で、1000万人という数字はリアリティーにかなり近いようです。
この本の読者の英文感想文を読みますと非常に高い星を上げています。総合得点が5つ星に近いということで、良書といえ、早速注文いたしました。
ありがとうございました!